(またしても)原作を知らないオリ主inキヴォトス   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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前回が最後と言ったな? あれはウソだ。


JKに絆される恥知らずな無職がいるらしい

 

 前回のあらすじ:ユメパイに挟まれるホシノはちょっと迷惑そう 貧乳煽りだと気づけユメ

 

「…………すぴぃ」

「うーむ……おりゃ」

「!!! ~~~むにゃ」

「シンさん何やってるんですか!?」

 

 間の抜けた顔で昼寝しているユメの横に座り、観察していると、校舎の中に入った砂の掃除を終えたホシノが戻ってきた。

 寝ているJKを観察する大人……確かに不審者である。

 

 とは言えホシノもユメを雑に扱うのに慣れているのか、特に気にした様子もなく横に座った。

 というか床に直に正座して痛くないのか。

 

「何をしてたかと言えばヘイローを観察してたんよ。寝ると消えておもろっ。だからほっぺ突いて起こしてな。そうすっとニュッって出てくる。これが面白いんだわ」

「なるほど、ヘイローですか。ちきゅう? の人には無いんですよね」

「ないない。ヘイローってこっちじゃ宗教的な後光の事だからな。地球で大人気の宗教の聖人とか天使の絵やステンドグラスには大概背後にヘイローが描かれてる」

「はえ~私たちには当たり前ですから面白いですね。でもそれで何故ユメ先輩を見てたんです?」

「目的達成なら別にホシノでも良かったんだけどな。たまたまユメが寝てたから見てるだけで」

「目的ですか?」

 

「まああれよ。昨日街の方に行ってガソリン入れただろ?」

「はい」

「そんで買い物もしてよ。そしたらいちいちヘイローが無い件で突っ込まれて面倒臭かったからな。そこで! こうしてみる訳」

 

 横に置いてあったアルミホイルをくるくると丸め、捩じって頭にシャキーンと装着する。

 疑似ヘイロー。中々じゃね?

 

「どうよ?」

「~~~~~~~~~~っ!!!」

 

 ホシノよ。

 声も出ないほど笑うんじゃねえ。

 バンバン床を叩くな。普通に腹立つぞ。

 

「駄目か」

「駄目に決まってるでしょ。これだから頭ユメ先輩なんですよ」

「お前それ一番傷つく蔑称だろ」

「その言い方の方が酷いと思います」

「じゃあユメの呼び方をもう少しマイルドにしつつ、しっかり蔑称な新ワード考えようぜ」

「いいですね。例えばどんなの思いつきます?」

 

「そうだなあ。やっぱアビドス自治区の生徒会長と、本来は偉いはずなのに実際はコレって所を着想に――――アビドスミドリチチデカポンなんてどうだ? ポンはポンコツのポンな」

「~~~~~~っ!!!」

 

 まただよ。

 笑い過ぎだろホシノくん。

 

 お前の大好きな先輩だぞ。

 

 まあしかし、アルミホイル製ヘイローは却下である。

 今度地球に戻ったらドンキかヴィレバンでそれっぽい物を探すか。

 

「ううう……ホシノちゃんもシンちゃんさんも酷いよ……」

「あ、起きてやがった」

「ユメ先輩聞いてください。この人が先輩に酷い事言いましたよ」

「てめえ……梯子外すんじゃねえよ。アビドスマナイタ」

「むっ、それを言ったら戦争ですよ!?」

「はっ! 俺に罪があるとするなら事実陳列罪だぜ?」

「あ?」

「お?」

「二人仲良すぎないかなあ?」

「「良くない!(ねえ!)」」

「ひぃん!? 声揃ってるしやっぱり仲いいんじゃ……?」

 

「これだからアビドスミドリチチデカポンって言われんだよ……」

「ホントですよ。ユメ先輩は反省してくださいね」

「なんでえ!?」

 

 知らん。

 お前はオチ担当で定着しただけである。

 

「それにしてもよぉ。9億なんて借金どうすんだよマジで」

「ですよねえ……」

「だったら遺跡に――――」

「ユメは余計な事すんな」

「あう……」

 

「俺は頭あんまよくねえけどよ、とりあえず帳簿とかあったら見せてみろよ」

「あ、はい、わかりました」

 

 そう言ってユメとホシノは生徒会室に案内してくれた。

 一応俺、大学では経済を学んではいたからな。

 

 就活失敗しているが。

 

「うーん、主要な土地はカイザーコーポーレーションに権利取られてるのな。唯一高校とその周囲のエリアが無事と。まあ詰みだな」

「だよねえ……こんな風にして逃げた先輩たちが恨めしいよ」

「ごめんねホシノちゃん……」

「ユメ先輩は悪くないでしょ。押し付けられただけなのに」

「そうだけど、ね……」

 

 ざっと見た限り、アルバイトでどうにか入金はしているが、元本はほとんど減っていない。

 強制執行されないラインで延々と返済している状態である。

 

 ……いや、待てよ。

 

「スマホ弄ってどうしたの?」

「計算機」

「うん?」

 

 これはチェックが必要だろ。

 ユメが入学する前だが、借金が膨れたタイミングの前後を計算すると、年利が五割近くになっている。

 

 契約したやつ誰だよ。

 

 その後、カイザーが抵当権をタテに土地を奪った段階で年利八%に戻している。

 

「うーん……」

「シンちゃんさん何かわかりましたかぁ?」

「いや俺プロの金融マンでも弁護士でもねえから断言はできんが、キヴォトスの法律が分からんから何とも言えんが……うーん……」

「どういう事ですか?」

 

「ホシノ、俺の住んでる国にはな、出資法と利息制限法って法律がある。ざっくり言うと前者は貸金のルール、後者は利息の上限だ。それで言えば、日本じゃ基本的に最大でも年15%までなんだ」

「なるほど……シンさん頭ユメパイセンって言ってごめんなさい」

「ええんやで」

「酷いよ二人とも!?」

 

「で、ここだ。4年前前後の融資を見てみろ。既存の借金が破綻しかけたタイミングで、カイザーが再融資を持ちかけてる」

 

 問題はその中身である。

 

「返済履歴を見る限り、恐らく年利47%前後で貸し付けてる。その上で抵当権付きの土地を回収してる。つまり最初から土地狙いだな」

 

「後はこの学校の土地を押さえれば終わりだ。返済を飛ばせば即強制執行に来るだろう。一括返済なんて不可能と分かってるからな」

 

「「~~~~~~~っ!!!!!!!」」

 

 現状、土地の大半をカイザーに握られている。

 つまり自治区の実質的な支配者はカイザーである。

 

「だからまあ、法律のプロを入れて精査するべきだな。違法性があれば話は変わる」

 

「それが認められれば、日本基準なら刑事事件レベルだ。企業としても大ダメージになるし、抵当権そのものが無効になる可能性もある」

 

「ただしそれは日本の話だ。キヴォトスの法体系は別だから、まずはそこからだな」

 

「ま、お兄さんその手の学科にいた癖に就活失敗してるけどな!」

「駄目じゃん……やはり頭ユメ先輩ですね」

「黙れアビドスマナイタ」

「なにをー!」

「け、喧嘩しないでぇ~」

 

「法テラスみたいな相談先ないんか?」

「うーん……ミレニアムサイエンススクールとかならあるかも?」

「ミレニアム?」

 

 ホシノの説明によると、キヴォトスの三大自治区の一つで、科学技術に特化した頭脳集団らしい。

 なら法律家がいてもおかしくない。

 

 ……なるほどな。

 

「ふと思ったんだがよ」

「なに?」

「そんなハイテク都市なら、データセンター需要エグいだろ。ならアビドスの残りの土地でデータセンター作って、使用料で稼ぐ手もある」

 

「ほんと!?」

「そうなんですか!?」

 

「皮算用だがな。ミレニアムに使わせる前提で融資を引き出す。担保は土地。最悪取られても痛くない範囲でな」

 

「それでミレニアムと利害関係を作れば、防衛面でも法律面でも後ろ盾になる可能性がある」

 

「要するにだ。借金増やしてでもワンチャン取りに行くか、今のまま詰むかの二択だ」

 

「「…………」」

 

 そして次の瞬間。

 

 号泣したアビドスミドリチチデカポンとアビドスマナイタに飛びかかられた。

 

 だから言っただろう。

 捕らぬ狸の皮算用だと。

 これでトチって土地全部なくなったら草である。

 知らんけど。




ごめん、プロローグもう一話あったわ。
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