ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
4日目。徹夜してソフト面を弄っていたが、未完成だった。と言うか、何にでもなれる素質があるというか。
外装によってどんな風にでもなれるそんな機体。と言った印象だ。とりあえずは動けるように補完した装甲は今付けてある。
白い機体から白と黒のモノトーンへ関節部を補強する形で装甲を配置してある。そしてそれを機体制御システムで馴染ませる。
「とりあえずは動くようになったはずなんだが、まだ眠っているのか? 複座式にパイロット入れるのも怖いし…………」
「どうもっス! ご飯お届けに上がりましたよ!」
独り言にかぶせる様にコルデーがドックに入って来た。
「ありがとう」
「どういたしましてっス! まだ寝てるっすか?」
「まだな、もう少しで何とかなりそうなんだが」
「そうっスか…………」
落胆した表情を見せたコルデー。俺は疑問を投げた。
「そういえば、最初っからコルデーはアイツの事気にかけてたな。子供好きなのか?」
「そうっスね、商店街の子供たちを思い出すっスよ」
ああ、と。商店街に並々ならぬ思いがあったというのを忘れて居た。こいつは世話になった商店街に活気を取り戻したいから
何か、思い出させたようで悪い気分になっている。
「なんかすまん、まだ直せないし」
「いや! 太一が悪い訳じゃないっスよ!?」
「実際時間かかっている訳だし、今回の件は無力さを感じてるよ」
そう言うとドックの中に沈黙が流れた。
「と、とりあえず! ご飯くれよ一昨日から何も食ってないんだ」
「…………」
明るくしようと別の話題を出したのだが黙ってしまった。おいおい、もう購買パワーが切れたのか?
「違うっス! …………土星機の情報欲しくないっスか?」
「めっちゃ欲しい!」
土星機シャニヌス、機体のハード面単体ではあまり特徴がないが特異なのはそのソフト面。
歌の力で動かしているSEになっている。
疑似人格を宿した
『機械は隣人である』火星教義の元に、隣人に歌を聞かせてその対価として戦ってくれてるだけだ! という発想の元生み出された狂気の産物である。
「はい、これ、土星機の機械学習モデルっス、絶対に流出させないでくださいっス」
「ありがとう」
何でこんなものを? と聞こうとコルデーと目を合わせたのだが、聞くなという目をしていた。
じゃあ、スタンドアローン環境で開いて、どうなっているか見させてもらおう。
「…………天海冥調査団」
「ん?」
「そのまま聞くっス…………土星から天王星に調査団が出てるっス、非公式っスけど」
「何?」
初耳だ。
「天海冥調査団。各惑星のスペシャリストから冒険野郎を抜き出して宇宙へ撃ち放つ、命知らずな人たちっス」
「…………もっと早く言ってくれないかなぁ!?」
「なっ!? 何を言うんスか!? こっちは結構勇気出して言ってるんすよ!?」
俺は深くため息を付いて言った。
「前にも言ったろ? 俺はお前が何者であろうと何も変わらないって」
「…………SEにしか興味ないんじゃないっスか?」
「そうともいう」
俺とコルデーは見つめ合ってコルデーは察したように怒った。俺の発言が本気で言っていることに。
「返すっスよ! ちょっと感動したのを返すっスよ!!」
「いてぇ!?」
ゲシゲシと脛を蹴られた。
「はぁ、最初に比べたら太一の事が分かって来たって事にしとくっスよ」
「ホントなんだもん」
コルデーはドックから出る事を俺に伝えてコクピットに寄ってから出て行った。
これで一歩前進だ。と俺はまたデスウラヌスとにらめっこする事にした。
5日目。必死に土星機AIの解析をしていたらミーシャが入って来た。
「お、どうした?」
「連絡係だ、お前連絡無視するな。こうして余計な仕事が増える」
「あ、全部ネットワーク切ってたからか」
マジか? みたいな顔をしているミーシャ。
土星機の情報を取り扱うのに流出させるなと言っていたから、切った方が良かったんだもん。
「私達のランクがDになった」
「お、マジでか」
「それに伴い私のコネも使えるようになったから、今後はクエストが増える…………そんな顔しなくても安心しろ、明日明後日までクエストは入れないように釘を刺しといたからな」
「良かったー」
クソ集中している時に変な情報流されても困る。
「それと天海冥機デスウラヌスをこの学園の生徒として受け入れる事になった」
「なにぃ!? 変な情報来たじゃん!!」
「異例も異例だが、なんか裏で動いたらしい。詳しくは知らないがな」
ええ…………機械生命体みたいな奴を学園受け入れ?
一体どんなことがあったんだ?
「あと、来週末に壮行会がある」
「なにぃ!? 変な情報来たじゃん!!」
「そうなのか?」
不味い、
「じゃ、話はそれだけだ」
「あ、ちょっと待って! 寂しいからもうちょっとだけお話を!!」
「じゃ」
ああ…………行っちゃった。
俺は頭の片隅から壮行会の情報を外すのに必死だった。
6日目。誰も来ない。寂しい死んじゃう。
7日目。
「よおく来てくれた!!」
「うわあ!?」
「なんですの!?」
俺は両手で流星とメリルを抱きしめた。
「寂しかったよー!!」
「分かった、分かったから。いだだだ!!」
「く、苦しい」
はっ、俺は何を。修理の目途もついて複座式に両方人乗せても問題ないという事が判明して、二人を呼び出したんだ。
俺は冷静になり、ネクタイを締めキリリとした表情で二人に向き直った。
「さあ、直った天海冥機デスウラヌスを見て貰おうか」
「取り戻せないよ何もかもが」
おや、そうかな? そうかも。
「実はまだあの子供は起きてないんだ」
「隣にいるじゃん」
「パパ、おはよう」
「あるぇ!?」
さっきまで寝てたはずの天海冥機デスウラヌスがそこに居た。そしてそれ以上に。
「わぁ! おめかししたのですね! 可愛いですわ!」
「パパが作ってくれた」
天海冥機デスウラヌス(女児児童体)が着せた覚えの無い服を身に纏っていた。
ワンピースからゴスロリ調のワンピースへ変わっていた。…………どんな機能?
「そうか、よかったよ」
「…………じゃあ、話は早いか」
「どうした?」
「元々の名前が天海冥機デスウラヌスって名前で、この子供の名前がついてなかったんだ」
「どんな名前だよ!?」
「ちょっと酷いですわね」
「ああ、だから個体識別を弄ってこの子供に名前を付けた。なあ、君の名前は?」
「天海冥機デスウラヌスパイロット、ネル・ガルシア。よろしくパパ」
「おお! 俺は真壁流星、よろしくネル! 太一も名実ともにパパだな!」
「よろしく」
へ?
「確かに、立派な名付け親ですわね。わたくしはメリル・ハルクリウスですわ。よろしくお願いしますわね?」
「だって弄ってるなら、パパ呼びも辞めさせられたろ?」
「そんな余裕無かったよ!! と言うか、ネル、何で俺の事をパパって呼んでいるんだ?」
「私を直せる人、パパじゃないの?」
どうやら、何かしらの手段で直せそうな人間をピックアップしてたどり着いたらしい。
「前のメカニックはどんな性癖をしてたんだ?」
「なんか、ちょっと同情する」
「普通にAI系の制御を使ってるから学習の課程でそうなったんだろうが…………」
推測を元にうんうんと唸っていると、切り替える様に流星が話す。
「よし! 太一! これで全部直ったんだよな?」
「そうだな、修理完了だ」
「じゃあ、ネルが出て来た時みたいな音楽の事も分かってるって事だよな?」
「うん? まあ、そうだが」
「搭載してくれ!」
「却下だ!」
その後一悶着ありながらも、直ったのだから最終的には大団円…………なのか?
ちょっと先での未来の事。
SE総合雑誌テラマキナ学園
~中略~
そして最後に史上最速でDランクまで駆け上がった新進気鋭の
非常に珍しい男性パイロット真壁流星をチームリーダーとした個性豊かな面々! 最速でインタビューをしました!!
どんなSEでもどんとこい! 幾重に色を折り重ねた漆黒! 『ブラックロータス』真壁流星!
「これからも頑張ります」
先日の
「人々の上に立つものとして、当然のことをしたまでですわ!」
立ち位置だけは3番手、仕事ぶりはいぶし銀、金星から来た仕事人! 『ヴィーナスメイソン』イルシア・モーニングスター!
「私にとっては些事よ」
一本の腕! しかし百人力! 星に手を掛けるのは1人だけでいいのか!? 『マルスオブバベル』ベローナ・タワーバース!
「訓練のたまものだ」
たった一人で戦場でまとめ上げる有能
「私一人の力じゃありません、皆さんに助けられてます」
『変態』地井太一!!
「あー、ネル。あんまりそこ触るなって」
「ごめんパパ」
「言わんこっちゃない、お手て汚れちゃったでしょうが、ほら拭きな? あ、ちょっと待ってくださいね(笑)」
オウムアムアに在籍しているコルデー・マレフィックとミーシャ・クロイテフは取材NGでした。
「流星さぁ!! 俺だけおかしくない!?」
「…………ざ、雑誌が悪いよ。総合雑誌だし、
「きぃー!!! 初のメディア露出がコレって!!」