ブラック・ブレード   作:東流

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先ず一言、2ヶ月ぶりです、遅れてしまって申し訳ないです。
もっと早く書くつもりでしたが…すみません。

不定期更新ですが頑張っていきたいです。

それではどうぞ_(..)_

P.S
ロストソングを買ったのですが、忙しくてまだ手をつけてないです…どうです?面白かったですか?


紅民間警備会社

翌日

 

和人はパッと目が覚めた。昨日よりも体の調子が良い…ような気がする。

辺りを見渡すと誰も居ない。ソファーで寝ていたので昨日の話からそのまま寝てしまったのだろう。毛布もかけてもらっていたし。

唯は…もう起きたのだろうか?ここには居ない。和人は取り合えず顔でも洗おうと思って近くにある洗面所で顔を洗う。その時見た左目はまだ赤く染まっていた。

流石にこれでは色々と面倒なので、昨日の眼帯をそのままつける。どうにかして目の色のコントロールをしないとヤバイな…。

そう思う和人は唯に教えてもらおうかな、と考える。

 

すると何やら上の方で声がする。もしかしたら誰か居るのかもしれないが…。

 

「…流石に行きづらいな」

 

和人は唯か天理が居てくれれば助かるのにな、そう思ったとき、扉が開いた。

 

「ッ!?」

 

和人はびっくりするものも、その正体を知り安堵する。

 

「なんだ…唯か…」

 

「和人さんおはようございます。昨日はよく眠れましたか?」

 

「あぁ。何とか…な。唯も昨日はすぐに寝ちゃったけど…」

 

「あぁ昨日はすみませんでした。私も疲れてて…ごめんなさい…」

 

「別に謝らなくていいよ。唯は俺の面倒を見ててくれたんだろう?それくらいどうって事ないさ」

 

和人は唯の頭に手を置くと優しく撫でる。唯も頬を染めて、ふにゃ~といった顔になり、和人もそんな唯を見て、

 

 

 

 

 

 

「ふーん…和人君ってロリコンなんだ」

 

 

 

 

 

「和むな~って…は?」

 

扉の方から声が聞こえると思ったらそこにはこちらを見てくる天理の姿があった。

 

「…て、天理…?って違うわ!!俺はロリコンじゃない!!」

 

「どうだか…確かに唯ちゃんみたいな美少女はそうは居ないわ…けど…小学生相手に、犯罪よ?それ」

 

「だから、違うわ!!」

 

和人の心の底からの叫びに外に止まっていた鳥達は一斉に飛び立つ。後、唯は何が何なのか全くわかってはいなかった。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「これから私達の仲間になる桐ヶ谷和人君よ。ほら挨拶挨拶」

 

天理に背中を押され、前に出る和人。前には四人の女の子が座っていた。茶髪をツインテールで括っている少女、白髪の無表情の少女。この二人はイニシエーターだろうと和人は思った。

後の二人はプロモーター。銀髪のセミロングの少女と黒髪のポニーテルの少女。

どの子も個性が強そうだな~と和人は冷や汗を流しながら考える。

 

「え、えっと…桐ヶ谷和人です。今日からここで働く事になりました。よ、よろしくお願いします」

 

和人は頭を下げて、周りの反応を伺う。最初の印象が良かったのか、銀髪と黒髪の少女二人は、よろしくと言葉を返してくる。白髪の無表情そうな子は…なんか寝てた。朝が弱いのかもしれない。

 

「(…第一印象は良かったのかな…?これなら、多分―)」

 

と思った直後、茶髪ツインテールの子が立ち上がり、こちらにやって来る。

 

「……?」

 

和人を上から下へと眺めた後、フンと鼻で笑ってきた。

 

「何よ、男のクセに女顔。しかも体型はヒョロリとしたモヤシじゃない…。とても、私達と仕事ができると思えないわね」

 

「…は?」

 

なんだこの生意気そうな少女は、いや生意気だ。初対面の相手に、しかも和人自身が気にしている事をグサグサと間髪入れずにぶっ込んできた。

 

「ちょっとそこに正座しなさい」

 

ビシッと指を指してくるので、渋々座り込むのだが、

 

「…って、何でだよ!?何で正座しなきゃいけないの!?」

 

「当たり前でしょ。私が先輩、あんたが後輩…。つまり私の部下でもあるわ。部下が上司の命令を聞くなんて、当然の事でしょ?」

 

「だから、何でだよ!?確かに君の方が先輩なのかもしれないけど、俺は君の部下になったつもりは無いんだけど?」

 

「はん。男のクセにギャーギヤー煩いわね。あんたは私の言うことを黙って聞いてりゃ―「まぁ、この中じゃ華鈴が一番下っ端みたいなものだからね」って、アリス!煩いわよ!」

 

華鈴と呼ばれた茶髪のツインテールの少女は、向かい側に座っている銀髪の少女に矛先を変える。

 

「だって、華鈴が一番桐ヶ谷君の事気にしてたじゃない。見舞いの時に寝顔に見惚れてて、まぁまぁねって顔を赤くしてたのは誰だったけ?」

 

「くっ…あんたね…」

 

「それに、昨日はずっとソワソワしながら…まだ起きないかな~とか呟いてたじゃない」

 

「殺すっ!本格的にあんたを殺してやるわ!」

 

今にも一触即発の雰囲気。唯があわわ~っと口を押さえて、どうしようか迷っていた。隣の黒髪のポニーテールの子は何時もの事なのか、平然とした状態で目を瞑っていた。何かの修行だろうか?よくこの状況で平然といられるな…と和人は思った。

チラリと白髪の少女の方を見る。相変わらず…寝てた。

 

「(何なんだ?この子達は…)」

 

和人は頭が痛くなりそうだった。この子達は本当にあの怪物―ガストレアと戦っている民警なのだろうか?

ため息をつきながら、この状況を見守る。

 

すると、後ろに居た天理が痺れを切らしたのか、

 

「あなた達…いい加減にしなさいっ!」

 

天理の怒声が鳴り響き、ケンカしていた二人の少女はピタッとケンカを止めた。目の前に居た和人はあまりの声に耳が潰れそうだった。

 

「(うお~耳が…耳がぁああ…)」

 

「……すぅ……すぅ……」

 

今の怒声を聞いても白髪の少女は起きることなく、眠っていた。これはもう…なんかの病気じゃないの?

 

「朝からケンカしないの!和人君が困ってるじゃない、それに朝ごはんも冷めちゃうでしょ!」

 

天理が二人に向かってデコピンをした後、自分の席に座った。二人は、あまりの威力だったのか、床を転げ回っていた。銀髪の少女はともかく、茶髪の少女、華鈴はイニシエーターだろう。彼女ですら床を転がりまくっている。そんなに痛いのだろうか?

すると、今まですやすや眠っていた少女が、ビクッと身体を震わせて起きた。

 

「…ごはん…」

 

「えっ?」

 

和人はつい白髪の少女の方を見る。

 

「ああ、あの子…雪音って言うんだけど、普段は夜行性で午前は殆ど起きないのよ。でも、ごはんの時には何故かしっかり目を覚まして、食べ終えて一時たったら寝てしまうのよ…」

 

「えっと…それって、一種の体質…ってやつか?」

 

「う~ん…まぁ、体質と言えば体質なんでしょうけど…」

 

それは後で話すわ。天理はそれだけ言うと和人が密かに狙っていた唐揚げをいただきと言わんばかりに掻っ攫う。

 

「…あっ」

 

「早い者勝ちよ、和人君♪」

 

あむっ。と唐揚げを口の中にしまう天理。仕方ない…まだ残ってたよな?そう思い、和人はお皿の方に箸を伸ばすが、

 

「…あれ?ない…」

 

さっきまでは数個あったのだが、それがもう全て無くなっていた。

辺りを見渡し、見つける。異様にお皿の上に唐揚げが大量に乗っているのを見つけた。

雪音だ。

 

雪音は和人に気づくと、「…よろしくです」と頭を下げてくる。慌てて和人もよろしくと頭を下げる。

すると、和人の目線に気づいたのか、唐揚げの乗ったお皿を持ち上げて、

 

「………食べますか?」

 

後ろに隠しながら、そう聞いてきた。視線からは、食べるなよ~食べるなよ~という怨念みたいなものがこちらに向かってやって来る。

 

「(何?食べますか?と聞いているのに、後ろに隠すって…一種の嫌がらせか?)」

 

和人は苦笑いをしながら、いや…いいよ。大丈夫。と答える。雪音は満足したのか、唐揚げをヒョイヒョイ食べ始めた。

 

「…うん?そう言えば和人。あんたIP序列何番目よ?」

 

華鈴が「因みに私はアリスとペアを組んでいるんだけど、序列は1200番ぐらいよ」と言ってきた。

 

「それは私も気になるわ。あんな前線に居たんだから結構上よね?」

 

全員が気になるのか、箸を止め、和人の問いに耳を傾けていた。

 

「…えっと…すいません。IP序列ってなんですか?」

 

「「「「「…………」」」」」

 

この場の時間がピタッと止まった。正確には和人と唯以外。唯はしまった、という顔になり。和人も和人でしまった、と思った。

和人は先ず民警では無いので、IP序列というのも知らない。だが、よく考えれば、序列という言葉でそれぞれの順番だという意味がわかる。

バレるのが早いか遅いだけの話ではあるが、別に騙そうとはしてなかった。唯にその辺の事情を聞いて、訳を話して民警になるつもりだったのだが…、こうなってしまったらもしかしたら…。

 

「タイム!和人君と唯ちゃん以外こっちへ集合。作戦会議を行うわ」

 

天理は和人と唯以外を集めて作戦会議を開いていた。

 

 

 

作戦会議中

 

「ちょっと、どういうことよ天理!何?和人って民警じゃないの?」

 

「でも…彼、この前の作戦の時に最前線に居たのよ?一般人はあそこに入れないはずよ」

 

「嘘!?最前線に?何で…」

 

「…けど、全くの一般人…って訳じゃなそうです」

 

「……彼からは……何かを感じます」

 

「何よ刹那…厨二病?」

 

「…違います!」

 

「刹那さんの言うことは間違いないわよ…その内説明するわ」

 

「えっ?何か知ってるの?教えなさいよ!」

 

「…華鈴…あの人が来て、何か変わったです?」

 

「ああ、それはな…華鈴が桐ヶ谷君に一目惚―」

 

「違うわよっ!何言ってんのよ馬鹿じゃないの!?」

 

「ほほう…そうですか」

 

「…なるほど」

 

「ちがぁぁぁぁぁあああうっ!」

 

「…本題からずれてるわよ、貴方達」

 

 

 

~一方その頃~

 

「…これ旨いな…唯が作ったのか?」

 

「は、はい…お口に合いましたか?」

 

「ああ、旨いよ」

 

「良かったです」

 

「このままいけば唯は良いお嫁さんになりそうだな…」

 

「わ、私がですか?……えへへ……和人さんの、お嫁さん///」

 

「うん?何か言ったか?」

 

「い、いえ…何も///」

 

 

 

 

作戦会議中

 

「刹那さん。次の民警の試験日っていつだったかわかる?」

 

「……次は、一週間後に新宿でありますね」

 

「よしきた。取り合えずこの一週間は和人君に民警の事を教えるわよ。先ずは民警になってくれないと話が進まないわ」

 

「…けどよ…華鈴も言ったけど、桐ヶ谷君大丈夫なのか?運動してるようには見えないし、何より受かるのか?座学はともかく…実技の方は…」

 

「ああ、それは大丈夫よ。安心して。私が保証する」

 

「…天理さんが保証って…何者ですか、あの人は…」

 

「…そうねぇ…簡単に説明すれば、本気を出したら刹那さんに追い付くレベルかしら?」

 

「……ッ!?……それは、本当ですか?」

 

「本気を出したら追い付くレベルかもって言ったのよ。普段なら刹那さんの方が強いわね…けど…」

 

「けど…何よ」

 

「この前作戦…ある民警ペアが間違って爆弾を放り投げて、大量のガストレアがやって来るってあったわよね?」

 

「ああ、確かにな」

 

「本来なら中間防衛ラインを放棄して、最終防衛ラインで全員で迎え撃つ…って作戦だったけど…最終地点まで来ないで中間地点でガストレア達が絶命してたけど…どうやら和人君らしいの…ガストレアを全滅させたの」

 

「…はぁ?」

 

「……えっ?」

 

「マジかよ…」

 

「……それは」

 

「唯ちゃんが目の前で見てたらしいの…現に私もその中間地点までヘリで行ったから分かるんだけど…凄まじいものだったわ…」

 

「けど…何でまた…」

 

「説明は取り合えず和人君が民警になってからよ…。今は和人君を民警にさせましょ」

 

全員がうんと頷く。

 

「今から『和人君を民警にするわよ作戦』を開始するわ」

 

「……あんたのそのネーミングセンス……どうにかなんないのかしら?」

 

「う、煩いわね…ほっといてよ」

 

これにて作戦会議は終了である。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「…あっ、終わりましたか?随分長かったですね…」

 

「ええ、もう大丈夫よ。和人君、一週間後に新宿で民警になれる試験が行われるわ。だから今から一週間、たっぷり教えてあげるから…受かりなさいよ?」

 

天理の目がもう怖かった。もはや脅しである。

 

「わ、わかった…善処する」

 

和人も民警になれれば言うことは無いのでそれにこしたことはない。

 

「さーてと…一週間、バリバリ鍛えるわよ」

 

「お、お手柔らかに…」

 

 

 

 

 

 

今日から和人の新しい生活が始まる。

 

 

 

 

 

 




誤字脱字、おかしいところがあったりすればご指摘お願いします_(..)_

それでは次も読んでくれたら嬉しいです。では_(..)_

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