これが俺の恋姫†無双   作:篝火 灯

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一歩前進?

今日も今日とて俺は店番をしていた。今日は人が少ないな…まあ、みんなこの間のセールで大量に購入していったからなあ…今店に居るお客さんは数人程度だ。うーん…コレなら午後からは休みにしてしまおうか…。俺も休みが欲しいし…。たまには自分の店だけではなく、他の店にも行こう。

そして午後から店を閉めて、俺は街を散策していた。

 

うーん…街を見るのもいいけど…1人ってのが寂しいなあ…誰か居ればお喋りしながら散策できたんだけど…。と思っていると、肩を叩かれる。振り返ると満面の笑みを浮かべた雪蓮がいた。

 

「玄助、お店はどうしたの?もう休憩は終わってる頃でしょ?」

 

「あー…ソレなら今日はお客さん少なくてね…午後は休みにしたよ。」

 

「ふーん…ソレで玄助は何してたの?何か用事?」

 

「いや、特に目的も無く…」

 

「ならちょうどいいわね。玄助、私に付き合ってよ。」

 

「お、いいぞ。ヒマだったし1人は寂しいと思ってたところだ。」

 

「玄助は案外、寂しがり屋なのねー。ふふふ。」

 

「なんだよ…いいだろうが。んで?何処に行くんだ?」

 

「そんなの決まってるじゃない。」

 

んで、雪蓮に連れられて来たのは酒家。

 

「って真昼間から酒かよ!」

 

「ここのお酒美味しいのよー。天のお酒に負けないくらい美味しいんだから!」

 

「いやいや、昼間から酒はな…それに、雪蓮は仕事があるだろ」

 

店内の卓に案内され席に座りながら指摘する

 

「大丈夫よー。少しくらいお酒が入ってても仕事くらい出来るわよ。」

 

「いやいや、冥琳にバレてみろ、絶対にカミナリが落ちるぞ?」

 

「大丈夫だって。それより、何を飲む?」

 

「はぁ…んーと…」

 

酒家に来て酒を飲まないワケにもいかないしなぁ…

 

「じゃあ、1番弱い酒を、あとツマミで餃子。」

 

「私はいつものをお願い。」

 

そう言って店員さんに注文する、雪蓮のやつ、いつものって言って通じる辺り結構来てるな?

 

「来たきたー。はい玄助。かんぱーい」

 

「乾杯。」

 

チン、と杯を合わせる、と一気に飲む。む、1番弱い酒だと言っても案外美味いな…

 

「どう?お酒は、美味しい?」

 

「ああ、美味いな…なんか久しぶりの酒だから余計に美味く感じる。」

 

「え?玄助、お酒飲んでないの?いつから?」

 

「えーっと、覚えてる限りだと俺の歓迎会以来?」

 

「えぇ!そんなに飲んでないの?私なんて耐えられないわー。」

 

「まぁ雪蓮は酒好きだしなぁ…。俺は程々に楽しむの。」

 

「私が飲んべえだと言いたいワケ?」

 

「その通りだろ?真昼間から仕事放り出して飲んでるんだからな。」

 

「全く…玄助は真面目ねー…息抜きがなくちゃ楽しくないじゃない。たった1度の人生よ?楽しんだモノ勝ちでしょ?」

 

「まぁ…確かにそうだが…仕事くらいは真面目にしないとな?」

 

「んもぅ。せっかくお酒を飲んでるのよ?仕事の話は無しよ無し。」

 

「ったく、しょうがねぇなぁ…」

 

コクコク…とノドを鳴らしお互いに酒を飲んでいると、不意に雪蓮から。

 

「ねぇ玄助?そろそろ誰か抱いた?」

 

「ぶは!ゲホ!ゴホ!何言ってんだ!」

 

「忘れたとは言わせないわよー?天の御使いのお役目。」

 

「はぁ…昼間からする話題かよ…。だ…」

 

「え?なに?」

 

「あーもう!まだだよ!まだ!」

 

「まだなのねー。ふふ、玄助って案外奥手?」

 

「しょうがねぇだろ、店があるんだから。」

 

「それでも、朝と夜は城に居るじゃない。」

 

「だから?」

 

「戦も閨も一緒よ。夜討ち朝駆けは基本。ってこと。」

 

「夜這いしろってか!ンな度胸も相手も居ねぇよ。」

 

「あら、相手ならたくさん居るじゃない。ウチは美女揃いだと思わない?」

 

「確かにみんな美人だな。それが相手の合意無しに襲う理由になるのか?」

 

「んもー、いい玄助?貴方は天の御使いとして、孫呉にその血を入れることを母様からお役目として命令されたのよ?しかも重鎮の前で。」

 

「そうだったな。ソレがどうした?」

 

「それなのに一向に玄助の方から手を出して来ない、そうなったらソレを聞いていたみんなはどう思う?」

 

「ん?なにも無いだろ?」

 

「鈍いわねぇ…。そうなったら自分に魅力が無いんじゃないかって不安になるのよ。」

 

「いやいや、みんな美人だし、逆に俺なんかがみんなと釣り合うのかって思っちゃってたよ。」

 

「はぁ…商売や、戦場では活躍してるけど、ソッチ方面はてんでダメねー…」

 

「うぐ…仕方ねぇだろ…こんな美女たちと一緒に長いこと生活することに慣れてねぇんだから。ソレに女性の扱いは分からん。女心と秋の空とも言うしな。」

 

「あら?ソレを含めて愛してあげるのが男の甲斐性でしょ?」

 

「確かにそりゃそうだ。女心が読めんからと距離取っても意味無いモンなぁ…。」

 

「そうよ。だから玄助。」

 

「ん?私が玄助に自信を付けさせてあげる。」

 

「ん?そりゃどう言う…ん!」

 

向かいの席に座っていた雪蓮が身を乗り出し卓の上に手をつき、俺に口付けをした。

 

「ん…ちゅ…ぷは。どう?少しは自信付いた?」

 

「んな…なな、」

 

は?え?今キスされた?雪蓮に?えぇー、コッチの世界でのファーストキスは雪蓮かよ!夢じゃないよな?

 

「ふふ、どう?自信付いた?」

 

「あ、ああ…。てか、雪蓮…昼間のしかも店の中でキス…じゃない口付けはどうかと思うぞ?」

 

「あら?案外冷静?」

 

「頭が追いついてないだけだ。ちょっと一服してくる。」

 

そう言って席を立ち、タバコを吸いに店の外へ出る。そしてすぐさまタバコを咥えて火を付け、煙を吸い込む。そうすると頭がクリアになってくる。

 

キス…されたよな…俺に自信を付けさせる為?それとも雪蓮は俺に好意があって?分からん…でもキスされたのは事実だ。こりゃ、一本取られたなぁ…しかし不意打ちとはズルいぞ雪蓮!あーもう、ドキドキしっぱなしだよ!

 

「ちょっと強引だったかしら…でも、コレで少しは意識してくれると嬉しいわね。」

 

そう言って雪蓮は杯を空にし、手酌で酒を注ぐ。そうして居ると玄助が戻ってくる

 

「はぁー…。」

 

「あら?なに?そんなにため息吐いて」

 

「不意打ちは卑怯じゃないか?」

 

「玄助が悪いのよー。全く私たちに興味ありませんみたいな顔してたのに、梨晏とは仲良くしてるし…」

 

「ん?なんでソコで梨晏が出てくる?」

 

「んもー!私が1番最初に玄助と出会ったのに、後から来た梨晏と仲良くされてたらコッチだって嫉妬くらいするわよ!」

 

「ふはは…なんだ妬いてたのか。全く…女心は複雑だな…しかし、俺なんかで良いのか?」

 

「他の子は知らないけど、私は玄助が良いの。」

 

「本気か?」

 

「ええ、本気。本気じゃなかったらあんな不意打ちしないわよ。」

 

「はぁ…分かった。自信は無いが…雪蓮や他のみんなの隣に立てる男になれるように頑張るよ。そして、みんな幸せにしてやる。」

 

「それってみんなをお嫁にするってこと?なかなか大胆な発言ねー」

 

「あ…確かに…でもそのくらいの心意気が無いとダメだろ?中途半端が一番ダメだ。」

 

「その通りよ。さて、そろそろ出ましょ。まだまだ玄助には付き合ってもらうんだからねー。覚悟してよね。」

 

「分かったよ。」

 

「それじゃ、行きましょ」

 

そうして酒家を出た俺たちは街の喧騒の中に入って行くのであった…お互いに手を繋いで。

 




この後はご想像にお任せします…
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