これが俺の恋姫†無双   作:篝火 灯

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かくれんぼ?いいえ、訓練です。

「と、言う訳じゃ。」

 

「なるほど?敵の細作対策として、明命相手に訓練をすると。」

 

「そうじゃ。部隊は儂、穏、そして三船と、数人の兵じゃ。」

 

「相手は?明命1人なの?」

 

「そうじゃな。しかし、明命1人じゃからと侮るで無いぞ?明命はなかなかのやり手じゃ、その道では明命と並ぶ者と言えば思春くらいじゃろう。」

 

「なるほど…。こりゃ本気で相手しないといけなさそうだな…」

 

「うむ。当然じゃ、いくら訓練とは言え本気でやらねば意味が無いからのぅ。」

 

「分かった。それで訓練はいつ?」

 

「この後すぐじゃ。城の外れにある小山がその訓練場じゃな。」

 

「分かった。俺も一応支度しておくよ。」

 

「うむ。それではの。」

 

そうして、数十分後、俺たちは集合し、目的の小山に向かっていた。なんでも、俺たちが小山に足を踏み入れた直後から開始とのこと。終わりはこちらが全滅するか、明命が俺たちに捕まるかのどちらか。なるほど、簡単なルールだな。しかし、いつも元気でニッコリ笑顔を浮かべている明命のことだし、まぁ大丈夫だろう。

 

「良いか?お主らくれぐれも気を抜くで無いぞ」

 

「「応」」

 

「祭さん、硬すぎじゃない?こっちは兵も居るし祭さんや穏も居るから大丈夫だと思うんだけど…」

 

「たわけ!本気を出した明命を相手にするのは大変なんじゃぞ!それに捕まれば恐ろしい罰もあるしのう…」

 

「恐ろしい罰?ちょ!そんなの聞いてないよ?」

 

「罰の話しをしたら来んじゃろうと思ってあえてせんかった。」

 

「ああー。騙されたぁ!」

 

「ええい、もう仕方ないじゃろうが!男らしく覚悟を決めい!」

 

「はぁ…。ンもー…仕方ないなぁ…貸しにしとくよ?」

 

「全く…つれん奴じゃ…」

 

そうして祭さんとやり取りをしていると、後ろからドサっと言う音と共に後ろを警戒していた兵の1人が気絶させられている。そして恐ろしいのは顔面に書かれた一言。なになに…えーっと『全部平均以下の単なる凡夫。』うわぁ…一応、孫呉の兵士だよ?それに単なる凡夫って、しかも全部平均以下…なんか、可哀想だな…。祈っておこう。

 

「なんて、恐ろしい罰だ…」

 

「玄助さんは何を書かれるのでしょうね〜。」

 

「いやいや、捕まること前提かよ!えぇい、相手は明命1人、兵は2人1組として散開、祭さんは前衛、穏は後ろで隠れてて。」

 

「待て待て、兵を散開させて良かったのか?」

 

「情報がないと、何処に明命が居るのか分からない。気配も無いし、多分大丈夫だと思うけど…」

 

そうコレがダメだった。待てど暮らせど、散開させた兵たちは戻ってこなかったのだ。きっと何処かで捕まったのだろう…

 

「くそ、俺たちだけになっちまった。」

 

「慌てるでない!こういう時ほど冷静で居るべきじゃ。」

 

「しかし、こちらは3人…しかも穏は軍師だから戦力的には期待出来ない…どうしよう。穏、さっきから黙ってないで何か作戦を…って穏!」

 

振り返ったら穏は縄で縛られ、気絶していた。顔に落書きまでされて…。なになに…『特殊性癖の無駄乳軍師。』コレは酷い…。なんて事を…無駄乳は酷いな…。ハッ、そう言えばゲームでは明命は胸に対してコンプレックスがあったような記憶が…。しまったこのメンツは明命の逆鱗に触れるようなモノではないか!

 

ドサ!

 

穏の様子を見ているとまた音がする。まさか…!

 

しまった祭さんもやられた…。えーっとなになに…『酒好き、垂れ乳年増。』ひ、酷い…仮にも孫呉の宿将に書く言葉では無いような気がするが…。しかし、これで俺1人…くそ、完全に油断した、集中だ集中。

ハッ!そこ!

気配察知に集中した俺の気に引っかかった、そこだ!察知した気配に向かって石を投げる。が、全く反応は無く…

 

「あれ?外した?いや、確かに仕留めたはず…」

 

ガサガサと茂みに入って行くが明命の姿は見えず。

 

「くそ、どこだ」

 

ガサガサ、シュッ!ガサガサ、

 

「くそ、早くて追えねぇ…っておわ!」

 

明命が仕掛けたのだろう罠にかかり足首にロープが絡みつく。そしてコケてしまった。

 

「くそ、罠まで…って明命!」

 

「さて、玄助さま。覚悟は良いですか?」

 

いつも通りの満面の笑みで俺に問う明命。

 

「いやいや、俺は…まだ諦めて…ぐは!」

 

シュトっと首筋に手刀を落とされ俺の意識は途切れた。そしてどのくらい時間が経過しただろうか、俺たちは目が覚め…みんな青ざめて居た…もちろん俺も…。

 

「さて、今回は私の勝ちですね!皆さん帰りましょう!」

 

「くそ…やられた…」

 

「ぬぅ…儂に何か恨みでもあるのか…明命…」

 

「酷いですよう…」

 

そうして明命を先頭に、顔に恥ずかしい落書きを書かれた俺たちは城下を通って城へ戻らなければならないので…この恥ずかしい姿を民たちへと晒すという、精神面的にクる罰ゲームを食らったのだった…

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