ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

106 / 106
マルス

依頼主の場所に到着した、その瞬間、ベローナは驚きの声を上げた。

 

「おっ!?お父さん!?」

 

「久しぶり、ベローナ」

 

お父さんと呼ばれ、返事をした男性を見ると、質素な神父服(火星教義に乗っ取れば()()()なのだろうか?)を着ていた中肉中背の中年男性だった。

 

「どうしてここに!?」

 

「護衛に参加している星進隊(プロトン)を見たら、もしかしてと思ってね、無理言ってお邪魔させてもらったんだ」

 

柔和な笑みを浮かべながら、近づいてベローナの手を握る男。

親子との交流も軽いハグ1つで終わらせて、俺達に向き直って自己紹介してくれた。

 

「初めまして、ベローナの父、マルスです。娘がお世話になっているそうで」

 

「いえ、こちらこそ、色々ベローナには世話になってます。あ、俺はオウムアムアのチームリーダー真壁流星です、今日はよろしくお願いします」

 

流星が頭を下げながらそう答え、マルスさんと握手を交わした。

…………マルスさんが、左手をすんなりと出してきた所に、親の愛情を感じる。やっぱり、壁があったのはベローナの方なのか。

 

帰りづらいと夏休み前のベローナが言っていた言葉を思い出していると、マルスさんが俺達にだけ聞こえるように囁いた。

 

「実は、私はここに居ない事になっているんだ。名残惜しいが、私はこれで失礼するよ。ベローナ、久しぶりに会えてうれしかったよ」

 

「はい、私も。お父さん、お母さんにもよろしく伝えて」

 

ベローナがそう言うと、マルスさんは分かったと短く答える。そして、この場を去ろうと歩くマルスさんだったが、ふと歩みを止めてこう言った。

 

「そう言えば、整備科(メカニック)の人たちが見えないね、ベローナの火星機(リーチャー)を修理してくれたみたいだから直接礼を言いたかったんだが」

 

「あ、俺です。太一って言います。別に、当たり前のことしただけなんで、気持ちだけ受け取っときます」

 

そう言うと、マルスさんは目を丸くした。そして、思わず口をついて出たように呟くマルスさん。

 

「他の整備科(メカニック)は?」

 

「えと、俺一人ですけど?」

 

「ああ、修理委託したんだね、娘を説得してくれてありがとう。やっぱり若い人たちじゃないと影響されないのかなぁ…………なんて」

 

「んん?俺一人で直しましたけど?委託してないですよ?」

 

「?」

 

「?」

 

まるで宇宙猫のように俺を見つめるマルスさん。何かおかしい事を言ったのだろうか?

ローディングが終わったように、俺を見つめてマルスさんは呟いた。

 

「やっぱり、極東の人って技術力ある人多いのかな?」

 

「ピンキリで一芸特化って感じもしますけど…………極東出身の良いメカニックにでも出会ったんですか?」

 

そう言うと、マルスさんは頭を振って再起動したように、俺に説明する。

 

「ああ、実はね。前に火星教会(プレイスター)のSEに修理委託出したんだけど、そこに極東出身の女の子が居てね。もしかして、知り合いだったりするのかな?それなら納得なんだけど」

 

「へえ、なんて名前でした?」

 

ちょっとした興味で聞いてみたのだが、それが不味かったのかもしれない。

 

 

 

「エドワウ・バジーナって名乗ってたよ。記憶が定かじゃないけど、確か修理委託したのは土星の企業だった気がするね」

 

 

 

好奇心は猫を殺す。なんか考えたくない一件が、俺から掘り返してしまったのである

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

異世界でカドショ開いたけど、常連客がヤバいヤツばっか(作者:イカド)(オリジナルファンタジー/日常)

異世界にカードゲームがあったので、カドショ店長になった。▼魔物倒したりダンジョンを攻略する冒険者の話を聞きながら、のんびりカードをしばければ俺はそれで良かったんだ。▼だけどなんで俺の店にやってくるのはSランクの冒険者だの、一国の王女だの、竜王だの、魔神だの、ヤバいヤツしかいねえんだ。▼やめろ、俺の店で世界の興亡に関わる話をするんじゃない、俺をこんな奴らの元締…


総合評価:3272/評価:7.92/連載:7話/更新日時:2026年04月03日(金) 07:03 小説情報

(ガワだけ)胡乱なカードゲームおじさん(作者:十田心也)(オリジナル現代/冒険・バトル)

【バトルワールド】▼それはただのカードゲームに非ず▼それは世界中の人々を熱狂に導き、いまだ醒まさせない▼ある国では1枚のカードを手に入れるため、世界有数の富豪が一文無しになり都市が壊滅した▼またある国では、そのカードゲームが最も強い者が皆を率いるリーダーとなった▼長年争っていた両国が、1回のカードゲームの勝負で終戦に合意したこともある▼カードゲームの枠を超え…


総合評価:3440/評価:8.21/連載:21話/更新日時:2026年07月01日(水) 18:30 小説情報

底辺退魔師、ボロボロの魔法少女を拾う(作者:非表示)(オリジナル現代/冒険・バトル)

退魔師「魔法少女って霊力の生成効率悪くね?」▼魔法少女「退魔師って随分非効率な術式の使い方してるんですね」


総合評価:3044/評価:8.45/連載:9話/更新日時:2026年05月19日(火) 05:39 小説情報

カスレアクロニクル(作者:すばみずる)(オリジナル現代/コメディ)

【平日更新中:昼12時】▼カスレアのカードの精霊が出てくる話。▼かつてカードゲームを愛好していた主人公は、生活苦から手持ちのカードを売ろうとしていた。そんな時、相棒だと思っていたポンコツ美少女カードが突如として実体化してしまい、彼の腐っていた人生が動き始める。▼待ち構えるのは合法ロリ店長や腹黒聖女、厄介な常連客たちとろくでなしの精霊たち。▼ラブコメじみたドタ…


総合評価:3959/評価:8.73/連載:176話/更新日時:2026年07月07日(火) 12:00 小説情報

和風陰陽師漫画の終盤で死ぬ親友枠に転生した俺はどうすりゃいいですか?(作者:鬼怒藍落)(オリジナル現代/冒険・バトル)

一般和風好き転生者VS曇らせと理不尽と絶望▼ファイ!▼カクヨムにも出します


総合評価:4027/評価:8/連載:42話/更新日時:2026年05月07日(木) 07:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>