ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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マルス

依頼主の場所に到着した、その瞬間、ベローナは驚きの声を上げた。

 

「おっ!?お父さん!?」

 

「久しぶり、ベローナ」

 

お父さんと呼ばれ、返事をした男性を見ると、質素な神父服(火星教義に乗っ取れば()()()なのだろうか?)を着ていた中肉中背の中年男性だった。

 

「どうしてここに!?」

 

「護衛に参加している星進隊(プロトン)を見たら、もしかしてと思ってね、無理言ってお邪魔させてもらったんだ」

 

柔和な笑みを浮かべながら、近づいてベローナの手を握る男。

親子との交流も軽いハグ1つで終わらせて、俺達に向き直って自己紹介してくれた。

 

「初めまして、ベローナの父、マルスです。娘がお世話になっているそうで」

 

「いえ、こちらこそ、色々ベローナには世話になってます。あ、俺はオウムアムアのチームリーダー真壁流星です、今日はよろしくお願いします」

 

流星が頭を下げながらそう答え、マルスさんと握手を交わした。

…………マルスさんが、左手をすんなりと出してきた所に、親の愛情を感じる。やっぱり、壁があったのはベローナの方なのか。

 

帰りづらいと夏休み前のベローナが言っていた言葉を思い出していると、マルスさんが俺達にだけ聞こえるように囁いた。

 

「実は、私はここに居ない事になっているんだ。名残惜しいが、私はこれで失礼するよ。ベローナ、久しぶりに会えてうれしかったよ」

 

「はい、私も。お父さん、お母さんにもよろしく伝えて」

 

ベローナがそう言うと、マルスさんは分かったと短く答える。そして、この場を去ろうと歩くマルスさんだったが、ふと歩みを止めてこう言った。

 

「そう言えば、整備科(メカニック)の人たちが見えないね、ベローナの火星機(リーチャー)を修理してくれたみたいだから直接礼を言いたかったんだが」

 

「あ、俺です。太一って言います。別に、当たり前のことしただけなんで、気持ちだけ受け取っときます」

 

そう言うと、マルスさんは目を丸くした。そして、思わず口をついて出たように呟くマルスさん。

 

「他の整備科(メカニック)は?」

 

「えと、俺一人ですけど?」

 

「ああ、修理委託したんだね、娘を説得してくれてありがとう。やっぱり若い人たちじゃないと影響されないのかなぁ…………なんて」

 

「んん?俺一人で直しましたけど?委託してないですよ?」

 

「?」

 

「?」

 

まるで宇宙猫のように俺を見つめるマルスさん。何かおかしい事を言ったのだろうか?

ローディングが終わったように、俺を見つめてマルスさんは呟いた。

 

「やっぱり、極東の人って技術力ある人多いのかな?」

 

「ピンキリで一芸特化って感じもしますけど…………極東出身の良いメカニックにでも出会ったんですか?」

 

そう言うと、マルスさんは頭を振って再起動したように、俺に説明する。

 

「ああ、実はね。前に火星教会(プレイスター)のSEに修理委託出したんだけど、そこに極東出身の女の子が居てね。もしかして、知り合いだったりするのかな?それなら納得なんだけど」

 

「へえ、なんて名前でした?」

 

ちょっとした興味で聞いてみたのだが、それが不味かったのかもしれない。

 

 

 

「エドワウ・バジーナって名乗ってたよ。記憶が定かじゃないけど、確か修理委託したのは土星の企業だった気がするね」

 

 

 

好奇心は猫を殺す。なんか考えたくない一件が、俺から掘り返してしまったのである

 

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