「……来たわね。別動隊の
【?人間……?】
そう言いながら正面とは反対側の柵の前に立っている私を見て、100匹の牙狼族は首を傾げながら立ち止まる。
【何故、人間の小娘がこんな所に……?】
【おい。人間の娘。我らは後ろのゴブリン村に用があるのだ……今なら見逃してやるからさっさと去れ。】
「あら?割と優しいことを言うのね。
でも、お断りよ。」
【なに……?】
「折角外に出て初の弾幕ごっこだもの……お互い楽しみましょ?」
【ごっこだと?ふざけたことを……行けっ!!】
私の言葉が気に食わなかったのか、数匹の牙狼族が向かってくる。
「「「「「ギャンッ!?」」」」」
が、私の前方の空間に張り巡らされていた『鋼糸』で傷付けられる。
【!?糸だと……っ!?】
「気付かなかったでしょ?『
ユニークスキル『
因みに今の子達を傷付けた『鋼糸』もただの糸じゃないのよね?
「「「「「ガアアアアアアッ!!」」」」」
【【【【【!?】】】】】
【!?どうしたのだ!?おまえ達!!】
先程、『鋼糸』で傷付いた牙狼族が狂ったような興奮状態になり、仲間達を襲い始める。
【正気に戻れ!おまえ達!!】
「無駄よ。その子達は『狂犬病』に
仲間達の豹変に困惑している牙狼族に対し、私は開いた扇子で口元を隠しながらそう言う。
ユニークスキル『
このスキルを使って、前方に張り巡らせた『鋼糸』に事前に狂犬病ウイルスを付与しておいた。
魔物に効くかわからなかったけど、やっぱり
「さてと、新しいスキルを使った『お遊び』はこれくらいで良いわね。」パチンッ!!
「「「「「!!?」」」」」
私がそう言いながら指パッチンした瞬間、狂犬病に罹っていた数匹が落ち着きを取り戻す。
「『境界』を弄って『狂犬病に罹る前』の状態に戻してあげたわ。さぁ、ここからが本当の『弾幕ごっこ』の始まりよ……」
私はそう言いながら空へと飛び上がる。
【!?飛んだだと!?】
「さぁ、頑張って避け続けなさいな。」
飛び上がった後、私はそう言いながらクナイ型の弾幕を大量に展開する。
【【【【【!?】】】】】
「さて、何匹くらい生き残るかしら?」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
次の瞬間、私はそう言いながら弾幕を牙狼族達に向けて射出する。
対する牙狼族達は何匹かは食らって倒れていくものの持ち前の機動力で死に物狂いでかわしていく。
「やっぱり狼……素早さは少し前に始末した人間よりは上ってことね。あ。今のはオフレコでお願いね?」スッ
【き、貴様……一体何者だ!?】
そう言いながらスペルカードを取り出す私に対し、一匹の牙狼族がそう尋ねてくる。
「『人間嫌い』なスキマ妖怪よ……スペルカード!境符『色と空の境界』!!」
私はそう言いながら計三段階のレーザーを四方八方に放ち、その後に360°の方向に向けて弾幕をばら蒔いた。
「ふむ……一時間くらいして生き残ったのは貴女だけのようね。」
【はぁ……はぁ……】
一時間後、殆んどの牙狼族がレーザーと弾幕の餌食になっているなか、ぼろぼろになりながらもなんとか立っている一匹の若干赤めな黒毛の雌の牙狼族に対し、私はそう言いながら地上に降り立つ。
「さて、どうしようかしら。」
【くっ……私のことはどうしてくれても構いません……ですが、本隊にいる弟や若い衆の命はご容赦願えませんか……っ!!】
「それは向こうに任せたリムル次第だけどまぁ、大丈夫でしょ。彼は私と違って優しいから……」
【そうですか……】
「ところで貴女、今の『どうしてくれて良い』というのに二言はない?」
【無論。牙狼族の族長の娘として二言はありません。】
「なら、貴女は私の式になりなさい。」
【!?貴女様の式に……ですか?】
「えぇ。貴女にはその『素質』があるみたいだしね。」スッ
首を傾げながらそう言う雌の牙狼族に対し、私はそう言いながらヒトガタを取り出す。
「一族を想う一匹の狼よ。私と式神の契約を結び、生まれ変わりなさい……『
〈確認しました。個体名『カゲロウ』は牙狼族から妖怪『
パキィィィンッ!!
次の瞬間、雌の牙狼族…カゲロウは長いストレートの若干赤めな黒髪に狼耳、鋭く伸びた赤い爪に赤・白・黒からなる三色のドレスを身に纏った美少女へと姿を変える。
「!?これが今の私の姿……」
「さてと……」
妖怪『人狼』に進化した自分の姿をカゲロウがまじまじと見るなか、私はそう言いながら自分が倒した他の牙狼族達の遺骸をスキマで回収する。
「!?あの……彼らをどのように……?」
「流石に肉と毛皮は貰うけど、骨はきちんと
「そうですか……お気遣いありがとうございます。」
「それじゃあ行きましょうか。私はユカリ=テンペスト。これからよろしくね。カゲロウ。」
「はい。ユカリ様。」
そうして新たに仲間にしたカゲロウを伴ってリムルの方に向かうと、恐らくカゲロウの父親であろう他より一際大きい、片目に傷がある牙狼族が『粘糸』で身動きを封じられた状態でリムルに『水刃』で首を落とされる現場に出会す。
「ッ……父上……」
既に覚悟は決めていたカゲロウが目を反らさずに父親の死を受け止めているなか、何を思ったのか、リムルはその父親の遺骸を『捕食』し始める。
【くくく……仕方ないな……今回は見逃してやろう……】
『捕食』を終えたリムルは『念話』でそう言いながら、『捕食』した父親のような大きな牙狼族へと擬態する。
【我に従えぬというなら、この場から逃げることを許そう!さぁ、行けっ!!】
ウオォォォォォォォォォーーーンッ!!
次の瞬間、リムルは『念話』でそう言いながら『捕食』した父親から得たスキル『威圧』を発動し、村の結界内にいる私やカゲロウ、ラン達以外のゴブリン達と牙狼族達は圧倒される。
ザザッ!!
【【【【【我ら一同、貴方様方に忠誠を誓いますっ!!】】】】】
【……ゑ?】
「……あのバカ……」
「あの……ユカリ様?我々はその……勝ったのでしょうか?」
「えぇ、そうね……」
ワァァァァァーーーッ!!
カゲロウの父親である牙狼族の長が死に、生き残った牙狼族達(カゲロウ以外)が一斉にリムルに服従を誓うのを見て、ゴブリン達は一斉に歓声を上げる。
「………」
「……私も人が、いや、妖怪が良いわね……」
カゲロウが瞳を閉じ、父親や散っていった仲間達に黙祷を捧げているなか、私は先程死亡した長の毛色と同じ色をしたヒトガタを取り出しながらそう呟いた。
カゲロウ
見た目:東方の今泉影狼
種族:妖怪『
所持スキル
スキル『思念伝達』
スキル『影移動』
ユニークスキル『
エクストラスキル『スペルカード』
スキル『弾幕』
詳細
牙狼族のゴブリン村襲撃の別動隊に参加していた族長の娘であり、次期族長(後のランガ)の姉。尚、彼女も次期族長候補だったが、弟を初め生き残った一族の助命を請うため、ユカリの式に下り新たな種である妖怪『
新スキル
ユニークスキル『
ミズチの『
ユニークスキル『
ミズチの『猛毒吐息』とヤマメの『