(またしても)原作を知らないオリ主inキヴォトス   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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「ユメ先輩、シンさんがミレニアムに行きま――――何してるんです?」
「あ、ホシノちゃん! 見て見て! シンちゃんさんに教えてもらったラーメンだよ!」
「ラーメンですか。柴関ラーメンに行けばいいのでは? って、うえっ!? ちょっとユメ先輩!? なんですかそのグロい塊は!?」
「グロくないよ。ミトのマツゴロウは神って言ってたもん!」
「だーかーらー! その内臓の塊掴んだままで言わないでください!?」

 冷たい太麺にあちあちの餡、甘めのソースは実際絶品である。
 スタミナラーメン、ご期待ください。


なるほどね(太腿を見て)

 前回のあらすじ:美甘ネルはいいぞ

 

 

 なんやかやあって夕方近く。15時過ぎに連絡が入り、件のセミナー会計の早瀬ユウカなるJKと会える事になったらしい。ネル経由の話で、受付で名乗れば案内してくれるとのことだ。という訳でミレニアムの校舎に来てみたんだが……デカい。とにかくデカい。見上げるだけで首が痛くなるレベルの建造物がいくつも連なり、ガラス張りの外壁が夕方の光を鈍く反射している。これ本当に学校か? と疑いたくなる規模だ。圧倒されつつも受付に声をかけると、すぐに担当が来るとのことだった。

 

「あの……伽賀(かが)さんですか?」

「はい。君が早瀬さん?」

「はいっ! 早瀬ユウカと申しますっ」

「…………」

「どうかされましたか……?」

「ああ、ごめん。キヴォトスに来て初めてまともに学生らしい学生に出会って逆に感動したわ……」

「ええっ!?」

 

 そらそうよ。干からびて死にかけのJK(ユメ)から始まり、怪力幼女(ホシノ)にヘルメット団と来ている。まともな基準がどんどん歪んでいく中で、目の前の彼女はあまりにも“普通”だった。いや、この世界基準で言えば普通かどうかも怪しいが、少なくとも会話が成立する時点で貴重だ。

 早瀬ユウカは薄藍色のセミロングをツインテール風にまとめ、制服も乱れなく着こなしている。仕草もきっちりしていて、受け答えも明瞭。真面目という言葉がそのまま人の形になったような印象だ。ただしスカートは短い。いやこの世界全体的に短いんだが。ネルもそうだったし、通りすがりの生徒も大体そんな感じだ。男の視線という概念が最初から考慮されていない説、わりと有力だな。

 そんな事をぼんやり考えているうちに、ビジター用のセキュリティタグを渡され、彼女に先導される形でエレベーターへと乗り込む。無機質な箱が静かに上昇し、やがて小さな会議室へと通された。

 

「ネル先輩からのご紹介との事ですが、改めて早瀬ユウカと申します」

「伽賀心太郎です。アビドス高等学校の用務員という立場ですが、それはあくまで便宜上で、実際は会計監査および経営コンサルが主な仕事になります。本日はその件で、数字に詳しいと聞いた早瀬さんにアドバイスを頂きたく伺いました」

「なるほど、理解しましたっ。今まで面識のない方でしたので少し戸惑ったんです」

「申し訳ない。なにせ今日の今日、美甘さんの紹介で決まった話でして」

「いえ構いませんよっ。ちょうど仕事もひと段落していたので、気分転換にもなりますしっ」

 

 癒やされる……。まともな受け答えが返ってくるだけでこんなにも心が安らぐとは思わなかった。しかも彼女は銃を携帯していない。これ重要だ。

 

「それで本日はどのようなご用件でしょうか?」

「はい、現在アドビス高校は――――」

「あ、大人の方との事ですので普段通りの喋り方で結構ですよ」

「ありがと。助かるわ」

「あっ、それが素の喋り方なんですねっ」

「そうそう。お仕事モード長く続かないのよ。本来無職だから」

「ええ!?」

 

 見事なリアクションである。そりゃ驚くか。だが事実なので仕方ない。投資はあくまで個人の範囲、企業を回しているわけでもなければ金融商品を売っているわけでもない。となれば肩書きとして名乗れる職業など存在しない。結果、無職。シンプルで分かりやすい。

 強いて言いうならパチンカス。日々「期待値を追いかけてます^^」とか言える訳がない。

 

 軽口はそこそこに本題へ移る。タブレットを取り出し、過去の帳簿データを表示して彼女へと差し出す。

 

「まずはこれを見てくれないか。アビドスの過去の帳簿だ。融資関連の部分をピックアップしてある」

「えっと……他校の資料を拝見しても?」

「問題ない。今さら隠す段階じゃないしな」

「分かりました……失礼します」

 

 彼女は一瞬だけこちらを見て頷き、すぐに視線をタブレットへと落とした。そこからの動きは早い。ページをスワイプし、時折止まり、また戻る。口の中で小さく数字を呟き、暗算しているのが分かる。指の動きに迷いがなく、視線も一定のリズムを保っている。

 これはただの優等生ではないな。数字処理に特化した思考回路を持っているタイプだ。

 うちの大学でも時折見かけた、速読に特化した奴特有の動きに似てる。

 

 十分ほどで彼女は顔を上げた。

 

「こちらの融資を受けた担当者はバカなんですかね!?」

「だよな。俺もそう思う」

「年利が異常です……正確には四十八・二%……あり得ません」

「やっぱそうなるか」

 

 結論は早い。だがその分、信頼もできる。

 

「それで……この件について法的な部分も含めて相談したい、と」

「そういうこと。俺はこっちの法律知らないからな」

「なるほど……」

 

 そこで一旦会話を区切り、自販機へ。戻ってきてから軽く間を置き、改めて本題の核心へ踏み込む。

 頭を冷やすのにワンクッション入れたかった。

 早瀬さんに案内してもらって良かったぜ

 だってどのエリアも景色が似てて、俺一人なら確実に迷子になったわ。

 そして見た事もない銘柄のエナドリを飲みながら、途中で買った「ミレニアム饅頭」を広げて早瀬さんと一服入れる。

 これうめえな!?

 

「で、もう一つ。これはビジネスの話だ」

「……はい」

「アビドスで現状、生徒会が自由に出来るエリアにデータセンターを建てる。ミレニアム専属で運用する事を前提としてな」

 

 彼女の目の色が変わった。

 

 距離、インフラ、土地の自由度、そして価格。条件を一つずつ提示していく。論理としては単純だが、成立した場合のリターンは大きい。

 俺が個人的に調べた範囲では、アビドスとミレニアムの間に跨る自治区には、全てミレニアムのインフラが通ってたのさ。

 なので接続も大袈裟な工事は必要ない。

 

「問題は資金だが――」

「無いんですよね」

「無い」

「断言しましたね……」

 

 だがそこも織り込み済みだ。土地を担保にし、ミレニアム側の金融リソースを引き出す。リスクはあるが、向こうにも利益はある。完全な無謀ではない。

 これも事前に調べたが、ミレニアムサイエンススクールに紐づいた銀行組織がいくつかあるのさ。

 

 説明を終え、彼女の反応を待つ。

 

 早瀬ユウカはしばらく無言で考え込み、やがて顔を上げた。

 

「……一度持ち帰らせてください」

「了解」

「私としては、前向きに検討したい内容です」

「そりゃありがたい」

「モモトーク、交換していただけますか?」

 

 その言葉に頷き、連絡先を交換する。

 

 そして翌日。

 

 連絡が来た。

 

 どうやらアビドスは――賭けに勝ったらしい。知らんけど。

  

 皮算用で済まないように動くしかない。

 ユメのケツを蹴り上げよう。




今回はAI校正なしで推敲も自分でやった。どうにか軽くしたいのに難しいですね。
プロンプトだけでページが埋め尽くされる。それだけでやらんと不具合出まくる。
仕事と違って趣味で使うと勝手が違うので難しい。
どうにか校正作業だけをきっちりやれるように詰めたいですな。
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