ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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火星到着

 俺達は、火星に行く航路上のデブリを破壊し、安全に火星の公宙にまで到着した。

 段々と大きく見える火星。既に、惑星表面を観察できる位の距離に近づいている。

 

 実物を初めて見た火星は、テラフォーミング後の環境、前世のような茶褐色のような色ではなく、緑が広がっている所がちらほらと存在した。

 

 テラフォーミングと言ってもGさんが居る訳ではない。地道に地道に環境を変えた結果だ。

 

 程なくして火星の大地へ降り立った俺達は、その景色をじっと見つめていた。

 降り立った大地は砂漠化している、だが遠くの方には、洋式の教会建築が立ち並び、着陸地点からでも分かるほど、人々の活気があふれている。

 別の方向を見ると、緑地が溢れており、農耕が盛んに行われているようだ。

 

 その光景を前に、ベローナは俺達の前に来てこう言った。

 

「ようこそ火星へ、燃える祈りと暖かな願いをかき集めた、そんな星の姿だ」

 

 いつの日か、極東で俺が語ったような言葉を、悪戯っぽい笑みで言ったベローナだった。

 

 俺達は、その言葉に微笑みながら、火星の次の目的地へと足を運ぶ。

 着陸地点では、依頼相手が用意した係員が待っており、用意された足で依頼相手の元へ向かった。

 

 ごついクロスカントリーカーで、遠くの方に見えた教会の方へ向かう事になった。

 道中は、あまり道が整備されておらず、クロスカントリーカーで移動するのも納得の道だった。

 

 その道中で、俺はベローナに質問した。

 

「そう言えば、パレード護衛って言ってたけど、なんのパレードなんだ?」

 

「パレードと言っても、色々あるのだが、今回は教会系のパレードだな」

 

 そう言って、ベローナは話を少し切り替えて、火星教義の始まりを語り始めた。

 

「その昔、火星が今ほど居住地が無く、テラフォーミングが進む前火星人類が地下コロニーに住んでいた頃の話だ。その頃には、まだ地下コロニーの間を自由に行き来できず、それぞれの地下コロニー同士で通信しながらテラフォーミングを続けていた。

 

 当たり前だが、入植者は全て地球出身、今でこそ、惑星間での通信も出来るようになったが、当時はそんな技術は無い、多くの人間がホームシックになったという話だ。

 そこで1人の男が立ち上がった。その男は、人型の機械を作って中に搭乗して、火星表層から、各地下コロニーを渡り歩き始めた。

 人々はその男を嘲笑した、顔を見るだけなら通信越しで良いと。しかし、その男は意に介さず笑いながら人型の機械に乗りコロニーを転々と移り、顔を見せて少し話す、そんな事を繰り返した。

 

 非難すら浴びる中、その男に「何故このような事をするのか」と問うた者が居た。

 男は答えた「このような時だからこそ、人の温もりが必要なのさ」

 

 男の活動範囲が広がるうちに、人々に少しずつ変化が起こった、男を歓迎しなかったコロニーも段々絆されて、男を歓迎する様になる。

 

 ある者が問う「何故人型にしたのか? そんな技術があるなら飛行機でもよかったじゃないか?」と。

 男は答えた「人型でなければ、君たちに親しまれる事は無かっただろう。それに、やっと会えた君たちに手を振っても気が付かないのは、寂しいじゃないか」

 

 そうして、火星は加速度的にテラフォーミングが進んだ、人々と現実に触れ合う為に。

 そんな、1人の男の心意気を忘れぬように」

 

 ベローナの話を黙って聞いていた俺達、実際に火星教義の始まりを聞いたのは初めてだった。

 その話を聞いて、流星が口を開いた。

 

「寂しい…………か、昔の人も寂しいのは嫌だったんだな。確かに、通信越しじゃ味気ないか」

 

「コロニーと言った閉鎖空間では、同じ顔を見るのも嫌になってきますわ。誰かと会いたい、それだけで価値ある意識だと思いますの」

 

 メリルが流星に同調する様にそう言った。

 

「そう、だから、年に1回火星機(リーチャー)で星中を練り歩くイベント、火星パレードがある。まあ、今では宗教行事っていうより、火星教会(プレイスター)のコンペや技術公開の面が大きい。そこまで厳格な式典じゃないから安心してくれ」

 

 なるほどね、火星中を練り歩くイベントがあるからこそ、火星機(リーチャー)はフレーム思想が採用され、強い足腰を求めた結果、強い骨格に行きついたのか。

 地球機(ゲイザー)程じゃないが整備性も良いし、いい場所に進化していった様だ。

 

「なんか、護衛っていうより、イベントスタッフみたいな感じだな」

 

「ははは、そんな感じで居ても大丈夫だ、こんな一大イベントに襲撃する方がオカシイ」

 

「それフラグだぞ?」

 

 ベローナが変なフラグを立てながら、車は依頼主の所に到着したのだった。

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