ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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依頼強化月間

「太一が大体全員の設計図を完成させたという訳で、俺達は、依頼強化月間に入ります」

 

「おお~」

 

 流星がそう言ったのは、流星に改造機の設計図を見せた次の日の事だった。

 依頼強化月間とは、流星が勝手に名付けたもので、今月はとにかく依頼を受けて金を稼ぎましょう程度の物だ。

 

「でも、改造しながら整備もしてって、たいっちの負担がおっきくない?」

「心配だよ~?」

 

「いつもの事だろ? いや、これは冗談だ。正直これは俺からもお願いしたいんだ」

 

 俺の身を案じたゼリアとピールにキツめの冗談を飛ばしたら、凄い顔をされたので慌てて訂正した。

 

「太一がそのような事を言うなんて、一体どういう事だ?」

 

「ああ、金の問題もさることながら、俺が欲しいのは、企業からの反応と、依頼を使った試運転期間が欲しいんだよ」

 

 生徒会戦のデスマーチ期間はそれはもう酷い物だった。依頼を受けながら機体を改造、修理、調達をするのはかなりきつかったし、一番きつかったのは企業からの白い目だ。

 実のところ、無名の改造機を持ち込みながら作業するのは、あまり歓迎されない。

 

 採用面接で服装自由とか言っておいて、まあどうせスーツで来るよね? みたいなものだ、一応、建前では、企業や政府は依頼に関して、実力があれば良いとは言っているが、キワモノを持ってくればいい顔はしない。

 

 それに、服装くらいなら、十分に目を瞑ってくれるが、依頼で宇宙に行く時に、妙な奴を持ち込まれて死んだとあれば、企業や政府と言えど相手は人だ、目覚めなど悪くなるに決まっている。

 

「なるほど、つまり、普通の星進隊(プロトン)みたいな活動をした上で、改造機を作りたいと言う事ですね!」

 

「そう言う事さ! …………泣けるぜ」

 

 アリアのいう事に同意しながら、俺は遠い目をしていた。

 ミーシャが綿密なスケジュール調整もしてくれるし、コルデーに何でもかんでも物引っ張ってこいとか言わなくても済むし、フィッティング作業をすっ飛ばして、お前らがこの機体に合わせろ! とか無茶苦茶な事言わなくて済む!!

 

「ははは、これが普通の星進隊(プロトン)活動なんだな」

 

「流星…………お前は、もう少し周りを見た方が良いぞ?」

 

 星進隊(プロトン)がこんなのだったら、もっと周りはカリカリしている。本来なら、在籍している4年、若しくは5年間でゆっくり成長させていく物で、部活も並行して行ってくような温度感だ。

 

 だけど、そんな流星の発言に少し、空気が弛緩して少し微笑ましい空気になっていた。

 そして、その流れを切るように、コルデーが俺に話しかけて来た。

 

「そう言えば、土星機(シャニヌス)もネルの天海冥機デスウラヌスも改造してないじゃないっスか?」

 

「してないぞー」

 

 コルデーの言葉に合わせてネルが、両手を上げて横に傾きながらそう言った。

 

「そもそもシャニヌスは、数を揃えるのが優先事項だし、ネルは俺の手に負えないし?」

 

 負えない事も無いのだが、まあ、どうせなら親父にでも教わりながら改造するのが一番安全だろう。

 

「それに…………ああ、いや何でもない」

 

「?」

 

 俺が伝えようとした事を、俺は寸での所で飲み込んだ。別に今じゃなくていいだろうし。

 

「太一さんが言葉を濁すと…………俄然興味が沸いてきましたね」

 

「アリア、俺もうっかりしてたんだ」

 

「俺も気になるな、どうしたんだ?」

 

「…………地球機(ゲイザー)だけ、まだ改造案を出してない」

 

「あー!! そうだよ! 俺の改造機! 太一ならめちゃくちゃかっこよくて強いの作ってくれるって思ってたけど、地球機(ゲイザー)だけ無いじゃん!!」

 

「揺らすな揺らすな…………正直、難航はしている。ここまで来たら改造機っていうより新造機になるしなぁ」

 

「新造機!? 最高って事じゃないか!?」

 

「それは良く分からん、だけど、皆の改造機を叩き台にしてからお前のは作ろうと思ってるから」

 

「…………それって私達のは実験機って事?」

 

「そう言うんじゃないけど、その側面もあるってだけだ。それに、性能に関しては俺の出来る範囲で手は抜かないぞ?」

 

「でも、地球機(ゲイザー)の改造って、そこまで大変なイメージがありませんわよ?」

 

「今回の改造機、ピースにはビームを偏光する水星機(ヘルメス)の技術、ジャターユには変形の木星機(ヴァリアブル)の技術、スピカには無人随伴機に土星機(シャニヌス)の技術、ヘルヴェティにはシールドに土星機(シャニヌス)、基礎の部分にはマーズゲイザーとも呼べる地球機(ゲイザー)の技術が入ってて、それぞれに特徴がある分、逆に別惑星の技術1つだけなら十二分なんだが、地球機(ゲイザー)に関しては、素体の癖の少なさも相まって、何色にも染まっちまうから逆に大変なんだよなぁ」

 

「め、めちゃくちゃ早口だ…………」

 

 そんな事を言いながら、俺達は、依頼を受けまくる事に決めたのだった。

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