個性『スーパー戦隊』 うん。……ちょっと待て?????   作:翠吏

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謎に苦労しました。
めっちゃ探したわ……


捨てたモノ

おそらく、建物内に入ったら確実に氷漬けにされて一発KOか。ヒーロー側になって良かったよ。ほんと。そんなことを思いながら伸ばしたワイヤーで屋上まで一気に行く。たまんねぇな。まだ、轟は建物を氷漬けにしない。流石に同じ手を使うのはまずいと判断したのか?まぁ、警戒を怠らないようにしよう。

 

「どの部屋に核があるかな………」

 

ランダムらしいし、やっぱ部屋ん中入らんとだめかね。分裂(?)するか。戦闘音でわかるだろう。

 

「グッドストライカー!」

 

その名を呼ぶと空から勢いよく来て俺の前で忙しなく動く。久々の出番でテンション上がってんだろうな。

 

「やっと、オイラを呼んだか!今日は快盗の方なんだな!!」

「相変わらず元気そうで何よりだ。頼めるか?」

「もちろん!オイラの出番だもんね!!」

 

グッドストライカーをVSチェンジャーにセットし、ダイアルを回す。

 

『グゥッド、ストライカー!スリー・ツー・ワン、アクション!!』

 

「フェイク・ア・ゲーム!」

 

そうすると両側に俺……ルパンレッドが立っている。

 

「俺は三階、左の俺は二階、右の俺は一階…解散!」

 

そう言うと二人の俺は素早く去っていった。俺は屋上から下に降り…!

嫌な予感がしてその場から退くようにして後ろにジャンプする。あっぶね。危うく足が凍り漬けになるとこだった……って、ドア凍り付いてんじゃねーか!!開かねぇし!仕方ない、ワイヤー使って窓から入るか。

 

「よっと。……いねぇのか」

 

三階にいてくれたなら楽だったんだがな。二人の俺も上手く避けたんだろう、戻ってない限り氷漬けは回避できたんだろう。しかし滑るなぁ。慎重に行くか。いや、場所が分かり次第火で溶かすか?ルパンレッドって火系の技あったかな……、無いよな…。この光線で溶けないかな。あ、無理だ。

 

くまなく探したけど居ないな。物音ないし。そろそろあっちも探し終わったと思うんだが。………!足音!!

 

「よぉ」

「!?」

 

轟!?しかも二階から来やがった!!やられたのか?!なら、なぜ戻らないんだ!?

 

「分身がいたろ、そいつどうした」

「分身……?居なかったぞそんなの。……あ、マントは見たぞ」

 

普通に鉢合わせなかっただけかよ!!

両方移動してたからか!なんじゃそりゃ!?とりあえず解除。ちゃんと戻ってきたわ。光だけど視認できてるし。両方無事だったし。話はマジのようだ。そんな奇跡あってたまるか!!はぁ………。

 

「グッドストライカー……どう思う?」

「オイラに聞かれても……」

「だよな。まぁ、おつかれ」

「おう!また呼んでくれよな!!」

 

そう言うと窓から空に旅立っていった。この言い方なんかやだなグッドストライカー死んだみたいで。

 

「待たせたな、轟。始めようか」

「………」

 

返事はなしね。冷たいやつだ。

迫り来る氷たちを避けながらVSチェンジャーで容赦なく轟を狙う。距離を空け過ぎると威力が減る。かと言って近づけば氷漬けにされてさようならだ。それはダサい。あんなこと言って負けられねぇんだよこっちは!!氷が右から迫る。左に飛ばず、後ろに膝を抱えながら飛ぶ。やはり、左に飛ばなくて良かった。左から生えた氷を見ながら思う。

その後も攻防は続く。それにしても寒いな。動き回っているとはいえ寒さで足の裏の感覚が消えかけている。なんとかしないとな……。いやでも火系は(コイツ)の地雷なんだよなぁ

 

「考え事とは余裕だな」

 

あ、まずい。

そう思った時には氷の波が俺に迫ってきていた。

頼む、間に合ってくれ──!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ドゴォッ!!

 

「うわっ!?」

「遠いのに……ここまで聞こえてくるなんて…」

「轟強すぎんだろ……!」

 

モニターに表示される映像はどれも土煙や冷気によって発生したモヤで見えない。このモヤが晴れた時、勝敗がわかると思いモニターを見る。

 

「なぁ、どっちが立ってると思う?」

 

沈黙に我慢できなかったのか、上鳴が他のメンバーに問いかける。

 

「轟さんですわ」

 

『え?』

 

間髪入れず、しかも自信満々に言う八百万の声に全員が疑問の声を上げる。そんなことは気にしないかのように八百万は続ける。

 

「あの音が鳴る前、五十志さんは変身を解除しておりました。あのスピードで迫り来る氷の波の速さで変身できるとは思いません。ですので、勝者は轟さんですわ」

「よく見ているね。彼女の言う通りだ。ワタシもあれでは変身自体は不可能だと考えている。ただ……」

 

オールマイトはそこで言葉を切る。

 

「『ただ……』?」

 

それに気になった彼らはオールマイトに聞く。

 

「ただ………彼が他に手を持っていたのなら話は別だ。ワタシには変身解除した彼が何かを構えるような動きをしているように見えた。可能性はないわけじゃない」

 

その言葉に一同はグッドストライカーを思い浮かべる。そして、昨日の五十志の個性のこと、「レパートリーは50」と言う言葉を思い出す。しかし、八百万の言う通り、あの速さではそれすら無理ではないかという結論にたどり着く者の方が多かった。その中でお茶子が気づいたように言う。

 

「もし、間に合ってなかったら五十志くんはあの攻撃を生身で受けたってことですか!?そんなん危険や!」

 

何人がその言葉でハッとしただろう。

轟は手足を凍らすのではなく、氷の波を出していたのだ。尾白や葉隠が受けたようなものではない。あれよりもずっと危険だ。

 

「けれど、僕は信じる。彼ならきっと乗り越えているはずだ!!」

 

そんな中、飯田が堂々と言い切る。

そして全員が息を呑みながらモヤが晴れそうなモニターを見つめ、やがて──モヤが晴れた。

 

そこに立っていたのは、轟ただ一人。五十志の姿は氷の波に飲み込まれたのか、いない。彼らは唖然とした。

 

オールマイトは、ヴィランチームが勝ったことを伝えようとする。

刹那、音が聞こえる。オールマイトにしか聞こえていないうえ、小さいが、確かに音がしている。

 

「オールマイト、どうして……」

 

マイクに伸ばす手を止めたオールマイトに彼らは疑問に思う。そして答えを探すかのように、モニターに目をやった。

 

(五十志少年、君は何をしようとしている……?)

 

 

 

 一方、轟はモヤが晴れ周りを見渡し五十志がいないことを確認すると一つ、息を吐いた。自身の体もずいぶん冷えてしまっている。そんなことを考えながらオールマイトによる終了の合図を待ち、五十志がいたところから目を背けた、その時だった

 

ぱきっ、パキパキ…………

バギィッ!!!!!!!

 

その音に驚いて振り向く。すると……

 

「あ"ー、さっむ。やってくれたなぁ!?轟ぃ!!」

 

五十志がそこにたたずんでいた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なっ……!」

 

おーおー、驚いた顔してんな。

死ぬかと思ったわ。あのまま氷漬けにされてたと思うとゾッとする。

 

「どうやって…」

「ん?コレだよ」

 

轟に合わせながら目の前に「」という字を力を込めて書く。回転させるように触れば、それは轟に向かっていき動きを封じた。縛られたように動けなくなった轟の前に立つ。

 

「あの時変身を解除して、代わりにある戦隊を思い浮かべてコレで『』って書いて文字力(モヂカラ)で身を守りながら『』であの波の動きを止めた。そんで『』で氷を砕いて脱出したってわけ」

 

我ながら無茶をしたと思う。

でも、無茶をしてでも伝えたかったことがある。

 

「この戦隊に変身すると俺は主に火を使う。炎だってだせる」

 

その言葉に反応してキッとこっちを睨む轟。

 

「でも俺は変身しない」

「どういう意味だ…!」

「つまらないから」

 

その言葉に目つきがさらに鋭くなる。

轟からしたら「変身したらすぐに決着がつくからしない」みたいな意味で捉えられてそうだ。でも違う。

 

「つまらなかったんだ。アンタとの戦いは。アンタ本気出してないだろ。その証拠に左側を使ってない」

「俺は!俺はこの力だけでヒーローになって見せる!!左がなくとも俺は本気で戦えてるんだ!!」

 

知ってるよ。アンタがなぜ左を使わないのか。しかし、現場でそれは通用しないんだよ、轟。ただの「言い訳」として捉えられるんだ。だからこそアンタに言いたいことがある。

 

「『何かを得るには、なにかを捨てなきゃ』」

「……!」

 

 

このセリフはゴーカイジャーの敵であるバスコが言った言葉だ。なかなかに的を得ている言葉だと俺は思っている。まぁ、あのシーンはちょっと思うところがあるが…‥。サリー………。かわいいやつだったのに。容赦ねぇシーンだったよ。

 

「俺は聞きたい。アンタ、自分がヒーローになるために何を捨てれる?」

「………。」

「答えられないのか?捨てるべきモノ、ほんとはわかってるんだろ。言っとくが俺からは言わない。自分で気づかなきゃ意味がないもんだ」

 

そのまま轟に捕縛テープを巻き付ける。

もういいか、そう思えば手の中のショドウホンはすでに消えていた。

 

『ヴィランチームが捕縛されたためヒーローチームの勝利!!』

 

動けるようになった轟がこっちに向かってくる。

 

「なぁ、お前は何を捨てた?」

「俺?俺は……恐れを捨てた。敵から逃げようとする心を、情けない自分を」

「そうか」

「あっ、そうそう!」

 

手を叩いて轟に改めて向き合いながら言う。

 

「予告通り、アンタからお宝(勝利)、奪いとったぜ」

「あぁ……そうだな」

 

言いたいこと言えてスッキリしたな。んで、戦闘訓練はコレで終わりか……あれ、視界が歪んでないか?おかしいな……揺れてもいる?ごめん、轟。なんつってんのかわからん。どさりと近くから音が聞こえる。瞼が閉じようとする。抗えない。今までこんなことなかったのにどうして……あ、変身してないのに、モヂカラ使ったからか。そう思い終わる頃には俺は意識を手放した。

 




某百科事典で見ると結構モヂカラの種類あるんですよね。小説版のみのやつとかありましたし。ちなみこれを書くまえにすでに書き切ったものがあるのですが、そっちは没になりました。なんか重苦しいのになったのと、色々扱いきれんわ!ってなったので。ネタ切れかなんかになった時に番外編としてぶちこむと思います。やる自信がある。
次回は委員長決めからUSJまでです。では、次回も楽しみに〜


【裏話】
実は当初、シンケンではなくダイナマンで、しっかり変身する予定でしたが、名乗り時に爆発するため、色々危険だということでお蔵入りになりました。
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