ユカリSide
「さて、それじゃあ、貴方達には先日に伝えた通り、『
ヨウム達と契約した翌日、町の外にある訓練場にて、改めてそうヨウム達に言う。
「武器や防具に関しては、
私のこの言葉にヨウム達は息を呑む。
「という訳で貴方達を鍛える指導者達も
私はそう言いながら後ろにいる彼女達に向き直る。
「先ずはヨウムやロンメル、カジル辺りは昨日、会っているギルドの『英雄』である『爆炎の支配者』、シズエ=イザワよ。」
「え~と、改めてそう紹介されるのはちょっと恥ずかしいけど……皆、よろしくね。」
「
「ほっほっほっ……リムル様からもお主らを鍛えるよう厳命されておる故、よろしくのぅ……」
「私の直属の部隊、『百鬼夜行』の部隊長、カセン。」
「ハクロウ共々、よろしく。」
「元
「よろしく頼む。迷惑を掛けた分、確りとおまえ達を鍛えてやろう。」
「「「「「え?………えぇぇぇっ!?」」」」」
「ちょっ……ユカリのお嬢!?」
「
荒くれ者達が困惑の声を上げるなか、ヨウムとロンメルが慌ててそう尋ねてくる。
「倒されたわよ。ここにいるユウマはその倒された
そんな二人や荒くれ者達に対し、私はそう言いながら事の経緯を軽く説明する。
ヨウムSide
「ーーーっていう訳で
「はぁ……
ユカリのお嬢からかつてのオーク達の抱えていた事情を聞いた後、ロンメルがそう言う。
まさか、大飢饉……それと邪悪な魔人と『黒いヒトガタ』を与えた怪しげな
昨日、オークがやたら『空腹』を気にしていたのも納得できちまうな。
「まぁ……なんだ。実害が出てない
下手すりゃ国王よりも立派なんじゃないか?
「……ありがとう……」
「それじゃあ、改めて貴方達の実力をきちんと計りたいから貴方達三十人対私を含めた五人で軽く模擬戦でもしましょうか。」
そんな俺の言葉にユウマがそう言うなか、そう言うユカリのお嬢の一声で俺らは模擬戦をすることになった。
ユカリSide
「それで、改めて四人から観てどうだったかしら?」
十五分後、死屍累々(死んでない)な状態になっているヨウム達三十人を見渡しながら、指導者として呼んだ四人にそう尋ねる。
「そうですのぅ……体力と筋力は十分。武器の扱いもまぁ、基礎的な部分は出来てはおりましたな。」
「しかし、連携が今一つな感じでしたね。」
「まぁ、ロンメルと、アンアンのスキルで洗脳して
「しかし、団長であるヨウム殿はなかなか良い『眼』を持っているように感じました。」
そう言うハクロウとカセンに私がそう言うなか、ユウマがそう言う。
確かに……手加減していたとはいえ、私の弾幕を何発か受けても突っ込んでいった上にハクロウの剣技にもそれなりに対応は出来ていたものね。
「確かに切り込み隊長としての素質は十分あると思うよ。」
「しかし、全体を観て采配等の指揮する能力はカジルの方が長けているように感じます。」
「確かにね。
「ですがまぁ、やはり経験不足が目立ちましたかの。後、カジル自身に遠距離攻撃が出来る手段がないというのも考え物かもしれませんの……」
「確かに……攻撃手段が剣だけというのは別に悪いことじゃないけど、カジルの場合、自分も攻撃のためにちかづかなきゃならないこともあって折角の広い視野を狭めちゃってるように見える……」
「なるほど……近接にも対応させた弓矢を持たせるのも良さそうね……」
「シズ殿から観て、ロンメルはどうでしたか?」
「ロンメルね。あの若さで補助魔法の精度や扱い方はなかなか目を見張るものがあったよ。だけど、やっぱり経験不足と魔力が少ない感じがしたかな。」
「なるほど……」
一先ずヨウムは
………。
「……ちょっと『ズル』しましょうか。」
「?ユカリ様?」
「「「?」」」
「ヨウム。ちょっと。」チョイチョイ
「あ?なんだよ?ユカリのお嬢。」
首を傾げるカセンやシズ達を他所に回復薬等で漸く復活したヨウムを呼び寄せる。
「えいっ。」
「!?」
そんなヨウムの額に一枚のヒトガタを押し当てる。
すると、ヒトガタはそのままヨウムの額の中へと入り込んでいく。
〈確認しました。個体名『ヨウム』はユニークスキル『
「!?なっ!?なんか俺のスキルが進化したんだけど!!?」
「「「「「!?」」」」」
「私のユニークスキル『
「狙い通りって……そんなことやろうとして出来るもんか?普通……」
「……普通はできないと思うんだけど、ユカリさんだからなぁ……」
それはどういう意味かしら?シズ。
「ところで進化したヨウムの『
怪訝な表情でそう言うヨウムに苦笑いしながらそう言うシズにそう思っているなか、ロンメルが首を傾げながらそう尋ねてくる。
「あぁ、それはね……」チラッ
「………」ヒュッ!!
「うぉっ!?危ねぇっ!!?」
対する私がそう言いながらハクロウに目配せした瞬間、殆んど不意打ちで放たれたハクロウの居合斬りをヨウムは直前に屈むことでかわす。
「「「「「「!?」」」」」」
「……ほぅ……」
「ヨウム。今、
「あ、あぁ、師匠の仕込み刀から一筋の赤い線が視えたかと思えば、『師匠が仕込み刀を抜いて斬りかかる』
「相手の動きの先読み……それが『
「えぇ。ヨウム自身の身体さえ追いつけば、理想的なカウンターも可能にするスキルよ。」
東方風に言うなら『最適解を導き出す』程度の能力ってところかしら。
「ほほぅ……ならば、そのスキルを使いこなせるよう厳しく指導する必要がありますな。」
「ッ……」
「カジルには後で弓矢を作ってもらうよう言っておくわね。」
「弓矢……でやすか?」
獲物を見るような眼で見ながらそう言うハクロウにヨウムが青ざめるなか、そう言う私に対し、カジルは首を傾げながらそう言う。
「貴方の場合、ヨウムから信頼されて任される指揮能力と視野の広さを活かすには、弓矢の方が良いというのが
「はぁ……まぁ、荒れて矯正施設にブチ込まれる前は狩人の仕事してたんで、弓矢の扱いは慣れてやすが……」
「それと、貴方にはこのスキルをあげるわ。」
私はそう言いながらヨウムにしたのと同じようにヒトガタをカジルの額に押し当て取り込ませる。
〈確認しました。個体名『カジル』はユニークスキル『
「!?なんか頭の中に『声』が響くんだが……っ!?」
「それが『
「あ、あの!僕にも何かあるんですか!?」
「ロンメルはスキルというより魔力量を増やして、扱える魔法の幅を広げるのを目標にする感じね。折角だから、他の皆も魔力量を増やす修行をするとしましょうか……」スッ
私はそう言いながら何枚かのヒトガタを取り出すのだった……
リムルSide
「……ヨウム達をさ?おまえやハクロウ達に預けたのは良いけどさ……何したんだよ?預けてから一週間で団員達一人一人の動きが格段に良くなってる上に魔力量も明らかに増えてるよな?」
『ヨウム英雄化計画』が始動してから一週間くらいが経った頃、ヨウム達の劇的な変化について、ユカリにそう尋ねる。
いや、マジで何したんだよ。ヨウムとカジルに至ってはなんかユニークスキルが生えてるし。
「何って『魔力負荷』と『感覚共有』の術式を組み込んだヒトガタを身に付けさせた状態でハクロウやシズ、
「マジか。確かにそのやり方なら短期間で急成長できるだろうけど、負担も相当なんじゃ……」
「まぁ、最初の頃は一人一人が全員分の疲労感を得ちゃうからぶっ倒れることが多かったけどその都度、私やランが『気付け』と『疲労回復』の術で叩き起こしたり、ミヨイの速攻エネルギーになる食材による料理で体力とやる気を回復させたりしたわね。」
「マジか……」
なんかユカリがハクロウやカセン達を越えた真の鬼……いや、悪魔に視えてきた……
「何か失礼なこと思わなかった?リムル。」
「い、いいえ!何も!!」
「ふぅーん……まぁ、良いけど……」
あっぶねぇーっ!!
相変わらず勘が鋭いな!おいっ!!
『告。このまま鍛練を続ければ、個体名『ヨウム』並びにその一団は『仙人』若しくはそれに近い存在に至る可能性があると推察します。』
マジか……少しは『裏盟主』としての仕事の合間の息抜きになればと思ってユカリに任せたけど……マジですまん。ヨウム達……
新スキル
ユニークスキル『
詳細
ユカリが『