「「はぁ!?」」
「!?英雄になれだって?この俺に?……いきなり何言ってんだ?あんたら……」
「『ファルムス王国』には金で雇われたんでしょ?なら、雇い主が変わるだけの話よ。」
「さっき、フューズも言ってただろ?『
「なので、『
「『
「なるほど……」
「確かにその方が人間には受け入れやすいかと。」
「流石です。」
「うん。私も良いと思うよ。」
私とリムルが提案した『ヨウム英雄化計画』について、ベニマルとラン、ソウエイとシズがそう賛同してくれる。
「……その計画、『ブルムンド王国』も協力できるかもしれません。知り合いの大臣に掛け合えば、周辺諸国に噂を流すくらいのことはできましょう。」
「本当か!?」
「それは助かるわね。」
「おいおい!!あんたまでなに乗り気になってんだ!?こいつら、魔物だぞ!!?」
「君の困惑する気持ちはわかる。が、
「?どういうことだ?」
「……こちらが掴んでいる情報ではこの国の一万余の住民……その全員が『
「「「!?」」」
「それにプラスしてユカリ嬢を始めとした多数の
「?アヤカシ?」
「確か最近、確認された新種の魔物達の総称ですよね?」
「あぁ、
まぁ、元いた世界でも不可思議な存在だからね。妖怪は。
【別に脅す気はないんだけどなぁ……】
【仕方ないわよ。リムル。】
「先程の計画、私としては前向きに検討したい。
「それは勿論、じっくり見極めて検討してみてくれ。」
「ヨウムも計画の要ではあるけど、無理強いはしないからよく考えてみて頂戴な。」
「……外に出ても良いか?」
「どうぞ。」
そうしてヨウムは考えを纏めるために一旦退室した。
第三者Side
「おい。他の連中や追っ手はいるか?」
「いや。大丈夫みたいだ。」
「たくっ、ヨウム共に混ざって
時を遡ること、ヨウム達三人がユカリ達と会談していた頃、今は町の住人達と鍋パーティーを楽しんでいた調査団の中にいた、ひょろ長い金髪のまあまあイケメンな男と黒いフードを目深に被った魔法使いの男がそう話しながら、町から離れるように茂みの中を歩いていく。
「しかし、その
「あぁ。この情報だけでも領主様からの
「ヨウムもロンメルも他の連中もバカだよなぁ……あの領主様にとっくに『甘い蜜』を貰って、『情報を持って逃げ帰ってこい』と言われてた
「だな……ん?」
「………」
そんななか、裏切り者二人はボリュームのある銀髪に羊みたいな角、前髪で右目を隠したゴスロリ姿の少女が目に入る。
「……そういやぁこの国のことを信じてもらうための『証拠』も要るよなぁ……」
「あぁ、そうだな……」
二人はそう言いながら、少女を連れ去ろうと背後から忍び寄る。
「……眠れ……」
「あ……あれれ……?」
「なんか……急に眠たく……」
ドサッ×2!!
が、少女がそう口にした瞬間、二人は急な眠気に襲われながらその場に倒れ込んだのだった。
リムルSide
「……おまえ達は一緒に行かなくていいのか?」
「はい。ヨウムさんを見初めて頂いただけでも僕達は貴方達を信用するに値しますから。」
ヨウムが出ていった後、そう尋ねる俺に対し、ロンメルは笑顔でそう言い、隣にいるカジルも同じ考えなのか頷いている。
「『
「なるほど……死んだことにすれば、追っ手はかからないって訳か。」
「僕は報酬を受け取り、後から彼らと合流する手筈でした………団員達を前にヨウムさんが言ったんです。『どうせファルムスに戻ったって元の強制労働が待っているだけだ。それが嫌なら俺に付いてきな。』と……」
「あらー、男前。」
「ちょっと言えないですよねぇ……でも、不思議と説得力を感じたんですよね。多分、その時には既にヨウムさんが仲間を大事にする人だとわかっていたからでしょうか……」
「……甘いわね。」
「え?」
「ユカリ?」
「ユカリさん?」
「先ずロンメル……貴方、領主に嘘の報告をしに行った瞬間、領主に消されるわよ。」
「え!?」
「考えてもみなさいな。いくら屑でも
「おまえが言うと妙に説得力があるな。」
「ロンメルは伯爵の汚職に気付くくらい優秀なのは確かだけど、逆に伯爵もまたロンメルが気付いていることに気付いていてもおかしくないってことだね。」
「案外、ロンメルを『お目付け役』にしたのは適当に選んだんじゃなく、
「と言いますと?」
「……
「マジか……」
「調査団の中にだって密かに伯爵に買収されて、
「そんな……」
『
「!ユカリ様……『アンアン』から怪しげな者共を生け捕りにしたと報告が来ました。」
「……そう……」
「?アンアン?」
「私の式神の一体だ。ユカリ様からの指示で怪しげな者共がいたら捕らえるよう命じて監視させていた。」
「おまえ、そんな指示出してたのか。」
「念のためね。安心なさい。貴方達のことも、
「通信用の魔道具を持たされていなかったのも幸いしましたね。」
「ユカリさん……ありがとうございます!!」
「ユカリの姉さん……ありがとうございやす!!」
バァンッ!!
「「「「「ユカリの姉御!ありがとうございやす!!」」」」」
「うおっ!?」
ロンメルとカジルが頭を下げながらそうお礼を言うのとほぼ同時に扉が開き、奥にいた複数の荒くれ者達が一斉に頭を下げてくる。
っておまえら、盗み聞きしてたのかよ!?
「あはは……それでユカリさん、捕まえた密偵はどうするの?」
「そうね……今は眠らせて箸巻き状態にしているからそのままロンメル達に引き渡しても良いけど……」
首を傾げながらそう尋ねるシズさんにそう答えた瞬間、ロンメルや荒くれ者達から殺気が溢れ出る。
「……折角生け捕りにした領主の息のかかった密偵なんだから、このまま『ヨウム英雄化計画』に一役買ってもらいましょうか……」
うわぁ……ユカリの奴、凄い悪い顔してる……
カバル達やフューズさんも軽く引いちゃってるし……
っていうか出来ればヨウムには自分の意思で決めて欲しいんだけどなぁ……
アンアン
見た目:魔法少女の魔女裁判の夏目アンアン(魔女化バージョン)
種族:式神尾獣
所持スキル
ユニークスキル『
詳細
テンドウに続くランの式神尾獣二人目。式神になる前から言霊による洗脳能力を持っており、その関係上、仲間とは身振り手振りで意志疎通を図っていた。式神になってからは洗脳能力が向上すると共にカンペによる筆談というコミュニケーション方法も獲得している。
彼女も含め、案を沢山下さった七蜘蛛さん、ありがとうございますm(__)m