ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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ジャターユ

かねてより切望されていた。金星機(マクスウェル)の新造機。

それがギル教授のおかげで、なんとなく設計図は引けた。しかし、俺は頭を悩ませている事がある。

 

「ジャターユ…………完全にパクったよなぁ…………」

 

俺が一目見た設計図を、そのまま引っ張って来たのだが、理論的な事はさっぱりだったので、ギル教授の所で学びなおした。

足りない理論の部分を補強して、俺の手でなんとなく作った、完全なるパクリ。

 

「データベースにはどこにも載っていなかった、だから、これは俺の手で作った…………言い訳も凄いぞ」

 

と言うか、完全なるパクリと言うのは、俺は避けている傾向にある。

俺の好きだった、人型兵器をお手本にして、それに少し俺の味付けを加えて、改造機としてお出しする。それが最近の常だったのだが。

 

「……………なーんでアイツは、こんなもの知ってたんだろうな」

 

流石にメジャーとは言えない、聖戦士ダン〇イン。主人公が乗り替えた機体であるビ〇バイン。

よくよく考えてみれば、俺の他にロボットアニメに詳しい奴が居なかった。…………welcome to underground、とか、全員抱いたぜー。とか、数多のネットミームは残っていたのにも関わらずだ。

 

「あんまり、こういう事考えたくないんだけどなぁ」

 

……………この世界はゲームの世界だ。それも、ロボット学園ギャルゲーとか言う物で。後、俺はもう1作しか知らない。

 

しかし、GC、ガイアクロウラーとか言う物が存在している以上、ここまでの歴史の中でロボットが存在し、そして、それが戦争に使われたという歴史は確定している。

例えば、ロボットが活躍する戦争中に、現実味の有る無しを差し置いて、ロボット物の文化が邪魔であり、焚書指定とかされたのではないだろうか?

 

それであれば、脈々と、焚書を逃れた一族とかが居て、その知識を持つ者が居てもおかしくないのか?

 

「アレはそう言う奴なんだろうか?」

 

ドックの中で愚痴を吐くが、どこにも響かない。

 

ゲーム的に考えて、過度なパロディはご法度である。

伏字だらけであれば、ニッチな人間を喜ばすだけで、一般ピープルには伝わらない。アニメ化決定して、ちょこちょことSNSでネタバレを喰らう程度には有名な奴であれば猶更だ。

 

だから、外伝作品とか、どこぞの特典小冊子とかに出て来る奴なのかもしれない。

 

「だー!!止め止め!!こんな事考えてもしょうがねえよ!」

 

結局の所、俺はこの世界にない、ロボアニだのロボゲーだのをちょこっと改変するのは良いが、この世界に居た人間の物をパクって出すのは許せない、そんな自己矛盾を抱えて居ただけだった。

 

それに、今回作ったジャターユ。あの女の設計通りにやれば、SEの防御性能を貫通して、コクピットに当たろう物なら死ぬ。そんな機体を俺は、そのパワーを推進に転換して、可動性、運動性を、火星機(リーチャー)レベルに引き上げた機体にした。

 

だから、完全なるパクリじゃない。って言うのは、俺の弱さで俺の汚い所なのだろう。

 

あと、付け加えて言うのであれば、俺はもうここで生きている、前世だゲームだなんて考えて、今ある人生を棒に振るなどやりたくないのだ。

 

 

そんな思案に耽っていると、ドックの入り口から、声が聞こえた。

 

「太一居るかー?」

 

「おじゃまー」

 

「おう、2人とも、ここだー」

 

返事をして、イルシアと流星が来るのを待つ。

 

「話って何?」

 

金星機(マクスウェル)の改造…………と言うか新造機だな、その設計図が完成した」

 

2人にそう言うと、2人とも軽く驚いた。

 

「本当に!?

 

「おお!って、イルシアは大丈夫なのか?」

 

流星の耳にも、イルシアの金星機(マクスウェル)は祖父の引継ぎ物だと聞いているようだ。

 

「うん、もう迷わない」

 

「迷う必要もないぞ」

 

そう言って、俺は、そのホログラムを出す。

 

「ジャターユだ」

 

全長は10mちょっと、木星機(ヴァリアブル)1機ほどの大きさに相成った。

カプセル状の本体と、猛禽を思わせるような脚と、翼のようなマントのような背部のバックパック。実体剣に、バックパックから伸びたビーム砲。

 

「……………もしかしてこれって」

 

「ああ、そのカプセル形状の外皮の内側には、これまでのイルシアのコクピットが詰まっている」

 

俺は、新造とは言えずとも、これまでのイルシアの歩みを否定したくなかった。パーツ取りにイルシアの金星機(マクスウェル)を使ってもよかったし、新造した方が楽だった。

 

それでもと、俺はギル教授の協力を得て、これを改造機として召喚した。

 

「それでも、流石に、動力部とかは変えたけどな」

 

「ううん、ありがとう!」

 

「俺からもありがとう太一!よかったなイルシア!」

 

涙ながらに、俺に礼を言ってくれたイルシアの姿に、俺は、すこし目頭が熱くなってきた。

 

「それでだ!」

 

「わっ!?急に何!?」

 

「流星を呼んだのは他でもない、これで、ほぼ全ての改造機の設計図が出そろったからだ!!」

 

「ほ、本当か!?あ、これたぶんテレ隠しだから気にしなくていいよ?

 

「そこ!聞こえているぞ!!」

 

「あはは、顔真っ赤だ」

 

「皆の了承は済んでいるし、後は流星のGOサインだけだ、順番、よく考えてくれよ」

 

「分かった!じゃあ、実際にシミュレーター回してみないと分からないなぁ…………なんて」

 

「こうなる事が分かってたから俺は今まで皆に紹介した時に、流星を呼ばなかったんだ」

 

「何っ!?もう、皆知っていたのか!?」

 

その話を聞いて、イルシアは納得したように頷いた。

 

「じゃあ行ってこい。よりどりみどりだぜ!」

 

「うおおおおお!!」

 

「あっ!?私が先だよ!!」

 

騒がしくも、楽しい時間が過ぎていく、俺の憂鬱など洗い流して。

 

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