「なんと!あの『天空の支配者』が復活ですとっ!?」
「はい……そして、
詳しい話を聞くために移動した議事堂の会議室にて、リグルドがそう困惑の声を上げるなか、トライアはそう言いながら説明を始める。
「
「?ヴェルドラの申し子?」
「どういうことだ?」
「暴風大妖渦は元はヴェルドラ様から漏れ出た魔素溜まりから発生した魔物なのです。」
首を傾げながらそう尋ねる私とリムルに対し、トライアはそう説明してくれる。
ということは暴風大妖渦は私とリムルの兄弟みたいなものね。
【ねぇ。リムル……暴風大妖渦の狙いは私達って可能性はないかしら?】
【……だな……俺の中のヴェルドラの存在がバレたのかも……】
ガタッ!!
「暴風大妖渦が復活したのなら、魔王以上の脅威ですよ!?なにせ魔王と違い、話し合いが通じる相手じゃないのですから!!」
私とリムルが『思念伝達』でそう話しているなか、話し合いに参加していたフューズが立ち上がりながらそう言う。
「云ってしまえば『知恵なき魔物』……固有
「状況は最悪です。召喚されたメガロドンは何故か近くにあった大量のレッサードラゴンの死骸を依代にした模様……」
続けてベスターがそう捕捉説明するなか、トライアが深刻な表情でそう追加報告をしてくれる。
いやいや。どうみても誰かが用意したものでしょ。それ。
「その数は25。ヴェルドラ様の因子を持つ暴風大妖渦の脅威はこれだけではありません。」
「まだあるのか!?」
「暴風大妖渦に魔法は殆んど効きません。あの者の持つエクストラスキル『魔力妨害』によって魔素の動きを乱されてしまうのです。使役されるメガロドンもまた同様に……」
リムルが思わずそう声を上げるなか、トライアは続けてそう説明する。
となると、『弾幕』や『スペルカード』も効きにくいかもしれないわね。
「となると、『
「ですね。魔法に限らず、魔素を媒介とする術は効果が薄いと思われます。」
「……物理攻撃で削っていくしかないってことか……」
「はい……ですが、どれだけ攻撃してもすぐに回復してしまうのです……」
「それって……」
「……恐らく、エクストラスキル『超速再生』も持っているのかと……」
「ッ……」
面倒ね。今回の『異変』は。
「現在、我が姉トレイニーが足止めを行っておりますが、まるで歯が立たず……時間の問題かと……」
「……どうしますか?リムル様、ユカリ様……」
「どうするってそりゃ……」
「やることは決まってるわ。」
ベニマルからの問いにリムルと私はそう言いながら互いに目を見合わせる。
「ふっふっふっ……何か重要なことを忘れてはいないか?」
そんななか、会議に参加していたミリムがそう言いながら含み笑いを浮かべる。
「暴風大妖渦など私の敵ではない!ワタシが軽く捻り潰してやるのだ!!」
あ。リムルが『その手があったか!!』って顔してるわね。
今はスライムだから表情がわかりにくいけど。けど……
「そういう訳にはなりません。ミリム様。」
「これは私達の町の問題ですので。」
「ふぇっ!?」
そう。シオンとランの言う通り、自分達で解決できなきゃ意味がない。
「し、しかし、ワタシはマブダチ……」
「そうですよ。友だちだからといって何でも頼ってはいけません。リムル様とユカリ様がどうしようもなく困ったその時にお力添えをお願いしたいです。」
「うぅ……」
シュナにそう諭されたミリムは泣きそうな表情でリムルと私の方を見る。
「ま、まぁ……その……なんだ。俺達に任せてくれ……」
「本当にどうしようもなくピンチになったらお願いするから……ね?」
「……折角のワタシの見せ場が……出番がきたと思ったのに……」
ごめんなさいね。ミリム。
「暴風大妖渦を倒す!皆、戦闘準備!!」
「「「はいっ!!」」」
「リグルドとリグル、ゴブリン・ロード達は住民達を避難!ベスターはガゼル王に連絡して頂戴!!」
「「「「「「はいっ!!」」」」」」
「わかりましたっ!!」
「ッ……本気ですか?暴風大妖渦を倒すって……」
リムルと私の指示で周りが慌ただしく動くなか、フューズがそう尋ねてくる。
「あぁ。ガゼル王からの援軍も期待できるし……」
「やれるだけやってみるわ。面倒だけど。」
「………逃げないのですか?先程も言った通り、暴風大妖渦は
フューズさんはそこまで言うと、真剣な眼差しをリムルと私の方に向ける。
「……貴方方は『魔王』を相手にするつもりですか?」
「……逃げてどうする?」
「私達二人がこの国で一番強い。本当に勝てない相手なら逃げて次の手を考えるところだけど、その判断を下すのは相手の強さを図ってからでも遅くないわ……先ずは正面からぶつかり、暴風大妖渦の強さを確かめる!そして、倒せるなら倒す!!それだけよ……っ!!」
対するリムルと私は真剣な表情でそう言う。
そんな私達の答えに納得したのか、フューズは軽い笑みを浮かべながら座り直す。
「なるほど……貴方方は魔物の主……でしたね。」
「そう……王を失えば終わりの人間とは違う。」
大いなる“力”には、大いなる『責任』が伴う。
某蜘蛛男の名言ね。
「しかし、ユカリ殿もリムル殿もまるで
「……ふん……」
「……信じられないかもしれないが、俺とユカリは元人間でシズさんと同じ異世界人なんだ。」
リムルの言葉にフューズの目が見開く。
「元の世界で死んで俺はスライムに、ユカリは『スキマ妖怪』という新しい種族に生まれ変わったんだ。」
対するリムルはそこまで説明すると、人化してみせる。
「……シズ殿。今の話は本当なのですか?」
「本当だよ。二人とも、私と同じ異世界人だよ。」
「シズさんは俺に自分の姿を写させてくれただけでなく、ユカリにも友人として接してくれた……おかげでこいつの『人間嫌い』は多少マシになったと思う。」
「……ふん……」
「そんな俺達が情けない姿を見せる訳にはいかない。」
「そうだったんですね……」
「やっぱり、リムルさんとユカリさんは頼りになるよぉ。」
「だな。」
「でやんすね。」
「それに俺達はシズさんと約束したんだ。」
「?約束?」
「……シズさんの心を縛る思いを晴らすこと……俺達の獲物は魔王レオン=クロムウェルだ。」
「なっ!?」
「そうだったの!?」
「そんな大物を獲物呼びなんてマズいでやんすよっ!?」
「そりゃあ魔王レオンに比べりゃ暴風大妖渦の方が幾分か楽……か……?」
「そう……魔王レオンは後回しだ。先ずは……」
「この町に向かってくる暴風大妖渦を退治するわ。」
戦いが始まろうとしていた。決戦の地は
相手は………………厄災