転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

4 / 32
名付け

「それじゃあ、お姉ちゃんとまた逢える可能性があることもわかったし。そろそろ行くとしましょうか。」

 

【あ。俺も手伝うよ。こうして逢ったのも何かの縁だしな。】

 

【む?なんだ。スキマ妖怪だけでなくお主ももう行くのか……】

 

私とスライムさんがそう言ったら、ヴェルドラさんは見るからに寂しそうにそう言う。

 

【……なぁ。紫の嬢ちゃん。あんたのスキルでヴェルドラさんに施された『封印』を解くことはできないか?】

 

「そうね……視たところ、この『封印』…『無限牢獄』って言ったかしら。かなり強固に出来てるみたい。モノホンの紫様ならともかく殆んど産まれたばかりの『私』には難しいわ。」

 

【そうか……よしっ!此処にいる俺達三人、友だちになろう!!】

 

「!?友だち……」

 

【なっ!?我がスライムとスキマ妖怪と友だちになるだと……っ!?】

 

【嫌か?なら、俺と紫の嬢ちゃんの二人で……】

 

【バッ、嫌だとは言っておらぬだろ!?そうだな……どうしてもと言うなら……】

 

【どうしても!嫌なら絶交。二度と来ない。】

 

【ちょっ……ちっ、仕方ないな……】

 

ヴェルドラさんはそう言いながら、私達の前に右手の爪を差し出す。

 

【我が友だちになってやるわ!!】

 

【おう!よろしくなっ!!】

 

「よろしく。」

 

まさか、幻想卿とは別の異世界で竜と元人間のスライムと友だちになるとはね。

 

【でだ。ヴェルドラ。おまえ、俺の『胃袋』に入る気はないか?】

 

まさかの友情を結んだ直後のカニバル発言の件について。

 

【む?貴様の胃袋にだと?】

 

「スライムさん?貴方の方が『人間』捨ててないかしら?なったばかりとはいえ、友だちを食べるって……」

 

【そういう意味じゃねぇよ!今、俺が言った『胃袋』ってのは俺のスキル『大賢者』曰く『俺の中に作られた異空間』。そこに俺がヴェルドラを『無限牢獄』ごと『捕食』する形で送って、外側と内側から『無限牢獄』を解析して解除するんだ。】

 

【しかし、先程も説明した通り、『無限牢獄』内では我のスキルは使えぬぞ?】

 

【ヴェルドラはただ内側で解析して得られた情報を送ってくれれば良いよ。後はこっち(というより『大賢者』)がどうにかするから。】

 

今、副音声が聞こえた気がするのだけど……気のせいかしら?

 

【………】

 

【時間は掛かるけど、この方法が最短の方法だ……どうだ?】

 

【……ククク……クハハ……クァーハッハッハッハッハッ!!面白い!是非やってくれ!貴様に我の全てを委ねよう!!】

 

「あら?そんなに簡単に信じちゃって良いの?ヴェルドラ。」

 

【無論だ。此処で一人で貴様らの帰りを寂しく待つより、此奴と共に『無限牢獄』を破る方が面白い!!】

 

【じゃあ、早速俺のスキル『捕食者』で喰うけど……】

 

【あぁ、待て。その前に貴様らに名をやろう。そして、貴様らも我と共通の名を付けよ。我らが同格であることを魂に刻むのだ。】

 

「共通の名前ね……」

 

名字みたいなものかしら……暴風竜だから……

 

「【『テンペスト』】なんてどうかしら?」

 

【テンペスト!実に良い!!今日から我の名は『ヴェルドラ=テンペスト』!!そして、スライムの名は『リムル』、スキマ妖怪の名は『ユカリ』!!今日から貴様らは『リムル=テンペスト』、『ユカリ=テンペスト』と名乗るが良い!!】

 

パァァァ

 

「!?」

 

ヴェルドラが私達にそう名付けた瞬間、身体の奥底から“力”が漲ってくるのを感じ取る。

 

【では、頼むぞ……友よ。】

 

「リムル。」

 

【あぁ……ユニークスキル『捕食者』!!】

 

ズズズ……ッ!!

 

次の瞬間、リムルの身体が大きく広がり、ヴェルドラを包み込んでいく。

 

【さっさと出てこいよ?ヴェルドラ。】

 

「私達は待っててあげるわ。」

 

【無論だ。リムルと共に『無限牢獄』を破り、必ずや合間いえようぞ……リムル、ユカリよ……】

 

そうしてヴェルドラはリムルに『捕食』され、私達の前から姿を消した。

 

第三者side

 

「……ちょっと寂しくなるわね……」

 

【でも、すぐに出てくるだろ。そう約束したんだから。】

 

「そうね……じゃあ、行きましょうか。紳士なスライムさん?」

 

【……なぁ。今、思ったんだけど、ヴェルドラはともかく俺達はおまえのスキマで出られたんじゃねぇか?】

 

「外の地形がわからなきゃ無理よ。先ずは歩いてこの世界のことを知っていかないと……」

 

【はぁ……そう上手くはいかないもんだなぁ……】

 

「ぐだぐだ言ってると置いてくわよ。」

 

【あ!おい!待てよ!ユカリ!!】

 

ヴェルドラが消えた後、そう言いながら、日傘を差しながらスタスタと歩いていくユカリに対し、リムルはそう言いながら慌てて追いかける。

 

こうして前世の壮絶な経験から『自称人間嫌い』になった元人間のスキマ妖怪と人間が好きな同じく元人間のスライムの共同異世界生活が始まったのだった。




ユカリ=テンペスト

見た目:東方Projectのスキマ妖怪、八雲紫

所持スキル

エクストラスキル『霊視者(ミエルモノ)』:前世から所持していた霊視能力がスキル化したもの。相手の魔素(エネルギー)量だけでなく妖怪(式神)に成れるかどうかの確率や肉視で見ることも触れることも困難な星幽体(アストラルボディー)の幽霊の類いも視て触ることもできる上、人間に潜む精霊や悪魔等といった存在も感知できる。

エクストラスキル『忍耐者(タエルモノ)』:受けたダメージをエネルギーに変換して自身に還元できるスキル

ユニークスキル『妖怪賢者(ヤクモユカリ)』:東方の八雲紫の『境界を操る』程度の能力だけでなく弾幕やスペカも使える。また、原作の八雲紫の知識や人格がリムルの『大賢者』のようにユカリに宿ってもいる。

ユニークスキル『式神使い』:ヒトガタを用いて魔物や幽霊、悪魔や精霊を式神に変えて使役できるスキル。尚、精霊以外は式神になると同時に妖怪化もする。また、式神にした配下のスキルを使用することもできるようになる。

技能(アーツ)『陰陽道』

詳細

元は壮絶なイジメの末に学校の屋上から突き落とされて死亡した霊能少女。実の両親も交通事故で失った彼女の心の支えは四年前に行方不明になった歳上の友人である『お姉ちゃん』と東方Projectであり、その想いの強さと人間に対する絶望からスキマ妖怪として転生を果たす。そういった経緯から『人間嫌い』を自称するものの心優しい人間や小さな子どもに対しては軟化した態度を示すので完全に『人間』を見限っている訳でもない。現在は四年前にこの世界に転移した可能性のある『お姉ちゃん』を見つけることを目的にリムルと行動を共にしている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。