ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
「アリアさん、デスウラ、所属不明機の回収を急がせてくれ! アレ修理しねえと壊れるぞ!」
「は、はい! 流星さん、所属不明機の回収をお願いします! ベローナさんはスプリットに電磁ネットの取り付けを!」
『星の海に揺蕩うは人の命~』
「「了解」」
「アリアさん俺は戻るから! 大丈夫!」
「危険です! …………え、ウソ小破片に至るまで全て止めた?」
ああ、そういう風になっているからな。
「まだ壊れんなよ…………」
そう呟きながら俺はドックへ走った。
目の前に横たわる天海冥機デスウラヌス。触れると女児であったそれと比べてはるかに多い情報が頭に流れ込んでくる。
パイロット用の補水液で僅かな糖分を頭にぶち込んで、頭が痛くなるほどの情報量を脳で処理していた。
「コクピットは…………ここか」
脚部に隠されていたスイッチ類を操作してコクピットを開ける。
宇宙空間なのにパイロットスーツをつけていない、白いワンピース姿の天海冥機デスウラヌスが座席に居た。
顔が赤らんで触れると熱を持っている。関節も痛み出しているはず。
「ぱ、ぱ?」
「喋んな」
「なおし」
「寝てろ。直すよ当たり前だろ?」
そう言うと安心したように目を閉じて寝息を立てる。…………コイツはパイロットであり、機体のバロメーターであり、コミュニケーションツールであり、
機体が傷つけばコイツも傷つくし、治れば治る。そのはずだ。
「嘘は付けないよな」
動力系駆動系がイカレてる、動力が少なく伝達する物も壊れかかっている。未知の駆動系。おそらく
まずは動力部は停止させられない。動力伝達が断絶している管で伝えている…………シナプスか? とりあえずはここ。地球産で行くならイシュタロイトと火星シャフトで行けるか?
「もっと情報寄越せや」
そう言って俺はさらに機体情報を理解するために触れ続けながら修理していく。深く深く、もっと深く────。
気が付くと、天海冥機デスウラヌスは死なない程度まで直していた。
過度な集中のせいだろう、時間が飛んでいる。時間にして6時間程度、気が付けば地球に戻り天海冥機が重力にさらされていた。
「あ、気が付いた?」
「流星か」
「立ったまま気絶してたよ。気絶してても思考反射入力デバイス付けてたからマニュピレーターが動いているのは恐怖だったよ。しかも精密」
「マジか? こっわ」
俺そんなに集中してたのか? そんな中でコイツを直せたのは奇跡に近い。
どうやって直したのか覚えてないし。5人ぐらいの教師から授業を受けながら早弁する位の難易度はあっただろう。
「で、この機体何?」
「ビックレイドの告知の日に子供が居たろ? それ」
そう言うと流星は俺を怪訝な目で見た後、真剣な顔になった。
「本当なんだね?」
「ああ」
「分かった」
そう言うと流星は近場に置いてあった袋を持ち上げて少し掲げる。
「ご飯にしよう。なにも食べてないだろ?」
「気が利くな、ありがとう」
俺は近場にあった一斗缶2つ用意して2人して座った。
「いやー、それにしても太一がパパになるなんてなー」
「は!?」
俺は聞き捨てならない言葉を聞いた。ドユコト?
きょとんとしていると、映像デバイスを取り出し、動画を再生させられる。
見慣れない人が1人と天海冥機デスウラヌスを俺がだっこしている映像。
「待て! 君には話がある! そのSEを」
「俺がパパだ!!」
「は!?」
あまりの発言に見知らぬ女の思考が停止して、俺はその横を突っ走ってどこかへ行ってしまった。
「予知夢ぅ!?」
「ああ、本当にこういう夢を見たんだ」
「ふざけるな! 俺はパパじゃねえ!」
「映像の後ろに俺達全員いたし…………」
「恥!! クソ!! どれだけぶん殴ったら記憶って消えるのかな!? 男女関係ねぇぞ!!」
ギャーギャーと言っていて俺は疲れてパンを頬張った。
「まあいっか」
「怒りって一周すると無くなるんだ」
「うるせ、いや、伝えなきゃいけない事があってな」
「何?」
「コイツ、まだ直りきってないんだよ。また1週間暇くれ」
「…………わかった」
また頭が痛くなりながら、俺はパンを頬張った。
「ああ、後。コルデーにあったら「目覚めたら金平糖パンを用意してくれ」って言っといてくれ」
「うん、もちろん。全く太一は素直じゃないな」
助けてくれた恩を仇で返すような真似はしたくないってだけだ。なんて言いながら夜が更けていくのだった。
ちょっとした設定。
①星破依頼《ビックレイド》はEランク以上の
②
③拒否権は無く拒否した場合、理由相当によっては解散措置とする。
④隕鉄などの回収物は学園預かりとする。