やはり俺のダンジョンラブコメは間違っているだろうか 作:サイレン
タイトルはちょーテキトーだよー。2秒で決めたからー。
とりあえずどうぞー
迷宮都市オラリオ。
無限に異類異形の怪物を、モンスターを生み出し続ける地下迷宮、通称『ダンジョン』を中心に栄える巨大都市。そこには下界に住む人々を、そして娯楽を求める神々を魅了する全てのものがあった。
富、名声、そして『ダンジョン』に眠る数々の『未知』。
それらを焦がれ求める、多くの冒険者によって栄えるこの都市は、最早この世の中心と云っても過言ではない。
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「はぁー」
雑踏ひしめく大通りで、その『神』は溜息を吐いていた。
見た目は15歳前後にしか見えない少女の容姿。艶のある黒髪をツインテールにまとめており、その青みがかった碧眼は、いっそ何かの芸術品かのようだ。神々しいとまではいかないが、常人とは明らかに異なる幻想的な雰囲気を醸し出している。
そんな『神』であったが、今は見るからに気落ちしており、本日何度目とも知れない溜息を吐いていた。
「ヘファイストスの薄情者ー。いや、まぁボクも悪いとは思ってるけどさぁ……」
友人こと友神に対しぶーぶーと文句を垂れていたが、そんなことをしても現状は全く好転することはなく、只々虚しいだけだった。仕方なく目的地が記された地図を頼りに、この広い都市を歩き続ける。
友神最後の情けでもらった古びた教会が目的地だ。今までは友神の住まいでニート同然の生活をしてきたため、放り出された今は、住む当てがそこしかない。本当は路頭に迷う運命だったと思えば、友神に感謝もあるが、それでも憂鬱なものは憂鬱だった。
「えーと、ここかな?」
辿り着いたその場所には廃墟同然と言った半壊状態の教会があった。とても人の、そして神の住めるような場所ではないが、地図に備えられたメモ書きによると目的地はその教会の更に地下。そこに用意された一室が、今後自身が暮らす家があるらしい。
だから、その『神』は「いざ!」なんて言って脚を踏み出そうとしたが、その時、教会の前に横たわっている黒いローブで覆われた二人のヒューマンを見つけた。
駆け寄り、その見窄らしいローブを取り払うと、その中から出てきたのはまだ10歳にも満たないだろう年端もいかない子供たち。男の子が女の子をおんぶしてたような状態で倒れており、恐らくここまで来て気を失ったのだと推測出来る。
「……とりあえず、中に運ばないと」
流石にこの状態で放っておくほど、情の無い神はそうはいない。
整備されていない地下室への道を、その『神』は子供たちを一人一人往復して運び出した。
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「…………………………ここは?」
薄い布が掛けられた身体を起こし、周りを見渡す。
明かりが少なくないため見通しが良くないが、どうやら何処か自分が知らない一室にいるらしい。隣を見ると、今までずっと行動を共にしてきた妹の姿も見受けられる。
「気がついたかい?」
突如掛けられた声にびくっ、と反応する。
そこには、不思議な光を出す石をランタン代わりとして持った、15歳前後と伺える幻想的な雰囲気を持つ女性がいた。
その、普通のヒューマンとは違うオーラを敏感に感じとった少年は、その女性に問いかける。
「……あの、あなたはもしかして神様?」
「おっ、凄いね。うん、ボクは一応神だよ。君たちがここの前で倒れていたから、ボクがここまで運んできたんだ」
それを聞いて、少年は頭を下げる。
「ありがとうございます。助かりました」
「……君は子供の割に凄く大人びてるね」
「……よく言われます」
苦笑いを浮かべながら、その少年は答える。その苦笑いを、大人がするような処世術を見て、『神』は益々驚いたようだ。
「それで、何があったんだい?あんな場所で倒れて。ボクがいたから良かったものの、下手したらあのまま死んでいたよ?」
「…………少し色々あってこのオラリオを目指して来たんだけど、途中でお腹が空いて倒れたようです」
「……そうかい」
あまり話したいことではないらしい。その雰囲気を嗅ぎ取ったため、その話はこれで打ち切ることにした。
しばらくはここが何処でどういう状況なのかを話した後、その少年は真摯な瞳で女性を見つめる。
「あの、神様。お願いがあります」
「ん?なんだい?」
気軽に答えた『神』であったが、その後出てきたお願いに、これまた驚くことになる。
「俺を神様の【ファミリア】に入れて下さい」
「えっ?」
【
そして、【ファミリア】に入ることで、下界の人々にとって一番のご利益は『恩恵』を授かれること。この『恩恵』はオラリオで暮らすのなら無視できるものではなく、一度授かってしまえば、常人とは比べようも無い力を手に出来る。
それこそ、『ダンジョン』に潜むモンスターを打倒出来るほどの力が。
「君は冒険者になりたいのかい?」
「はい。俺は妹を守る力が欲しい。お願いします」
これには『神』も少し悩んだ。
確かに、近々【ファミリア】の勧誘をすることは確実だったし、入団希望者が入れば、一も二もなく歓迎していただろう。
だが、目の前にいる少年はまだ幼すぎる。その大人びてた態度には驚いたが、それでも年齢はやっぱり子供。そんな子供を、あの恐ろしいモンスターが跳梁跋扈する『ダンジョン』に送るなど、はっきり言って無謀だ。
少し考え断ろうかとも思ったが、少年のその真摯な瞳を、熱意を持った目を見て、考えを改めた。そして直感した。この子供はきっと、大成する器だと。
「一つだけ、守ってもらう約束がある」
「何?」
「絶対、生きて帰ってくること。これが約束出来るかい?」
「約束する」
それを聞いて、決断した。
「よし!じゃあ君はボクの【ファミリア】最初の家族だ!歓迎するよ」
「ありがとうございます!」
それには、その少年も喜びを露わにしていた。それを見て、やっぱりこの少年はまだ子供なんだと思えた。
「そーだ。自己紹介がまだだったね。ボクの名前はヘスティア。君の名前は?」
少し遅すぎる自己紹介だったが、その『神』、ヘスティアは意気揚々と訊ねる。
そして、少年も答えた。
「ハチマン。ハチマン・ヒキガヤです」
以後、彼の物語は、彼女の手で書き記されていく。
それは子供達の織りなす物語。
過去、繰り返されてきた冒険譚。
神々がいつまでも見守ってきた、英雄神話。
これが、少年が歩み、女神が記す、
【
因み設定だと現時点で
ハチマン:7歳 (ただのイケメンになりそう)
アイズ:6歳 (オラリオにいるか知らない)
妹:5歳 (あえての妹)
ベル:4歳 (ベルは田舎にいるさ)
こんな感じでしょうか?
「こんな大人びてた7歳いねぇよ!」とか「こんなんヒッキーじゃねぇよ!」とかあるかもですが……うん、流して下さい。書いてて「これオリ主でもいいんじゃね?」と思いましたが、まぁヒッキーだと親しみが持てるかなと。
それに、最近の小学生は凄いですから、数検とかとっちゃいますから、妖怪について哲学みたいなこと言っちゃいますから(笑)
あっ、因みに今のところ続ける予定はないです。クリスマスプレゼントなので。
書き続けている咲の方でお逢いしましょう。