ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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天に輝く星々は人の未来

 今回の星破依頼(ビックレイド)、俺達の役割は巨大な隕石の破片の内小さな物を破壊回収に回る形になる。

 

 普通に考えれば楽な仕事だ。周りの星進隊(プロトン)地球機(ゲイザー)やその改修機に比べ、水星、金星、地球に火星が揃っている。

 

「楽な仕事ですわね」

 

「こら、油断しないの。対象に現着、電磁ネット展開完了よ」

 

 まず、水星機(ヘルメス)の推力にモノを言わせて金星機(マクスウェル)を牽引しながら素早く到着。

 

「やっぱ早いな」

 

「こちらも急ぐとしよう」

 

 遅れて地球機(ゲイザー)火星機(リーチャー)が到着、早すぎない速度で牽引して母艦に寄せる。

 

「ベローナ、始めるよ」

 

「了解だ」

 

 地球機(ゲイザー)が大まかに破壊したものを火星機(リーチャー)が細かくしながら運ぶ、片腕でよくやるもんだ。

 とまあ、普段の技量と機体性能を考えれば簡単な仕事だ。そして俺とアリアさんはと言うと。

 

「メリルさん、動作不良により宙域を離れた他星進隊(プロトン)のSEが居ます。回収をお願いします」

 

「あちゃー、仕事か。流星とベローナにも終わったらドックに戻れって言っておいてくれ」

 

「分かりました」

 

 アリアさんは他の星進隊(プロトン)との橋渡し、俺は細かいメンテナンスを担当している。

 メリルに牽引された地球機(ゲイザー)をドックに入れて、俺はそのパイロットを迎え入れた。

 

「よっ、ちょっと運が悪かったな」

 

「あはは、ちょっと無理をしすぎちゃいました」

 

「まあ、そんな事もあるさ。ほら補水液、リンゴとイチゴ何味が良い?」

 

「ありがとう、えっとじゃあ、リンゴで」

 

「おっけ、あと異常は駆動系と関節系のダブルコンボだな、10分程度で治るさ。ちょいと失礼、治るまで暇だろうしコンソール持ってて、それ仕事な」

 

「わわっ!?」

 

 俺はコクピットから離れ、乗ったまま修理を行う。やっぱこういう時に便利だ俺のチート。

 7分で物理(ハード)を直しきって、コクピットに戻るあとはシステムの方だけ。

 

「んーっと、システムの方は問題ないな。ちょいゴミ多いが…………よし直ぐに出撃()れるぜ」

 

「も、もうですか!?」

 

「ああ、なんか問題あったらオウムアムアに、問題なかったらそっちの整備科(メカニック)に『先生いたらカンカンだぞ』って言っておいてくれ」

 

 そう言うとパイロットは苦笑した。俺は軽く手を振って直した地球機(ゲイザー)が出撃したのを見送った。

 ブリッジに戻り少し休憩。アリアさんは入って来た俺を見てこういった。

 

「いつもあんなことしてるんですか?」

 

「何が?」

 

「ああ、いえ「いいメカニックはすぐに結婚する」って言うのを肌で感じただけです…………」

 

 好感度そんなに稼いでるか?

 ビックレイドに参加できない時間が多いとそれだけ成績も下がるし、そういうパイロットの背景を加味した気遣いは結構必須だと思うんだが。

 

「こちらの進捗率としてはもう80%ぐらいですね」

 

「もうそんなにか、早いもんだ」

 

「本来ならDランク相当の仕事をしてもいいくらいなんですけどね」

 

「やめてくれ、俺の仕事が増える」

 

 冗談交じりでそういった。20%は本気だ。

 半キロ(500m)以下級の隕石スプリットはEランクの星進隊(プロトン)の仕事だ。

 

 水星機(ヘルメス)は単独で半キロ位はぶっ壊せるし、金星機(マクスウェル)はその破片を単独で回収できるポテンシャルはある。()()なら精密さとパワーを兼ね備えた地球機(ゲイザー)の出番だし、火星機(リーチャー)の精密性はピカイチだ。

 本当になんでこんな所にいるんですか? このままのランクだと星進隊(プロトン)交流戦の時期になったら相手は泣くぞ?

 

「緊急! 本隊で事故発生! 気化爆発によるスプリット(分裂)です!!」

 

「マジか!?」

 

 隕石の内部に蒸発するような物体があると熱によって分裂してしまう。そして宇宙空間だとそれが推力になり、水蒸気爆発の威力がそのままSEに降りかかる事になる。

 SEは耐えるが壊れない訳ではないし、パイロットはそうは行かない。

 

「メリルさん!」

 

「もう向かっています!」

「オービットワイヤーもセットしてある! こっちは任せて二人の指示を!」

 

 メリルとイルシアの2人は本隊の救援に既に向かっていたようだ。

 

「流星さんは母艦の護衛を! ベローナさんは迎撃を!」

 

「「了解!」」

 

 地球機(ゲイザー)は背中にマウントした盾を構え母艦を守るように動き、ベローナは全てを切り払う構えだ。

 

「軌道を算出します! これは!? 1㎞級です!!」

 

「でかっ!?」

 

「流星さん! ベローナさん! 単独で回避を!」

 

 そんな物単独で払える奴は居ない。

 本来なら1㎞級の隕石はEランク以上の星進隊(プロトン)が連携して担当する代物だ。しかも気化爆発によるスプリット(分裂)なんかCやB当たりの星進隊(プロトン)が対応する事案だ。

 

「私達は避難ポッドを!」

 

 言われてアリアさんを追う様に走る。避難ポッドに着いた時、天海冥機デスウラヌスがそこにいた。

 

「来てたんですか!?」

 

「ん、よく寝た」

 

 何でこんな所にいるのか分からないが、丁度良く避難ポッドに居てくれて助かった。見捨てるのも目覚めが悪いし。

 

「残られるよりか良いか、動かすぞ」

 

「はい! 私は引き続きオペレートします!」

 

「パパ、困ってる?」

 

「ああ、舌噛むなよ」

 

「わかった」

 

 状況的に困っているに決まってるだろ。と、デスウラヌスを軽くあしらい、俺はポッドのレバーを引いた。勢いよく射出され、そのままポッドは簡易船に成り代わり宙域を離脱しようとバーニアが熱を吐いた。

 

 そんな時、アリアさんのコンソールから音楽が鳴り響いた。

 

 行進曲(マーチ)調の軽快な音楽。ラッパが鳴り響き、ドラムが小気味よくリズムを刻む。そして、快活な男の朗々とした声が歌い始めた。

 

『天海冥! 天海冥! 天海冥!』

 

「なんですかコレ!?」

 

「とりあえずぅ、う!?」

 

 俺の目に入ったのは白いSE、と言うか俺のチートがこう言っている。あれは。

 

「天海冥機デスウラヌス!?」

「何言ってるんですか!?」

 

『太陽の端からやって来た すごく強いぞ天海冥機』

 

「所属不明機を検知! 識別は…………天海冥機デスウラヌス!?」

「だからそう言ってるじゃん!」

「それが分からないんですよ!?」

 

宇宙(ソラ)に眩く人の弓 ウラヌススパーク!』

「そらーにまばーゆくーひーとのーゆっみー ウラヌスすぱ──く!!」

 

 男の声に女児の声が混ざる。

 すると白いSEが手から黄色いエネルギー体を弓に変化させ弓を引き絞り雷撃を放った、飛来してきた隕石をバラバラにした。

 

「へ!?」

「この音楽広域回線を使って流れてます!」

「こんな古臭い音楽が!?」

 

『何アレカッコいい!』

 

「流星ェ!!」

 

 怒りのあまり「今それどころじゃない」という突っ込みも出なかった。

 だが、ただ破壊しただけじゃ威力は殺せない!

 

『堅く通さぬ人の盾 ネプチューンウォール!!』

 

「かたーくとーおさぬひーとのたってー ネプチューンうぉーる!!」

 

 白いSEの前に巨大な半透明の壁が俺達を守った。

 

「な、なにが起こったのでしょうか?」

 

 そんな物、俺が知りたいのであるのと同時に俺は理解してしまった。

 

「アレ、俺が直すのぉ?」

 

 見た目こそ真っ白で奇麗だが、その内部はボロボロであることを。




天海冥機デスウラヌス 歌詞

「天海冥!天海冥!天海冥!
太陽の端からやって来た すごく強いぞ天海冥機
宇宙(ソラ)に眩く人の弓 ウラヌススパーク!
天に輝く星々は人の未来 天海!×3
天海冥機デスウラヌス

天海冥!天海冥!天海冥!
太陽の端から生まれ出た とても堅いぞ天海冥機
堅く通さぬ人の盾 ネプチューンウォール!!
星の海に揺蕩うは人の命 天海!×3
天海冥機デスウラヌス

天海冥!天海冥!天海冥!
太陽の端から作られた 素敵な姿の天海冥機
切り裂く名鉄人の意思 プルートデスサイズ!!
星の冥利に尽きるのは人の夢 天海!×3
天海冥機デスウラヌス」
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