(またしても)原作を知らないオリ主inキヴォトス 作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)
前回のあらすじ:たまには無双もするんだよ 男の子だもの
「やっぱ日本だよな……」
1週間ぶりに自宅でカップ麺を啜る俺。
これでいいんだよ感がエグい。脳が「帰ってきた」って言ってる。
空気感っていうの? そういうのあると思う。
あっちは空気が澄み過ぎてる。
つくば市郊外、畑の横に建つ小奇麗なアパート。
間取りは1LDK。本来ワンルームで良いのに、オーナーが「土地遊ばせるくらいなら」ってノリで建てたのか、やたら広い。商売っ気ゼロだよな。
リビング12畳、寝室も12畳。キッチンもデカいし風呂も広い。
これで家賃8万はバグ。地方って神よな。
なお家具はスカスカな模様。生活感、まるでなし。
強いて言うなら、寝室のPC2台がそれぞれ200万弱のバケモンスペックってくらい。
片方がメイン、もう片方は分析用にAIを走らせる用。
要は副業の投資運用設備。パチンカスの裏の顔、草。
じゃなきゃこんな生活してねえ。
大学2年のときに両親が事故で死んで、保険金と相続でまとまった金が入ってきた。
父方の財産こんなあったのって二度見したもんな。
で、扱いに困って投資に突っ込んだってわけ。
結構リスクの高い草コインとかも手ェ出したわ。
結果、パチンカス(表)+個人投資家(裏)とかいうよく分からん生き物が爆誕した。
「それにしてもキヴォトスかぁ……マジであるんだな、異世界」
シーフードヌードルのスープまで完飲してからぼやく。
昨日までいたんだよな、アビドス高校。
砂漠の端っこに突然出現する立地。
そしてユメとホシノ。
見た目JK、中身バトル民族、頭にヘイロー付き。
頑丈すぎて銃で撃たれても死なないとかいう、設定盛りすぎ世界。
今の俺が言うなって話だが。
なのに借金9億。バランスどうなってんだよ神サマ。
関係ないのに口出しちまった。
まあ成り行きだけど、放っとけなかったのは事実。
案外俺も孤独な生活に参ってたのかね?
知らんけど。
そんで6日経たないと向こうに行けない制限付き。
任意往復不可とか、ゲーム的にはナーフ食らってる感あるけど、まあバランス調整ってやつか。
俺にはわかんねえ世界観だぜ。
あと向こうからは来れないっぽい。片道切符仕様。
『そう言うこった!』
「うるせえな……誰だよ。黙ってろ」
幻聴か神のツッコミか知らんが無視。
とりあえず、乗りかかった船だ。
中途半端に放置はナシ。母ちゃんにあの世で怒られるわ。
アパートの維持に関しては家賃も固定費もカード払いで回る。
問題なし。
まあ向こう行ってる間は水道やガスの元栓は閉める位はするが。
「んじゃ買い出し行くか……」
と思ったらスマホが震えた。
「ん? 電話……ケンジか。おうどした~?」
『どうしたじゃねえよ。さっきライン見たけどマジで言ってんのか? 4トン平ボデクレーン付き4台買うって』
「おう。海外案件」
安定の雑設定で押し切る。
偏差値高い人間の集まりだと割と圧縮言語で通じるわね。
理Ⅲの奴らは別の生き物だと思うが。
『送り先どこだよ』
「米国。牧場内の重機扱い。輸出は練馬の業者がやるから、お前は名義と車両だけ用意しとけ」
完全にそれっぽい嘘で固める。
まあ古い日本車を欲しがる米国人は実際多いしな。
軽トラとかジムニーとかが特に。
『……まあ在庫処分になるし助かるが』
「だろ?」
『ちなみに11トンのクレーン付きもあるぞ。むしろそっちを売りたいんだが』
「一緒に持って来られるなら別にいいぞ。10日以内に揃うなら買う」
『マジかよ!? 中型500、大型750だぞ』
「いいよ。届いたら全額振込」
『神かよお前……』
テンション上がってて草。
在庫抱えて処分出来ないのが一番キツいわな。
レアアース不足で部品が足りないから中古市場が盛り上がるのは道理だが。
そうは言っても大型トラックはニッチだわな。
「そうだ、あとハイエースかキャラバンある?」
『ある。スーパーGLで色は黒、2年落ち4万キロ。350、いやお前なら300でいいわ』
「抱き合わせ販売ウマーってか。まあいい。それもくれ」
即決。
どうせ向こうで使う。軽トラじゃ足りん。
今回はスーパーキャリイちゃんはお休みで。
『じゃ手続き回すわ。車検は抜いとくぞ』
「なんで?」
『輸出なら仮ナンで動かせる。無駄金カット』
「有能。任せた」
『あとで書類取りに人行かせる』
「了解。都度都度ラインくれや」
『おっけ。んじゃな。年末飲もうや』
「おう」
通話終了。
東大時代のゼミ仲間、ケンジ。
今は所沢で中古車販売と修理業をやってる。こういう時マジで便利。
持つべきものは友人ってな。
結果、4トントラック4+大型1で全部クレーン付き。
そんでハイエース。
完全に業者で草。
「まあいいか。どうせ向こうで使うしな……」
ランクルもアリだったが、即戦力ならハイエース。
積載、汎用性、改造自由度。
実際ランクルは見た目よりも中は割とそこまで広くない印象だしな。
あれ? それハイラックスか?
まあいい。
たぶんハイエースで正解だろ。
――翌日。
「ええ、こちらのタイプならシンデレラバストでもフィットして浮きませんよ~」
(……俺、何してんだ?)
大型商業施設、ランジェリーショップ。
俺は笑顔でプレゼンしてくる女店員の前でフリーズしている。
発端はユメ。
服買ってきてやるわって言ったら、なぜかブラのサイズまでメモして渡してきた。
あいつらあんま物持ちじゃねえから善意で言ったんだよ。
こっちは服安いし。
でもこれは天然なユメの無意識テロだろ。
ホシノは顔真っ赤で首絞めてた。
そりゃそう。
見た目は女児でも女の子やぞ。
で、俺は今ここにいる。なぜ。
普段着、部屋着って事でユニクロやアウトドア系アパレル、スポーツ用品店を一通り爆買い。
その時点で虚無ゲージ満タン。
世のお父さんが娘の服買う? 買わんでしょ。
パパきっもwwwで終わるぞ。
なのにスイッチ入った。
途中で「なんで俺こんなんしてるの?」ってネガったからだ。
「もういいわ。下着も全部買ったるわ」
そんな風にキチゲ解放。
店員にサイズと予算投げて、各5セット寄こせと。
で、問題発生。
ホシノのサイズ、AA。
一般ブラ不可。スポブラ寄り+おしゃれ系で提案される。
俺、無言。
店員、察し顔。
「……じゃあお姉さん基準でエロいの上から5つ」
「かしこまりました♡」
もう終わりだよこの会話。
でもまあ、せっかくだしな。
どうせならちゃんとしたの着せてやりたいし。
……などと正当化しつつ、心は虚無。
「あとはヴィレバン寄ってカルディ寄って……」
時計を見る。
夕方どころか夜。
「……買い物ってこんな疲れるもんだっけ」
結論:精神ダメージがデカい。
なんかもうね、うん……とりま山岡家行ってドカ食いしよ。
特味噌ネギチャーシュー麺の大盛りにほうれんそうとコロチャートッピング。
後はライスと餃子。
ライスには豆板醤塗り付けて野獣食い。
ストレス溜まったら牛久の山岡家ってそれ一番言われてるから。