ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
SEは精密機器で人が乗る機械だ。だからパイロットとのコミュニケーションは密に取らなければならない。そういう所も評価基準になってくるのだ。
それに、
今回はスキップせずに1週間どのように過ごしていたかを記録してみる事にしよう。
「お、来たか」
「失礼しますわ!」
今日は授業終わりのメリルが来た。
「一応来るまでにはメリルの
「換装、もう終わりましたの?」
「個人的には遅いくらいだ」
俺はコンソールから
「重ねて換装装備を説明するぞ。固定武装のソーラーウィンドを物理ミサイルに変更、ビームレイピアを撤去して超振動ナイトランスに変更、バッテリーを増設して装甲硬度を上げてある」
「見た感じ問題なさそうですわね」
だろ? とだけ答えて俺は部屋の扉を指さした。
「シミュレーターの準備は出来てる。シミュ用のパイロットスーツに着替えな」
「そうさせてもらいますわね」
そう言って更衣室へ消えていくメリル。入れ替わるようにドックの入り口から入って来たのは流星だった。
「よっ」
「おっすどうしたんだ?」
「いやぁ、メリルのフィッティングをするんだろ? シミュレーターの動きとか見て置きたくて」
「おいおい、目がまた乗りたいって顔してるぞ?」
「それだけじゃないしー味方の動きを把握する必要もあるしー。それじゃ! 着替えてくる!」
「おー、あっちょ!?」
「きゃー!?」
ドンガラガッシャーン!
流星に手を伸ばした時にはもう遅く、ありとあらゆるものを投げつけられていた。
「…………今度から簡単な内鍵つけとく」
「ありがとう…………なんで男子更衣室が無いんだ」
愚痴る流星に「そりゃそうだ」と返した。女性の方が耐Gが高い傾向にあり、機体性能が先鋭化されていく時にパイロットから男性が次々と消えていった。
もちろんパイロットスーツの性能も上がったが生理的特徴は変えられない。
「お待たせしましたわ」
出て来たメリルの顔が赤い。こういう所でギャルゲ要素を感じられる。
「ご、ごめん」
「構いませんわ、わたくしは本来ぞんざいに扱われてもいい存在なのです…………うふ、うふふふふふ」
「本当にゴメン!」
流星は何をしたんだ本当に。とりあえず俺はシミュレーターを起動して乗るように促した。
シミュレーター上の
「どうだ?」
「好調ですわ。ただ、感度をもう少し低く出来ませんの?」
「分かった。50から下げていくな」
「50!?」
「どうかしたか?」
「いえ、一気に38まで落としてくださいまし」
「了解」
そう言ってコンソールを使って感度を下げていく。
「あと、作戦行動中のエネルギー残量が気になりますわね」
どうしてもレイド中は物理的装備が増える。
「推力の低下はどこら辺まで妥協できる?」
「10%がラインですわね、推力にモノ言わせて動き回るのが
「姿勢制御スラスターの割り振りを見直す、後はリミッターを噛ませて慣性で動かすのはどうだ?」
「姿勢制御? …………なるほど、
「なにっ!? じゃあケチれるな。それだと作戦行動時間なら前方推力10%増しに出来るぞ?」
「…………このままでいいですわ」
「そうか」
こんな風に会話を続けながらフィッティングは終わった。
「前以上の性能になってましたわ!」
「そりゃよかった。このデータを元に調整するからもう少し待っていてくれ」
そうしてドックにあるマニュピレーターを操作して続きをやった。
その間に、メリルと流星は安全な所で話し込んでいた。
「流星さん、本当にありがとう。…………こういうのも激動の日々であまり言えなかったですわね」
「え? 何が?」
「私を
「そんな事しない」
「わたくし今悔しいんですのよ?」
「え?」
「太一さんが整備した設定、アレは流星さんのフィードバックを受けての物。それは仕方ありませんわ、わたくしにそれだけの技量が無いということですもの。前にも言ったでしょう? わたくしには、ヘルメスを上手く扱う事しか存在価値が」
「メリル!」
「!?」
「メリルは頑張ってる。俺はメリルの努力を否定するならメリルだって許さない」
「…………流星さん」
「終わったぞ」
メリルが流星にボディタッチをしようとしている所に
目をかっぴらいてメリルに話かける。
「テメーら何イチャイチャしようとしてるの?」
「め、目が怖いですわ」
今度は流星に向かってガン開きの眼を向ける。
「俺ハブにしようとしてるの? 」
「そ、そんなつもりはないぞ? それに、子供抱えたまま整備しているような人に言われたくないなぁ~なんて」
「デスウラヌスはまだ子供でしょ!!」
全力で否定しておいた。
「分かったらさっさとゲフンゲフン乗れや」
その後はぎくしゃくしながら俺を残して解散していった。
うん! 良い整備が出来たな!
◇ ◇ ◇
そんなこんなで
「あー、疲れた」
「本当にお疲れ様でした…………」
アリアさんからねぎらいの言葉を貰った。
あれ以降の記録? 無いよ?
「あれ、あの子供ついてきちゃったんですか?」
「地球で遊ばせておくよりな…………」
1週間過ごしていてこの子供の事は良く分からないのが現状だ。それに俺から離れようとすると悲しそうな顔をする。
「ま、なんにせよここからがビックレイド本番だ。俺は持ち場についてるからあとよろしく」
アイツらが上手くやれば俺の負担が減るからと、我ながら捻くれた無事を祈りながら作戦が開始されたのだった。