転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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前ページの11大魔王というのはミスではないので悪しからず……(^∀^;)


建設ラッシュと合流するガビル達

リムルSide

 

豚頭魔王(オークディザスター)を討伐してからというもの、ユカリによって豚頭魔王時以上の“力”と式神として超高度な演算能力を手に入れて甦ったユウマと、俺からの名付けで猪人王(オークキング)へと進化したゲルドと猪人族(ハイオーク)に進化したオーク達のおかげで町の発展が一気に進んだ。

 

技術を指導したカイジン曰く『鍛えれば、ドワーフに劣らない技術力を持てる』とのこと。

 

まぁ猪人族(みんな)、真面目で勉強熱心だもんな。

 

「ふ、父王!あまりご無理を為されては!!」

 

「それは私達が運びますので!!」

 

「心配するな。身体は小さくはなったが、“力”は以前(まえ)よりも上がっているからな。」

 

慌てふためくゲルドやハイオーク達を他所にユウマは笑顔でそう言いながら、片手で木材を三十本ずつ持って運んでいく。

 

「凄いな。ユウマ……」

 

「あんな小さな身体であれだけの数の木材を軽々と運んでるもんね。」

 

「そりゃあ、見た目はあんなでも強力な妖怪だもの。“力”だけ見ても普通のオークは勿論、豚頭魔王(オークディザスター)すら超えているわ……強力なキメラを依代にしているしね。」

 

そんなユウマを見ながらそう言う俺とシズさんに対し、ユカリは当然と言わんばかりにそう言う。

 

「……そのキメラの遺骸はどうやって調達してきた(・・・・・・・・・・・)んだ?」

 

「………」

 

「おいっ!目を反らすな!!目を!!」

 

「あはは……」

 

こいつ、トレイニーさんとの時のようにまだ何か隠してるだろっ!!

 

「あ!ユカリ様!!」

 

「リムル様にシズ殿も!!いらしていることに気付かず申し訳ありません!!」

 

そんななか、俺達三人の存在に気付いたユウマとゲルドがそう話しかけてくる。

 

「別に気にしてないわよ。」

 

「皆、お疲れ様。」

 

「頑張るのは良いが……おまえら、ちゃんと休んでるのか?」

 

特にユウマとゲルド。

 

「いやぁ~、美味い飯が食えて、暖かい寝床で眠れるだけで十分なんで……」

 

「休みなど不要ですな。」

 

Oh……

 

「「いいから休め(休みなさい)。」」

 

「「は、ははぁっ!!」」

 

「あはは……」

 

「じゃあ、俺達は行くな。」

 

「お昼ご飯だけでなく、たまに小休憩とかも挟むようにしなさいよ。」

 

「「「「「ははぁっ!!」」」」」

 

そうしてユウマやゲルド達と分かれた俺達三人は食堂へと向かった。

 

ユカリSide

 

その後、私達は偶々、同じようにお昼ご飯を食べようとしていたランとチェン、シオンの三人と合流し、六人で何を食べるか話しながら食堂に入る。

 

「?ガビル……?」

 

「何してるのよ……?」

 

「!?これはリムル様にユカリ様!!」ガタッ!!

 

が、直後に若干呆れ混じりにそう言うリムルと私に対し、何故か部下達と一緒に食べていたガビルが気付くや否やすぐさま立ち上がる。

 

「あっ、いやぁ~……ははは!不肖このガビル、お二人の“力”になりたくべく、こうして馳せ参じましたぞ!!」

 

「では、斬りますね。」スチャ

 

「今夜は蜥蜴肉のフルコースだな。」ボッ!!

 

「あぁいやいや!!我輩の話を聞いて頂きたい!!」

 

「あはは……」

 

剛力丸を抜こうとするシオンと左掌に『狐火』を生み出すランに慌てて弁解するガビルの姿にシズは苦笑いを浮かべる。

 

本当に何しに来たのよ?この子達……

 

リムルSide

 

「なるほどなぁ……」

 

「つまり、お父さん(アビル)に勘当されて、追い出されたと……」

 

「……はい。その通りであります……」

 

事情はわかったけどさぁ……

 

「だからってなんで俺達の所に来るんだよ?」

 

「ッ……必ずや!貴方様方のお役に立ってみせますので、どうか我輩達も配下に加えて下さいませっ!!」

 

「「何卒っ!!」」

 

「お願いしますっ!!」

 

「兄は本当に反省しておられるのです……どうか償う機会をお与え下さいませんか?」

 

「?親衛隊長まで……?」

 

「来てたのね。」

 

「あ。私は別に勘当されてきたのではありませんよ。」

 

「なぬっ!?」

 

「リムル様より名を賜った首領(ちち)アビルの統率は100年は揺らがないでしょう……見聞を広めよと私を送り出してくれたのです。」

 

「おまえも我輩を慕って付いてきてくれたのでは」

 

「違います。」キッパリ

 

「ガァーーンッ!?」

 

「私、兄上のことは一応慕ってはおりますよ?ただ、それ以上にソウエイ様に憧れを抱いておりまして……」

 

「おまえは昔から生意気なのである!!」

 

「そう言う兄上は少しは自重というものを覚えて下さい。」

 

「何を!?」

 

「ガビル様、負けるなぁーっ!!」

 

「隊長、言ってやって下さいよ!!」

 

【仲が良いんだか、悪いんだか……】

 

【まぁ、良い方なんでしょ。前世で兄妹とかいなかったから知らないけど。】

 

【?『お姉ちゃん』は?】

 

【霊夢お姉ちゃんとは血縁関係はないわよ。

ただよく一緒に遊んでもらってただけ。】

 

【あぁ~、所謂(いわゆる)近所に住んでる優しいお姉ちゃんってやつか。】

 

【リムル。元親衛隊長とその部下達は私が名付けて良いかしら?別に妖怪(アヤカシ)になれる素質がある訳じゃないけど、ソウエイの部下にするなら実質私の部下になるようなものだし……】

 

【確かに……じゃあ、ガビルの部下達は俺が名付けるよ。】

 

【お願いね。】

 

こうしてユカリは元親衛隊五人を、俺はガビルの部下達100人を名付けることになった。

 

………………ってハメられたっ!!?

 

ユカリSide

 

「それじゃあ、名付けるわね。元親衛隊長である貴女から『蒼華(ソーカ)』、『東華(トーカ)』、『西華(サイカ)』、『南槍(ナンソウ)』、『北槍(ホクソウ)』ね。」

 

「ありがとうございます。」

 

「「「「ありがとうございますっ!!」」」」

 

【ソウエイ。今、食堂にいるんだけど、ちょっと来てくれないかしら?】

 

【御意。】

 

シュンッ!!

 

「お呼びでしょうか?ユカリ様。」

 

元親衛隊長…ソーカ達に名付けた後、『思念伝達』でソウエイを呼び出し、ソウエイは『影移動』ですぐさま駆けつける。

 

「私がたった今名付けた彼女達なんだけど、今後は貴方の配下として働いてもらうことになったから。」

 

「よ、よろしくお願いしますっ!!」

 

「「「「お願いしますっ!!」」」」

 

「!配下に……好きに鍛えてよろしいのですか?」

 

「えぇ。特に元親衛隊長のソーカはやる気一杯だから、個別でビシバシ鍛え上げて頂戴。」

 

「ゆ、ユカリ様……っ!?」

 

私がそう言うと、ソーカは顔を赤らめながらそう言う。

 

なんか可愛いわね。

 

「わかりました。では、明日にでも。」

 

「!?ソウエイ様まで……っ!?」

 

「あぁ、ソーカ……」

 

ソウエイからの言葉に更に狼狽えているソーカに対し、私はそう言いながらソーカに歩み寄る。

 

「(コソッ)私は立場上、ソウエイとやりとりするのは多いけど、別にそういった関係(・・・・・・・)ではないから、遠慮なくアタックして良いからね。」

 

「!!?は、はいぃ……」

 

「?」

 

「「「「………」」」」

 

「り、リムル様……っ!?」

 

私の言葉に更に真っ赤になるソーカにソウエイが首を傾げ、元親衛隊の四人が温かい目で見ているなか、そう言うガビルの声が聞こえてくる。

 

見てみると、低位活動状態(スリープモード)になったリムルと輝きながらも戸惑っているガビルの姿が目に入る。

 

「シオン、シズ、ラン。何があったの?」

 

「あ。ユカリ様。それがどうもリムル様がガビルにも『名付け』をしたようでして……」

 

「もっとも、リムルさんは名付けたつもりじゃなかったみたいなんだけど……」

 

「?ガビルには既に『ガビル』っていう名前があるじゃない。」

 

元の名付け親(ゲルミュッド)が死んだからか、どうやら名前の上書きが出来てしまったみたいです。」

 

あらら……

 

「ゆ、ユカリ様……リムル様は……っ!?」

 

「あぁ、安心して頂戴。三日後には目を覚ますわ。シオン。リグルドの所から台座を持ってきて、リムルを休ませてあげて。」

 

「わかりましたっ!!」

 

「私も行くよ。」

 

そうしてシオンとシズは食堂から出ていく。

 

「ガビル達はそうね……リムルには後で話しておくとして、『封印の洞窟』に住んでもらおうかしら?」

 

「『封印の洞窟』というと暴風竜が封印されていたという彼処ですか?」

 

「元々鍾乳洞みたいな洞窟で生活していた訳だから棲み家としては申し分ないでしょ。放置してた魔物の巣窟になりそうだしね。」

 

「なんと!我輩達がそのような場所に住ませて頂けると!?」

 

「ついでにヒポクテ草の栽培もお願いして良いかしら?

アレは回復薬の原料になる貴重な薬草だから。」

 

「重要な仕事まで!?」

 

「やりましたね!ガビル様!!」

 

「居場所と仕事を用意するんだから、確りと働きなさいよ?」

 

「はいっ!!リムル様とユカリ様のご恩に報いるため、全力で仕事(コト)に当たります!!手抜きなど持っての外!!やるぞ!!おまえ達!!」

 

「「「「「うおおおおおっ!!ガ・ビ・ル!!ガ・ビ・ル!!」」」」」

 

ガビルがそう言うと、部下達もガビルコールを上げながら盛り上がり始める。

 

また町が賑やかになるわね。

 

三日後、リムルが無事に目覚める頃にはうちに来たリザードマン達は龍人族(ドラゴニュート)へと進化していた。

 

ガビルとその配下達は蜥蜴人族(リザードマン)時代とほぼ見た目は変わってないが、角と鱗が龍のものに変わり、収納可能な翼が生えたことで俊敏さが上がると同時に飛行能力も手に入れた。

 

ソウエイの下に就いたソーカ達は角と翼があるものの人間に近い姿に進化していた。

 

こちらも角と翼を収納可能ということで人間の町への偵察も任せても良いわね。

 

第三者Side

 

蜥蜴人族(リザードマン)拠点、玉座の間・・・

 

「はぁ!?ガビルを破門にして追い出したぁっ!!?」

 

ガビル達がリムルやユカリの仲間になった頃、蜥蜴人族(リザードマン)の拠点の玉座の間にて、赤い珠の数珠のようなアクセサリーでツインテールにした青髪に甲羅を背負った…蜥蜴人族(リザードマン)と古くから付き合いのある『甲羅人族(タートルマン)』の少女はそう声を荒げる。

 

「う、うむ……先の戦であやつが阿呆をやらかした故な。」

 

私との婚姻(・・・・・)はどうなるんですか!?」

 

そんな少女に少し困ったような表情でそう説明するアビルに対し、少女は更にそう尋ねる。

 

「うむ……破門になった以上、許嫁(・・)であるそなたとの婚姻の儀を結ぶ話は白紙にするしか……」

 

「冗談じゃありません!!私は幼なじみでもあるガビルのお嫁さんになるのが小さい頃からの夢だったんですから!!ガビルは今、何処にいるんですか!?」

 

「ううむ……あやつなら恐らく妹である元親衛隊長や部下達と共にリムル様とユカリ様の町に行ったのだと」

 

「では!私もその町に行きます!!仮にも許嫁である私に何も言わずに出ていくなんて許さないんだから!!」

 

アビルの言葉の最中、タートルマンの少女はそう言いながらその場を後にする。

 

魔王とはまた別の『嵐』がガビルを追いかけてリムルやユカリ達の町へと近付いてきていることを、彼らはまだ知らない……

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