ユカリSide
ガゼル王が連れてきた元大臣ベスターを研究者として
中には私やリムルの庇護を求めて来た種族もいて、リムルはその中にいた蜂の魔物には『アピト』、コーカサスオオカブトっぽい魔物には『ゼギオン』と名付け配下にした。
また、町を訪れる魔物の中には某世紀末のような連中や時には町を襲おうと画策する連中もいたが、そういった輩にはシオンやソウエイ達が懇切丁寧にOHANASHIをして帰って貰っている。
まぁ、それでも懲りないダメな連中に関しては私や私の『百鬼夜行』が秘密裏に『処理』をしているんだが……
「!?」
そんななか、『
「これは……リムルも気付いてるみたいね。」
クパァ
そう言いながらスキマを開き、急いで町から離れて魔力反応の方へと向かうスライム態のリムルと合流する。
「リムル。」
「ユカリ!?おまえも気付いたんだな!!」
「そりゃあ、こんだけ大きい魔力反応、誰だって気付くわよ。」
キィィィ……ッ!!
リムルとそう話しているなか、空から
ギュンッ!!ドオオオオオオオオオンッ!!
「うわっ!?」
「ッ……」
急な加速と方向転換をした光は町ではなくその手前…私達の眼前に隕石の如く墜ちクレーターと共に土煙を引き起こす。
あ。リムルのスライムの身体が衝撃でプルプル震えてる。
「はじめまして。ワタシは唯一人の
土煙が晴れた次の瞬間、クレーターの中心に立っていた一見変わったデザインの水着のような格好をした、プラチナピンクのツインテールの少女が純粋無垢な笑顔でそう自己紹介してくる。
随分とフットワークの軽い魔王様ね。
私がそう思っているなか、いつの間にかクレーターから上がってきていた魔王ミリムはリムルに近寄り、ツンツンとつついていた。
「は、はじめまして。俺はこの町の代表を務めてるスライムのリムル=テンペストです……」
「同じく代表のスキマ妖怪、ユカリ=テンペストよ。」
「ん?スキマ妖怪?
聞いたことないが、
「
「うむ。ワタシの知人にも
知人の
「え~と……ユカリはともかくスライムの俺がユカリと同等だってよくわかりましたね?」
「ふふん。そんなもの、ワタシの『
全部お見通しって訳ね。
「この姿のことですかね?」
私がそう思っているなか、リムルはそう言いながら人化する。
「おぉっ!これなのだ!!ってん?水晶で視たのはもう少しちまった気がするのだが……さてはおまえ、
「えぇ。まぁ……」
「おまえもよく視たら、スライムよりも魔素量が多いのは確かだが、それ以外の情報がワタシの『
リムルと軽く言葉を交わした後、魔王ミリムは今度は私を見ながら、そう言いながら首を傾げる。
あぁ、そういえばあの『モード』、常時発動状態のままだったわね。
「なぁ。ワタシと一つ、手合わせしてくれないか!?」
そう思っているなか、魔王ミリムがそう懇願してくる。
「……一応確認なんだけど、それはゲルミュッドの敵討ち目的かしら?」
「んん?違うのだ。単におまえの“力”を知りたいだけなのだ。」
「そう……わかったわ。」
「ユカリ!?」
【良いのかよ!?】
【下手に断って機嫌を損ねられた方が面倒よ。それにシズとツカサを苦しめた魔王レオンと事を構えるなら、今の
【ッ……わかった……けど、あんま無茶すんなよ?】
【わかったわ。】
「丁度貴女がたった今作ったクレーターを
「うむ!『弾幕ごっこ』とやらはわからぬが、勝つのはワタシだからそれで良いのだ!!」
リムルと『思念伝達』でそう話しながら提案すると、魔王ミリムはあっさりとそう了承しながら自らが作ったクレーターへと降りていく。
うーん、あのゲルミュッドを擁してたとは思えない素直さね。
「それじゃあ、行ってくるわね。」
「お、おう……」
そうして私もクレーターに降り立ちながら、半径500メートル内の空間を結界で覆う。
「おぉっ!結界か!!」
「一応配慮はしてくれるだろうけど、町に飛び火しないように念のためね。」
「うむ!なかなかに堅そうな結界だ!!」
「それじゃあ、始めるとしましょうか。」
私が展開した結界に魔王ミリムがご満悦になるなか、私はそう言いながらフワリと浮き上がる。
「おぉっ!!」
「先ずは小手調べ。」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
浮き上がった私に眼を輝かせる魔王ミリムに対し、私はそう言いながら大量の紫のクナイ型の弾幕と大量のヒトガタを放つ。
「ッ!!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンァァァンッ!!
対する魔王ミリムは顔の前に両腕をクロスさせるという軽い防御体勢は取るもののそれ以外の防御も回避もせずに正面から受け、魔王ミリムがいた地点が再び土煙に包まれる。
「………」
ブワァァァッ!!
「ワッハハハハハハハハハッ!!変わっているが、なかなか良い魔力弾だな!ものは試しと受けてみれば、割と痒かったのだ!!」
「無傷の癖によく言うわ。」
直後、自ら土煙を払いながら、高笑いしながらそう言う魔王ミリムに対し、私は呆れ混じりにそう皮肉を言う。
「いやいや。ワタシだから無傷で済んでいるのだ。他の『魔王』なら少なくとも
対する魔王ミリムはそう言いながら、どさくさに紛れて掴み取っていた弾幕とヒトガタを改めて観察する。
「うむ。物質化させたクナイの魔力弾には何らかのスキルによる『毒』を仕込んでおるな。ヒトガタの方には貼り付いて動きを阻害するようにする術式か……小手調べと言いつつ、『毒』とヒトガタでワタシの動きを封じようとしたといった所か……食えない奴なのだ。」
「お褒めの言葉として受け取っておくわ。
魔王様。」
「だが!ワタシには効かないのだぁぁぁぁぁっ!!」
ドォンッ!!
魔王ミリムはそう言いながら、弾幕とヒトガタを握り潰しながらこちらへと飛んで向かってくる。
「スペルカード!境符『色と空の境界』!!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガアアアァァァーーーンッ!!
「ワッハハハハハハハハハッ!!今度はさっきとは違う形態の魔力弾とレーザーの合わせ技か!!さっきのクナイとヒトガタよりも効くのだっ!!」
「時折殴り返しながら言っても説得力ないわよ……スペルカード!廃線『ぶらり廃駅下車の旅』っ!!」
クパァ……プアアァァァァァァァァァァァァァァッ!!
「おぉっ!?」
そう言いながら向かってくる魔王ミリムに対し、私はそう言いながら巨大なスキマから呼び出した廃電車を向かわせる。
「ちょおっ!?ユカリ!!おまえ、それはやり過ぎ」
「はあああぁぁぁーーーっ!!」
ズガアアアァァァーーーンッ!!
「えぇぇぇっ!?」
「!?パンチ一発で電車を粉砕した……っ!?」
「はあああぁぁぁーーーっ!!」
リムルと私がそう困惑の声を上げるなか、魔王ミリムは一気に距離を詰めながら右ストレートを繰り出そうとする。
「ッ!!」
ドコォンッ!!
対する私はすぐさま閉じて『闘気』を纏わせて強化した日傘で魔王ミリムの拳を受け止める。
「えぇぇぇっ!?」
「ほぅ!これを受け止めるとはやるではないか!!」
「ッ!!」
ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカァンッ!!
リムルがそう困惑の声を上げるなか、そう言いながら更に拳を繰り出してくる魔王ミリムに対し、私は日傘と同じく『闘気』で強化した扇子、足技を駆使して対抗するのだった。
リムルSide
「ワッハハハハハハハハハッ!!」
ユカリがクレーターを中心に展開した結界内にて、魔王ミリムが笑いながら、大地をも砕くであろう拳や蹴りを繰り出す。
「ッ……」
ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカァンッ!!
対するユカリはハクロウとの修行で身に付けた『闘気』で強化した日傘と扇子、足技を以て受け流していく。
「神技『天覇風神脚』!!」
「むっ!?」
ドカカカァァァンッ!!
そんななか、魔王ミリムの一瞬の隙を突いたユカリは神技『天覇風神脚』を食らわせて蹴り飛ばし、
「スペルカード!幻巣『飛光虫ネスト』!!」
クパァ……ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
「ぬおおぉっ!?」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!
そのまま流れるように幻巣『飛光虫ネスト』も食らわせる。
なんか東方の格ゲーを
「リムルさん!ユカリさん!!」
「リムル様!ユカリ様!!」
目の前の光景に俺がそう思っているなか、シズさんとベニマルがそう言いながら、ランとソウエイ、カセンとシオン、ランガと共に駆けつけてくる。
「!?ユカリ様が今、戦っている相手は……まさか、魔王ミリム!!?」
「「なっ!?」」
「「えっ!?」」
「!?魔王ミリムがなんで……っ!?」
「なんでも
【如何致しますか?我が主。】
「今はユカリを信じて見守るしかない。っていうか……」
ランガにそう言いながら、俺は改めて結界内を見つめる。
結界内は今、魔王ミリムとユカリの殴打の応酬による衝撃波やユカリの弾幕やレーザーの嵐によって、まるで『
「……入れる気がしない……」
「「「「「【確かに……】」」」」」
「あはは……」
ユカリSide
うーん……参ったわね。たまにハクロウの修行に参加させてもらっていたおかげで接近戦でもそこそこ食いついてることはできてるけど……スペルカードを以てしても未だに決定打が入らない……流石は『魔王』ってことね。言い方悪いけど、
「ワッハハハハハハハハハッ!!楽しいな!
ここまで昂った
「此方はいい加減疲れてきたけどね。」
私自身、ヴェルドラから名付けされたこともあって相当な魔力を持ってたけど、結界を維持しながら殆んど
「おまえ、確かユカリと言ったな?おまえもワタシと同じ『魔王』になる気はないか?素質は十二分にあるのだ。」
「遠慮しとく。そういうめんどくさい役はリムルで十分よ。」
「おいっ!!」
「む?」
「結界を維持しながら戦うのがしんどくなってきたから、私からは次で終わりにさせてもらうわよ。」
「良いだろう!ならば、ワタシもほんの少しだけ本気で相手をしてやるのだぁぁぁぁぁっ!!」
ドォンッ!!
魔王ミリムはそう言いながら、ほんの少しだけ(それでもシズやベニマル達を威圧するには十分過ぎる程の)魔力と覇気を解放する。
何処の戦闘種族よ。あんたは。
キィィィィィィィ……ッ!!
私がそう思っているなか、魔王ミリムは続けて両手を上空へと掲げ、解放した魔力を凝縮させていく。
「ラストスペルカード!紫奥義『弾幕結界』!!」
「『
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァーーーンッ!!
次の瞬間、私が放った最高密度で最高火力な弾幕の嵐と魔王ミリムが突き出した両手から放たれた
リムルSide
ゴォッ!ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!
「「「「【………】」」」」
「……これ、何て最終戦争?」
「……少なくとも、
「もしかしなくとも、ユカリ様が結界で隔離していなければ、
結界内全体を覆う
パキィィィィィンッ!!
そんななか、光と音が落ちついていくと同時にユカリの結界が砕け散る。
「ワッハハハハハハハハハッ!!両腕が痺れるだけでなく、袖がぼろぼろになってしまうとは……こんなのは本当に久しぶりなのだっ!!」
「はぁ……はぁ……そんなの魔力ですぐに修復できるでしょ……此方は日傘も扇子も服もぼろぼろ……ZUN帽もどっか行っちゃったわよ……」
最初の時より数倍は深くなり地表は焦土と化していたクレーター内にて、笑いながらそう言う魔王ミリムに対し、ユカリは息を切らしながらそう言う。
「ユカリ、交代だ。後は任せてくれ。」