「さぁ!リムル様、ユカリ様!!こちらへ!!」
「うむ!」
「わかったわ。」
年末の忙しい大掃除も終え、
「皆!明けましておめでとう!!」
「まぁ、これからもよろしく。」
「「「「わああああっ!リムル様!!ユカリ様!!」」」」
「明けましておめでとうございます。ユカリ様。振り袖?とやらのお召し物もよく似合っておりますよ。」
「ありがとう。ランもよく似合ってるわよ。
今年もよろしくね。」
「はい。」
因みに私は紫に花柄、ランは黄色に花柄の振り袖を着ている。
で、リムルは……
「……鏡餅……」
「言うな!!」
「?」
「あはは……」
割りと真顔でそう言う私にリムルがそうツッコミを入れるなか、ランは首を傾げ、シズは苦笑いを浮かべるのだった。
「どうだ!?リムル!ユカリ!!可愛いであろう!?可愛いと言えっ!!」
その後、議事堂の執務室でリムルと一緒に
因みにミリムは今、ピンクに花柄の振り袖姿である。
「あら、ミリムもよく似合っているじゃない。」
「だな。『馬子にも衣装』だな。」
リムル……その言い回しはどうなの……?
私がそう思っているなか、『馬子にも衣装』の意味を知らずに上機嫌で出ていくミリムを、リムルは慌てて追いかける。
慌てるくらいならちゃんと褒めてやれば良いのに……
「おぉ!すげぇーっ!!」
「これはなかなか……」
「凄いね。」
その後、リグルド達に連れられてきた神社を見てリムルと私、シズの三人はそう言う。
「こんなの、ついこの間まで影も形もなかったよな?」
「まさか、短期間でここまで立派な神社を建てるなんて……」
「流石はユウマとゲルドね。」
「「ありがとうございます。ユカリ様。」」
「以前、リムル様とユカリ様が初詣?なるものをしたいと仰られていたので……皆で頑張りました。」
私がユウマとゲルドの二人にそう言うなか、リグルドがそう説明する。
いや、確かに言ったけど……
「そりゃあ、お正月といえば初詣だけど………」
「これは凄いわね。」
「だね。」
「この賽銭箱は何を入れるんだ?」
「ところで、この神社は何を祀ってるの?」
空の賽銭箱を見ながらリムルが
因みにこの国ではまだ通貨はない。
「やっぱりヴェルドラか?」
「フフ……それは勿論……」
「「「ん?」」」
シオンが笑顔でそう言いながら右手で指し示す方を見る。
そこには『リムル大明神・ユカリ大明神』とあった。
「えぇえぇぇっ!?」
「………そうきたのね………」
「あはは……だね……」
「では、リムル様、ユカリ様。こちらに……」
リムルと私がそう言い、シズも苦笑いでそう言うなか、シュナが神社内にある二人分の台座を指し示しながら笑顔でそう言う。
私達、動けなくない?
「リムル……分身体を身代わりにしましょう。」
「だな。」
そうして
ワイワイ……ガヤガヤ……
「「「キャハハハッ♪」」」
「「ん?」」
それから少しして神社が参拝客で賑わった頃、子ども達の笑い声が聞こえてくる。
「何してるんだ?」
「あ!これはリムル様にユカリ様!!明けましておめでとうございます!!」
「「「「明けましておめでとうございます!!」」」」
リムルがそう声をかけると、リリナと子ども達が笑顔でそう新年の挨拶をしてくる。
「おう。明けましておめでとうさん。」
「それで何してたのかしら?」
「あぁ、こちらです……」
リリナがそう言いながら子ども達の手元に視線を向ける。
「これは……私とリムルの福笑い?」
「ユカリはともかく俺(スライムVer)は案の定パーツが少ないな。」
目とテカりだけだもんね。
「絶妙なバランスが難しいそうです。少しのズレで全くの別人になってしまうとか……」
「まぁ、それが福笑いの面白いところだからね。」
「はいはぁーい!自分がお手本を見せるッスよ!!」
「あ。ゴブタ。」
「リムル様と付き合いが長い自分はリムル様の顔なんて飽きる程、見てるッスから!!」
「飽きる?」
「楽勝ッスよ!こんなシンプルな顔!!」
「シンプル?」
ゴブタの言い回しにリムルが引っ掛かりを覚えるなか、ゴブタは福笑いに挑戦する。
その間に私は『思念伝達』である人達を呼ぶ。
「おっやぁ~?もう完成したッスよ?やりがいのない顔ッスねぇっ!!」
そうしてゴブタはリムル(スライムVer)の福笑いを完全再現させてみせる。
「どうッスか?そっくりッスよね!?ふっはははははっ!!」
「おぉ……そっくり……」
「確かに……じゃあ、リムルと同じくらい付き合いが長い私の顔もイケるわよね?」
「へ?」
私はそう言いながら自分の福笑いをゴブタの前に出す。
「俺の顔は飽きる程見てるんだよな?なら、こっちも余裕だよな?」
「ちょっ!?」
リムルもそう言いながら自分(人間態Ver)の福笑いを追加で出す。
「私達の福笑いを完全再現できなかったら、明日からの修行のレベルを上げるからそのつもりで。」
「頑張れよぉ~♪」
「「「………」」」
そう言う私達二人の背後からハクロウとシズ、カセンの三人が物凄い覇気を出しながらゴブタを注視している。
「ヒィィィィィッ!?ごめんなさいッスゥゥゥッ!!」
結果、ゴブタは福笑いを完全再現することができずに修行のレベルUPが確定したのだった。
「書き初め?」
「なんですかそれは?」
「「「?」」」
「まぁ、わかりやすく言えば、今年の展望を筆で書き出すんだよ。」
「で、それを皆で壁に貼っていこうって訳。」
初詣を終えた後、議事堂でリムルと私はそう集めた皆に説明する。
「「「「「なるほど……」」」」」
「つまり、こういうことですか……」
リグルドはそう言いながら書き初めを書き始める。
「ど、どうでしょうか……?」
リグルドがそう言いながら書き出した書き初めは見事な一筆書きの『進化・創造・宴会』だった。
「良いじゃないか。」
「今年もお願いね。宴会部長。」
「ハッ!!」
「私はこれです。」
シュナは『衣食礼節』
「シュナらしいな。」
「そうね。」
「私は絶対コレです!!」
「ワタシはこれなのだ!!」
シオンは『リムル様♡愛』、ミリムは『マブダチ』
「どういう展望だよ……」
「まぁ、二人らしくて良いけど……」
「皆のために……」
「今年は街道整備を終わらせます。」
ユウマは『家』、ゲルドは『道』
「町の発展が楽しみだな。」
「これからもよろしくね。二人とも。」
「「ハッ!!」」
「我らはこれです。」
「これからも誠心誠意お仕えします。」
エノコは『忠』、カゲロウは『誠』
「二人もこれからもよろしくね。」
「「ハッ!!」」
因みにランガは掛け軸がぼろぼろになっていた。
書けなかったのね。
「これしかないッス!!」
ゴブタは『ぶっちぎりモテ男』
「ブレないなぁ……」
「まぁ、ゴブタだしね……」
「私はやっぱりこれかな。」
シズは『平和』
「シズさんはそうだと思った。」
「そうね。」
「私はこれですね。」
ランは『家族』
「何時か妹さんに会えると良いわね。」
「ありがとうございます。ユカリ様。」
そうして皆の展望が書き終わる。
「さぁ!皆、出揃いましたぞ。」
クロベエは『一刀入魂』、コガサは『鍛冶研磨』、リリナは『五穀豊穣』、ベスターは『研究一筋』、ニトリは『良妻賢母』
ハクロウは『百戦錬磨』、ベニマルは『自立』、ソウエイは『一撃必殺』、カセンは『修行鍛錬』、スイカは『
ガビルは『目指せ劇団決戦』、ガルムとドルドは『ファッション☆革命』、チルノは『あたいさいきょー!!』、チェンは『寝る子は育つ』
「おぉ!皆、良いね!!」
「どれも良い感じだね。」
「また一年が始まるわね。」
「ユカリ様とリムル様はどんな展望になさったんですか?」
壁に張り出された皆の書き初めを見ながらリムルとシズ、私の三人がそう言うなか、シュナがそう尋ねてくる。
「え!?あ、あぁ、えぇと……」
そんなシュナからの問いにリムルはなんか咄嗟に自分の書き初めを背中に隠す。
そんなリムルの展望は『脱三日坊主』
あぁ、そういえばリムル、前に日記を書こうとして断念してたわね。
因みに私は霊夢お姉ちゃんとの再会を願って『再会』にしたわ。
その後、リムルがシズ達と共に子ども達の羽根つきやコマ回し、凧上げ等の様子を見に行っている間、私はユウマ達と共に餅つきをすることにした。
「なんつうか……お嬢とユウマ以外は花のない面子だな。」
リグルド、ゴブイチ、クロベエ、ゲルドといった
「まぁまぁ、こういうのは力自慢の体力馬鹿の出番だよ。」
「ほっほっほっ。日頃からの修行の成果を見せる良い機会じゃろうて。」
「ユウマとゲルドの二人もすっかり張り切ってるわね。」
そんなヨウムにクロベエとハクロウがそう言うなか、私は木槌を手に力強く餅をつき、絶妙なタイミングで餅を返しているゲルドとユウマを見ながらそう言う。
「なんだなんだぁ?綺麗所なら今、来てやったぞぉ?」
「!?ユウギの姉さんにスイカの姉さん!?」
「私達だけじゃないよぉ~。」
「今日、どっちが先にユカリ様や皆に美味い餅を届けるか!」
「いざ!尋常に勝負!!」
スイカがそう言いながら指差す先ではウルミとサキが相変わらずな様子で張り合いながら餅をついていた。
「「………」」
そんな二人に付き合わされることになったゴブイチとリグルドは冷や汗を流しながら餅を返している。
「……怖ぇ……」
ヨウムがそう言っている間にゲルドの餅が出来上がる。
「ってもうできたのかよ!?……しかもなんか可愛くなってる……」
ゲルドの餅は小さくデフォルメされた豚の顔に切り分けられ、蜂蜜がトッピングされている。
「そんでもって美味ぇっ!!あのオッサンがついたとは思えねぇぜ……」
「参考になるじゃろう?」
戸惑いながら食べるヨウムにハクロウが微笑みながらそう言うなか、ゲルドとユウマは小さく切り分けた餅を子ども達に配っていく。
美味しそうに食べる子ども達の笑顔を見て、二人は嬉しそうに微笑んでいる。
その後、ハクロウに薦められたヨウムが餅をついているなか、私はお汁粉を作って子ども達に振る舞ったりした。
「折角だからユカリ様もどうだべ?」
「そうね。それじゃあ……」
そんななか、クロベエから木槌を受け取った私は思いきり振りかぶって―――
リムルSide
「「ふぅ……」」
「お雑煮、できたよ。」
「熱いのでお気をつけ下さい。」
各々で思い思いに正月を満喫した後、俺の庵の炬燵で寛いでいた俺とユカリにシズさんとトレイニーさんがそう言いながらお盆に乗せたお雑煮を持ってきてくれる。
「おぉ……ありがとう。シズさん。」
「トレイニーも手伝ってくれたのね……」
「えぇ。シズさんから相談を受けたついでに……」
俺がそう言いながらお雑煮を受け取るなか、トレイニーさんはそう言いながらシズさんと共に炬燵に入る。
「相談?」
「もしかして、精霊のことかしら?」
「うん。
「事情はお雑煮を作る片手間でシズさんから聞きました……シズさんと同じ異世界から召喚された子ども達に精霊を宿らせることで魔力を安定させる……とても良い案だと思います。」
トレイニーさんはそう言いながら、自分の分のお雑煮の餅を一口食べる。
「まぁ美味しい!お雑煮というのは初めて食べましたが、美味しいですね。」
「美味っ!!出汁が効いてるだけでなく、餅自体も美味ぇっ!!」
「お餅はユカリさんがついた餅だよ。」
「うまくできたみたいで良かったわ。」
「っと話が反れてしまうところでしたね……先程の精霊のお話、とても良い案だと思います。が、それでも幾つか問題が……」
「問題?」
「まず、下位の精霊はそこまで膨大な魔力を制御できません。かといって上位精霊はそんなに数もおらず……」
トレイニーさんがそう言いながら手を翳すと、精霊の羽を持つ綺麗な女性が隣に現れる。
「この子は
「………」コクッ
「上位精霊は気紛れな子が多く、まず気に入られなければ助力は望めません。」
「なるほど……イフリートは元々魔王レオンの精霊だったから、それも相まってシズさんとは相性が悪かったってことだな。」
俺がそう言いながらシルフィードを見ていると、彼女は微笑みながら俺の頭を撫でてくる。
「えぇと……」
「気に入られたみたいね。リムル。」
「まぁとにかく子ども達と相性の良い精霊に出会うなら、『精霊の棲家』に行くしかありませんね。」
「精霊の棲家?」
「『精霊女王』の統べる別次元にある場所です。入り口は女王の意思一つで引っ越ししてしまうので、特定するのは困難でしょうが……」
「トレイニーさんも知らないのか?」
「はい。現女王とは接点がないもので……お役に立てず申し訳ありません……」
「いや、俺達の考えが間違ってなかったとわかっただけでも収穫だよ。」
「ありがとうございます。トレイニーさん。」
申し訳なさそうにそう言うトレイニーさんに対し、俺とシズさんはそう言う。
とにかくこれで今年のやるべきことが決まった。
「リムル。ヨウムとフューズの件が落ち着いたら、私は『精霊の棲家』についての情報を集めてみるわ。」
「じゃあ、俺はイングラシアに行って、子ども達の様子を見てくるよ。」
「リムルさん……ユカリさん……」
「シズさん……俺達は必ず『精霊の棲家』を見つけてみせる……」
「だから、待ってて頂戴。」
「……ありがとう……」
「リムル様、ユカリ様……」
そんななか、トレイニーさんがそう言いながら俺達二人に真剣な眼差しを向ける。
「今年は何か嫌な予感がします……森の木々を薙ぎ倒すようなとてつもない嫌な風が巻き起こる予感が……」
「「「………」」」
「どうか心の隅にでも留めておいて下さい。」
「……わかった……」
「……気を付けることにするわ……」
真剣な表情でそう忠告してくるトレイニーさんに対し、俺とユカリも真剣な表情でそう言う。
が、この時の俺達は気付けていなかった……ミリムとは別の謀略の
前世でユカリを苦しめた者達の転落話を読みたい?
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