これが俺の恋姫†無双   作:篝火 灯

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玄助が恋姫†無双の世界に来る直前の話になります。


なんてことはない普通の日々…のはずが…

20✕✕年 日本某所

 

車やバイクが車道を走り、電車がガタゴトと揺れる。いつもの日常だった、なんてことはない久しぶりの休日だ。しかし、休日でも俺の朝は早い。惰眠を貪るようなことはしない。日の出前、朝4時にアラームが鳴り俺を覚醒させる。目が覚めればベッドから身を起こし、部屋を出てキッチンへ向かう。そしてインスタントコーヒーを淹れ、ソレを飲みながらキッチンの換気扇の下で一服する。その後、自宅の裏手に併設された道場へ向かう。

 

「ふっ!しっ!」

 

身体を動かし、何度も無手の型を反復練習する。

 

「そこまで、玄助…お前また動きが良くなったのう…」

 

「爺様…見てたのかよ…孫を覗き見なんて趣味悪いよ?」

 

「言うのう…口まで達者になったか。三船家の神童よ」

 

「はあ…誰が神童だよ…俺は普通だよ。」

 

「何を言うか、その若さで三船流武術の免許皆伝しておいて…謙遜なぞするもんではないぞ。」

 

三船流武術、ソレは戦国時代、武士だったウチのご先祖様が編み出した必殺の戦闘術。今は表三船流武術と裏三船流武術で別れている。俺はそのどちらも免許皆伝しているのだ。表は子どもからお年寄りまで扱える護身術、しかし、裏は敵の命を屠る為にどんな手段でも使う謂わば殺人術。護身術は良いとして、殺人術まで孫に教えるかね?普通…

 

「爺様の方が凄いじゃん。自衛隊の空挺とかレンジャーとかの特別講師してるし…」

 

「それは年の功じゃよ…ワシも先の大戦では徴兵されたからのう…」

 

「分かった分かった…ソレで生命のやり取りして、生命の大切さを知ったから俺に裏まで教えたんだろ?もう何十回も聞いてる。」

 

「まあ…教えたワシが言うのも何じゃが…お前は良い腕と才能があった。今が戦国の世なら立身出世したじゃろうよ。」

 

「俺は今の平和な世の中の方がイイね。こんな力…身に余るし…それに使うにはそれなりの覚悟がいる。有名なアニメのセリフで、『撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ』ってセリフがある。まさにその通り。『討っていいのは討たれる覚悟のある奴だけ』だよ。」

 

「確かにのう…覚悟無くその力を行使すれば己が滅ぶか…」

 

「表は使い道があると思うけど…裏はガチで使いたくないね。一生、裏を使わなくて良い人生を送りたいもんだよ…。まあどちらも使い手次第だけどね。」

 

そんな話しをしているとお袋の呼ぶ声がする。どうやら朝メシが出来たようだ。ちなみになぜ俺が実家に住んでいるかと言うと職場への通勤が楽、こうして身体を動かす道場がある、そしてウチの婆様とお袋の作るメシが美味いからである。ちゃ、ちゃんと家賃と食費は出してるからセーフ…だと思いたい。

 

たらふく美味い朝食を食ったあとは、部屋で少し食休みをする。その後は…何も予定が無いな…。休日だからと言って部屋でウダウダするのも良くない、散歩がてら街ブラでもしよう。そう思い立ったら即行動だ。部屋着から着替え、スマホ、タバコをポケットに仕舞い…おっと財布を忘れるところだった…ちなみに財布の中身は…うん、コンビニに寄ってお金を下ろそう。

 

「あら、玄助、お出かけ?」

 

「うん。ちょっと出てくる。」

 

「あらあら、車に気をつけるのよー」

 

「ンなガキじゃないっての…」

 

お袋とそんなやり取りをしながら外に出る。さて、まずはコンビニだ。ついでに缶コーヒーでも買おう

 

「130円になります。あざしたー」

 

コンビニでお金を下ろし、缶コーヒーを買って外に出る…うん、今日もいい天気だ、コーヒーも美味い。さて、どうしよう…ん?公園から子どもの声が…って今日は日曜だったか…よし、公園に行ってベンチでのんびりするか…と思った瞬間、公園からボールと共に子どもが車道に飛び出して来る。その刹那、俺の身体は咄嗟に子どもを庇い向かって来た車とぶつかった。そこで俺の意識は無くなった…

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