雷火さんに孤児院を開く提案してから色々あったが…雷火さんが話を進めていたらしく、孤児を集め、人を雇い、孤児院となる建物まで用意してくれた。これで運営が出来る。孤児の数は8人、これから増えてくるかもしれないので、孤児院を手伝ってくれる人達は15人程雇ったらしい…。しかし、孤児院を手伝ってくれるのは皆、女性か…どうやらこの女性達の夫は兵役についており、皆、戦死したらしい…。それに、子供が居る人も何人か居るし、せっかく、孤児院の運営を手伝ってくれるんだ…せめてこちらで預かる孤児と手伝ってくれる人とその家族だけでも飢えないくらい、たくさんのメシとそれなりの給金を渡そう。さて、その孤児院の院長なのだが…俺が務めることになった…。まぁ俺の提案だしね?しかも都合良く、ウチの店の近所に孤児院が出来たので、俺も様子を見に行きやすい。そして、今俺は何をしているかと言うと…。孤児院での初めての食事を振舞おうと孤児院の厨房で料理をしているのである。
「暑っついな…、よっと…」
呟きながら鍋を振る、子供分と、手伝ってくれる女性達にも食べさせる予定なので、それなりの量を作らなければならず…さすがに俺1人では無理なので月詠にも手伝ってもらっている。
「三船様、野菜切り終わりました。」
「了解、んじゃ次は肉を頼む」
「はい!」
と、料理をしていると…
「御使い様ーお腹空いたー!」
「御使い様ー!ご飯まだー?」
「御使い様ー。」
子供たちが我慢出来ずに厨房に入ってくる
「こらこら、お腹空いたのはわかったから、厨房には入っちゃダメだぞ?危ないからなー?」
「はーい。」
「出来るだけ早く持って行くからもう少し我慢しててくれるか?」
「わかったー!」
「ふふ、子供は元気ですね。」
「元気なのは良いことだ。さて、もうすぐ完成だぞ。」
「はい、頑張りましょう。」
そうして出来た料理を次々に大きなテーブルに置いていく。
「よし、みんな座って。それじゃ、手を合わせて…いただきます。」
「「いただきます」」
「ん…モグモグ…。」
「ガツガツ…」
「モグモグ…」
「どうだ?みんな、美味いか?」
「うん!凄く美味しい!」
「御使い様ってお料理も出来たんだね!」
「まぁ一通りはな。」
「わたし、御使い様に料理教えて欲しい。」
「もっと大きくなったらな?今はいっぱい食って、遊んで、勉強して、それを繰り返すだけだ。」
「はーい。」
「しかし、御使い様…私達まで…良いのでしょうか?」
「なに言ってるの。これから皆さんと一緒に運営していくんだよ?遠慮は無用さ。」
「でも、雇って頂いて、その上お食事まで…」
「だから、遠慮は無用。院長命令ね?」
「はい。」
「御使い様ー?お店はー?」
「ん?ああ、今日は休みにしたぞ?お前たちが来たからなー。」
「良かったの?」
「もちろん。良いか?お前たちは孫呉の将来を担うんだ、子供は宝なんだよ。」
「んー…よくわかんない…」
「まぁ、宝物のように大事ってことさ。」
「おれたち宝物なの?」
「おう。そうだぞー。」
子供たちの頭をグリグリと撫でる
「御使い様、力強いよー。」
「はは!悪かったな。」
子供たちはどこでも自分達の国の将来を担う宝だ。そういった子供たちが飢えていくのは見ていて悲しくなるし、寂しくなる。せめて、俺が関われる範囲の人達には幸せになって貰いたいと思うのは俺のエゴだろうな…。しかし、俺はこのワガママを通すし、叶えるつもりだ。どんなに金がかかろうと、子供たちが腹いっぱい食えるならいくらでも払ってやる。だから…
「お前ら、大きくなれよー。」
「おれ、御使い様より大きくなる!」
「ぼ、ぼくはお城で働きたい!」
「私はお花屋さん!」
僕も私もと夢を語ってくれる。学校の先生ってこんな感じなんだろうか…。この子達の将来が楽しみだし、幸せになって欲しい。それは俺の心からの願いだ。もっと子供が増えたら賑やかになるだろう…。まぁ孤児なんて居ないに越したことは無いが…。この戦乱の世ではそんな贅沢は言えない…みんな生きるのに精一杯だ。
そう思いながら、一緒に食事をし、一緒に遊び、一緒に風呂に入って、子供たちと寝るのだった。