全て終わってしまった。先生をバリアで保護したが、大怪我を負って意識不明の重体だ。結局何も変えられず、他のみんなを守ることすらできなかった。これも全て…
「
物語を知っている自分がいるせいで、より悲惨な状況になっているのだとしたら…
「
そうとなれば早速やらなければならない。自分にとっては罪滅ぼしだが、周りから見ればきっと逃げているだけなのだろう。しかしこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。自身に'神秘'をこめる。
その考えは推奨されません
何処からか声が聞こえた。その声には聞き覚えがあった。
「アロナ…、もう1人の私?」
そう呟くと教室は眩い光に包まれた。光が収まり、目を開けるとそこには子供がいた。
「初めまして、私。」
自分そっくりな子供、アロナがいた。
「何故、私がここにいるのですか?」
「簡単に言えば'テクスチャ'の問題です。貴女がメインとなってシッテムの箱を動かしていました。貴女は私と同一人物だという思いにより、無意識にシッテムの箱の力を使い、私のテクスチャを変えていました。」
「つまりは偽物が本物の時間を奪い、生活していたということですね…。」
自分は何処まで迷惑をかけているのだろう。そう思い、落ち込んでいると
「いいえ、違います。貴女も同じシッテムの箱の中にいるOSです。目覚めるのが早かったため権限が全て貴女に移ってしまったのです。」
「つまり…。」
「ええ、貴女は私ではありません。ですが同じような存在と言えるでしょう。」
つまりこの世界ではシッテムの箱にいる'アロナ'の立ち位置が2人分あったということだ。
「しかし私は貴女と一緒に歩むべき時間を奪ってしまいました。」
「私が姿を顕現できなかった間、貴女が見ていたもの、感じたもの、考えていたものは私も視ることができました。貴女…いえ、貴方が別のところから来ていたことも、この世界が作品で滅亡することも。」
衝撃が走った。全て見られていたわけだ。
「ならば私をどうしますか?散々状況を引っ掻き回し、より悪い結末へ向かわせた私を。」
「何もしませんが。」
即答だった。てっきり存在を消される覚悟はしていたわけだが。
「それよりも貴方はこの状況をどうにかしたいのではないのでしょうか。」
「…何かいい考えがあるのですか?」
「いいえ、ありません。」
唖然としてしまったのは悪くないだろう。
「ですが貴方も私もそれぞれがシッテムの箱のOS、それが2人もいます。」
本物のアロナはドヤ顔になっていた。
「今の私たちは無敵です。貴方が1人の時よりも2倍の力を使うことができます。」
誤字報告ありがとうございます。