「美味ぁーっ!!この『かれー』という食べ物、めちゃくちゃ美味いのだ!!」
その後の昼頃の食堂にて、ミリムは感動しながら昼食として出されたカレーを頬張る。
「おかわりなのだ!!」
「はい。少々お待ち下さいませ。」
こうして見ると、年相応の普通の子どもにしか見えないわね。
「こんな美味しいもの、蜂蜜振りなのだ!!」
「今朝の話じゃない。それ。」
っていうか蜂蜜やカレーでそこまで感動するって……一体どんな食生活を送ってたのよ?
「ところで、ミリム様が興味を持たれた蜂蜜というのは蜂が集めた蜜なのですか?」
「!?」
「ふむ……回復薬のようにも見えたが、色が違ってたな……」
「……まぁ、蜂蜜には薬効もあるから……」
「
「へぇ……」
「ハッ!?やらんぞ!
コレはワタシのなのだ!!」
「取りませんって。」
「砂糖の代わりとして用意してみたんだけど、多くは採れないし抽出も現状、私とリムルにしか出来ないのよね。」
「お披露目は量産の目処が立ってからにしようと思ってたんだよ。」
シオンやベニマル達にそう説明しているなか、リムルはそう言いながら新たに抽出した蜂蜜を小皿に開ける。
「舐めてみなさい。」
「!まぁ……っ!!」
「!コレは……っ!!」
「甘い……」
「それにコクもある……っ!!」
「蜂蜜か……こうやって舐めるのは久しぶりだなぁ……」
「美味しいね♪シズ♪」
「甘くて美味しいです♪ランしゃまぁ~♪」
「フフ……良かったな。チェン。」
「♪」ペロペロ
「!!?」ガタッ!!
「あ、いや、内緒にしてたのは本当に悪かったよ……」
シズの中から分身体の身体で出てきたツカサと途中で合流したチェンを加えた女性陣とソウエイが各々で感想を述べながら蜂蜜を堪能するなか、動揺した様子で此方を見ながら立ち上がるベニマルに対し、リムルは改めてそう謝罪する。
そういえば、ベニマルも甘いもの、好きだったわね。
っていうかミリム、貴女は自分のがまだあるでしょ。
「お砂糖は高級品なので食べたことがないのですが……この蜂蜜ほど甘いものなのでしょうか?」
「あぁ、砂糖があれば料理の幅が広がって、甘いお菓子なんかも作れるようになる。」
私がそう思っているなか、首を傾げながらそう尋ねるシュナに対し、リムルはそう説明する。
その瞬間、私とラン、チェン以外の女性陣の目が一瞬輝く。
「……なるほど……理解しました。」
「「え?」」
「明日からそのお砂糖を探し出すのに全力を尽くしましょう!!良いですわね?カセン、シオン!!」
「はい!シュナ様!!」
「このシオン、一命に賭けて、必ずや見つけ出してみせましょう!!」
「うむ!頼んだのだ!!」
「私達も手伝うよ。」
「だね!!」
……スィーツ同盟、ここに締結。っていうか一気に仲良くなり過ぎでしょ。貴女達……
【この様子ならサトウキビの品種改良の話も進めても良いかしらね。】
【ですね。後で私からシュナ殿とリリナ、トレイニー様に話を通しておきます。】
【お願いね。ラン。】
「!?なんだ?……今、仕事が更に忙しくなりそうな予感がしたんだが……?」
「気のせいじゃないかしら?」
妙なところで勘が働くわね、リムル……
リムルSide
「えー、という訳で魔王ミリムの滞在が決まった訳だけど……」
「正直なところ、一人にするのは色々と不安なので、誰かしら見ていてほしいのよ。」
その日の夜、シュナとシオンにミリムをお風呂場に連れていってもらい、使い方等を教えてもらっている間に
因みに参加者は俺達の他にシズさんとツカサ(分身体)、ラン、リグルド、ベニマル、ソウエイ、ハクロウ、カセン、ミズチ、カイジンの計十人。
「……ちょっと良いかい?旦那、姐さん。」
「カイジン?」
「なにかしら?」
「……俺ぁどちらかというと他の『魔王』の動向の方が気になるんだが……」
「確かに。私も同感だよ。」
「私もです。」
「?」
「?どういうことかしら?」
カイジンとシズさん、ランの言葉に俺とユカリは首を傾げる。
「『魔王』は複数存在している訳だが、全員が仲間って訳じゃない。
「私がレオンの下にいた時もよく他の『魔王』から刺客が送られてくることがあったわ。」
「だね。私もピズも背後霊になってからも見てたからよく覚えてる。」
「今回、ミリム様はユカリ様とリムル様と
「リムル様は
「事の経緯を知らない他の『魔王』からすれば、『魔王ミリムと
「今まで配下すら持たなかった魔王ミリムの勢力が一気に増し、魔王間のパワーバランスが崩壊する……」
「そうなるのを面白くないと考える『魔王』も出てくるかもしれないということです。」
そんな俺達二人にカイジンとシズさん、ツカサの三人がそう説明するなか、ランとハクロウ、ミズチ、ベニマル、カセンの五人が追加でそう説明してくれる。
つまり、この森が『魔王』達の勢力争いに巻き込まれるかもしれないって訳か。
「しかしですな。かと言ってミリム様にお帰り頂くというのも……」
「まぁ、無理でしょうね。」
「……飽きて去ってくれるのを待つしかない、か……」
「はい。仮に敵対するにしても他の『魔王』を相手にする方がマシです。魔王ミリムは正しく『天災』ですので。」
あ。ミリムは
「………」
「……なにかしら?リムル。」
「い、いや、なにも……」
「?」
「ところでリムル様、ユカリ様。ミリム様は今はどちらに?」
「あぁ、風呂に行ってるよ。」
「シュナとシオンにシャワーの使い方等を教えてもらっているわ。」
タッタッタッ……
そんななか、首を傾げながらそう尋ねてくるリグルドにそう答えるなか、廊下の方からこっちに向かって走ってくる足音が聞こえてくる。
バァンッ!!
「リムル!ユカリ!!ここの風呂が凄いのだ!!泳げるのだ!!!」
次の瞬間、二枚のバスタオルで大事な所を隠したミリムがそう言いながら乱入してくる。
「ミリム様!まだ
そんなミリムに続いて、大きなバスタオル一枚で身体を隠したシュナがそう言いながら、同じく大きなバスタオル一枚で身体を隠したシオンと共に追いかけてくる。
「おぉっ、すまんすまん。あまりに感動したものだから早く
そんな二人にミリムがそう言うなか、会議に参加していた男連中はその光景に思わず固まる。
「ではなっ!リムル!ユカリ!!
明日は一緒に入るのだっ!!」
そう言いながら部屋から出ていくミリムの胸元のバスタオルが落ちかけ……いや、部屋の中からは見えにくいけど、あれは廊下で落ちたな……
「ミリム様!タオル……っ!!」
シオンがそう言いながら廊下で落ちたバスタオルを拾い、慌てて追いかける。
「失礼しました……」
その後、シュナが苦笑いしながら、そう言いながら出ていく。
「「「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」」」
「あぁ~……じゃあ、『ミリム様係』は
「「「「「「「「異議なし!!」」」」」」」」
「あら?」
「ベニマル!貴様……っ!!」
「だって二人とも、ミリム様にめちゃくちゃ懐かれてんじゃないですか……」
「それにユカリ様なら仮にミリム様がお一人で何処かに行ってしまわれたとしても、すぐに回収できるでしょうし。」
「えっと……頑張ってね。二人とも……」
こうして俺とユカリがミリムを担当するという暗黙のルールが出来上がってしまったのだった。