(またしても)原作を知らないオリ主inキヴォトス 作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)
前回のあらすじ:もう我慢できないわ!あなた、実家に帰らせてもらいます
「あう……」
「…………変態です」
「良かれと思ったのにひどない?」
これはひどい。ガチでひどい。
二週間ぶりにキヴォトスへ帰還して、ドヤ顔で土産を差し出した結果がこれである。理不尽判定もいいとこだろ。
ユメは顔面真っ赤で視線が泳ぎっぱなし、ホシノは同じく真っ赤なままガン睨みロックオン。いや怖い怖い怖い。なんで俺が悪者なんだよ。
まあ原因は紙袋の中身なんだけどな。
言うてショッピングセンターのランジェリーショップ産だぞ? 裏ルートでもなんでもねえ。そんなドスケベ特化装備がある訳ねえだろ。せいぜい“ちょっと大人っぽい”くらいのデザインだ。
まあユメのブラパンセットのショーツは全部Tバッグだけどな。くくく……。
それなのにこの扱い。納得いかん。
つか横でアビドスマナイタがなんか言ってるわwwwww
お前はまず成長イベント終えて多少は育ってから発言しろ。言わんけど。俺は紳士だからな(重要)
まあせめてユメの半分……いや三分の一位は盛れてからにしてもろて。
「下着なんてどうでもいいんだよ。服だ服。サイズとかそっちのが大事だろ」
「これ本当に貰っていいんですか?」
「いいよ。全部合わせても20万いってねえし」
「そんなにするんですか!? 馬鹿じゃないですかシンさん」
「お前はもう少しオブラートに包むという概念を学べや。言葉のナイフは繊細な俺に効くんだぞ?」
「ふん……知りません」
「シンちゃんさん、ホシノちゃんは拗ねてるんですよっ。毎日“今日は来ないんですね……”って言ってましたからっ」
「ユメ先輩!? そんな訳ないじゃないですかっ、こんな無職の駄目男なんて……」
「そうそう。こいつがそんな殊勝な事思う訳ねーっしょwwww」
「そうかなぁ……」
「そうですよっ。誰がこんな能天気男なんて……朴念仁だし」
はいはいツンデレ乙。
テンプレすぎて逆に安心するわ。
とりあえずユニクロとGUとムラサキスポーツで見繕ったのは正解だったらしい。
北関東のイオン、盤石の布陣である。水戸内原まで行ったんやぞ。感謝せえ。
普段着、部屋着、ちょい外出用まで一通り揃えたし、JKが着そうなラインも押さえてある。
まあ服は本命。下着はおまけ。
ここ重要な。
いや本命はこれからだ。
「んじゃユメ、ホシノ、ちょっとこっちこい」
「「はい?」」
生徒会室の窓際へ誘導。
ここが一番校庭が一望できるポジションだ。
窓をガラッと開けて、ドヤ顔で外を指差す。
――トラック5台。
二人は無言でフリーズ。
いやリアクション薄くね? これのために帰ってきたんだが?
「とりあえずトラック5台な。これで荷運びは出来るだろ? ヘルメット共は襲撃したんか?」
「あ、はい……4回ほど襲いましたけど」
「心折れてた?」
「4回目は拠点に入っただけで戦意喪失してましたよっ」
おーい、見た目女児がエグいこと言ってるぞ~。
ユメ曰く、ホシノのブチ切れモードはガチで手が付けられないらしい。
人を蛮族とか言っといてニッコニコはエグいて。
うん、知ってる(実体験)。
まあでも仕込みは上々だな。完璧だわ。
「運送の方でクライアントになってくれそうなのはいたか?」
「はいっ! 工事関係の資材運びを半年更新でしてくれるそうです! これ契約書です。後はサインすればいいらしいです」
「ホシノ、チェックは?」
「はい。一応変な所は無かったですね」
「ううう……私も頑張ったもん……」
「おう偉い偉い」
「えへへっ、やりましたっ」
「ユメ先輩、そういうとこですよ」
ホシノが呆れてる。
なんつーかユメって大型犬っぽいんだよな。
しかもたまに暴走するハスキー系。
つい撫でくり回したくなる。
俺もざっくり契約書を確認。
……うん、問題なし。普通にまとも。
むしろ地球基準で言うと単価高いまであるな。
「んじゃホシノ、次に襲撃した時は何人かリーダー格をアビドスまで連行してこい」
「どうするんです?」
「お前がトラウマ植え付けただろ? そこに俺が優しく話しかける。“大変だったな、お前ら”ってな。衣食住に困ってるから不良やってんだろ? なら全部用意してやるって甘い言葉で釣る。で、運送業に投入。アビドスいいとこじゃんってなったら編入させて生徒数確保。これだ」
「あ、悪魔ですか……」
「何言ってんだよ。もうお前も共犯だぞ(笑)」
「ひどい!? やっぱり大人は悪辣ですねっ」
「馬鹿野郎。アビドスは詰んでるって自覚しろ。それにあいつら武器の扱いはまともだ。つまり護衛いらずで即戦力。一石二鳥だろ」
「うう……そうなんですけどぉ……」
そこで軽く数字を叩き込む。
借金9億、年利3%、返済期限を30年として月返済約400万。
契約書通りならトラック5台稼働で毎月の売上は最大1500万。
人件費500万引いても税金分を考慮した上で600万近く余剰。
ざっくりだが、十分戦えるライン。
「わかるか? 今後はバイトやめて拡張にリソース回せる。学校運営にも余裕が出る。支払い続けてる限りカイザーは合法的に手出しできない。その間に弱点探すんだよ」
「はい、確かに……でもシンさん、これだけ考えられるのに何で就活失敗したんですか?」
「お前を殺す」
「ふふっ……でもありがとうございます」
お、ホシノがデレた。
これはレア演出。
「ユメ、赤飯炊くか」
「ホシノちゃん可愛いですねっ」
「うがーーーー! やっぱりこの男は駄目男です!」
はい通常営業に戻ります。
偽新装開店イベントやめろや。
まあいい。
俺が駄目男なのは自覚してるしノーダメだ。
親が死んでメンタル崩壊して就活無理でした! なんて今更言う気もないしな。
黒歴史は墓まで持ってく。
今は元気にパチンカス兼個人投資家だ。人生なんとかなる(適当)。
「じゃ明日から実行な。ホシノが確保、俺が説得、アビドスに組み入れる。運送開始。法人化するかは税理士に相談しろ」
「はいっ! 希望が見えてきましたっ」
「ユメ、遺跡探索より安全で堅実だろ?」
「ひぃん……もう無茶しません……」
「問題はまだ山積みだけどな。とりあえず生活は立て直せる。頑張れ」
「あれ? シンさんは?」
「俺はサポート役。実務はお前らだ。あと俺の所属用意しといてくれ。顧問でも用務員でもいい」
「それはユメ先輩がやれば大丈夫だと思いますが……?」
「俺は先にミレニアムを見に行く。せっかくだし観光も兼ねて」
「まあシンさんなら死なないでしょうし」
「データセンターの可能性も探ってくるわ」
「お願いしますっ!」
「頼むなユメ」
「はぁい!」
元気でよろしい。
まあ物見遊山メインですがwww
中古とはいえハイエースも手に入れたしな。
アビドス以外の自治区も見て回るとしよう。
そんな感じで打ち合わせは終了。
その後、向こうで買ってきたメシを三人で囲んだ。
――なんだかんだで、悪くない時間だった。
とか思ってる自分がきっしょってなる。
キラキラしやがってこの野郎。
ヘルメット団だと? それは不良じゃない。人的リソースだろ。リクルートしなきゃ(使命感)