ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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しかし、恋とは儚い物です。

 BBQの話を終えて午後になった。俺はドックへ戻り一人の男と合流した。

 

 

「木星建築作業団のケレスです! よろしくお願いします!」

 

「太一です、こちらこそよろしくお願いします!」

 

 俺の下には1人の木星メカニックをつけてくれた。

 俺よりちょい年上の好青年で、俺の下に付くことに何も不満が無いようだった。

 

「腕が良いって聞いてます! 学ばせてもらいますね!」

 

 軽く謙遜しながら俺達2人はドック整備へ向かった。

 

「えっと、ここに居るのは」

 

 ケレスが修繕内容を言い終わる前に俺は情報を伝える。

 

「クレーン型の巻き取り、ドーザー型のパワーダウン、トレーラー型の股関節にタイヤ違和感ですね、あってます?」

 

「…………あってます」

 

「クレーン型トレーラー型ドーザー型の順番でやってくんで、クレーン型は操作感が過敏に変わると思うんで伝えといてください」

 

 さて、作業開始だ。

 

 

 

 

 視点は変わり木星新人メカニックのケレス。

 木星建築作業団は水星、金星、地球、火星、木星、土星の全ての人類在住惑星をまたにかけて作業するプロフェッショナル集団。

 ケレスは木星では同年代ではかなりの上位成績を収めており、若くして木星建築作業団に入った秀才である。

 

 だが、目の前の光景を見て驚愕していた

 

(この人、作業に迷いが無さすぎる!?)

 

 現在はドーザー型の木星機(ヴァリアブル)を修理しており、前2つの作業にも迷いがなく、ベテランと肩を並べるほどの作業スピードだ。

 ケレスは興味を持って太一に質問する。

 

「手慣れてますね木星機(ヴァリアブル)触った事あるんですか?」

 

「いえ、今回が初めてです」

 

 その言葉を聞いてさらに驚愕した。現代でも機械のメーカーが違えば修理方法も配置も変わり、操作方法も変わっているが、惑星間の違いはさらに大きい。

 はじめて触った程度ならどれだけ優秀でも荷物持ちやサポートに回る事になるはずだったが太一はそれに当てはまらなかった。

 

「パワーダウンしてたんで動力部は修理はしたんですけど、原因が動力部だけじゃなくて伝達部の摩耗と足回りの負荷も絡んできますが直しますか?」

 

「確認します!」

 

 あまつさえ原因の要因まで洗い出して指摘する始末。AIが高性能だとは言えSE相手では完全に任せられないし、太一はスキャナ自体回していないのだ。

 

「許可出ました!」

 

「おっけーっす。じゃあ取り掛かりましょう」

 

 そう言ってまた作業に戻り、ものの数分で直しきってしまう。

 

 通常SEの修理作業は、不調の主訴からその該当する部分だけをスキャナで読み取りAIで診断して内容に応じて作業を変える。全体をスキャナで調べるのは時間がかかるからだ。

 そしてこれをチートによってスキップしている太一は異常な速度で修理していた。

 

 これをマネしろ? 無理だよコレ! とケレスは心の中で愚痴っていた。心の中で愚痴っていると、作業司令部から通信が入る。

 

「太一さん! 俺達現場に回されました!」

 

「これが終わったら行くって言っておいてください! あと、現場の情報纏めといてください!」

 

 ケレスは必死に現場へ情報を伝え情報を纏めた。纏め終わった瞬間に太一は作業を中断させて、ケレスへ駆け寄った。

 

「お疲れ様です、アレもう終わってます。現場行く前にちょっとズル休みしちゃいませんか?」

 

「えっ? あ、はい」

 

「地球の麦茶は旨いですよ」

 

 そう言われてケレスは苦笑いするしかなかった。

 

 

 

 俺とケレスさんは小屋で休憩していた。ちょっとした雑談を交えながら麦茶を啜っている中で俺は思った。

 

(いやー、下に誰かついてくれるだけで違いますわ)

 

 ケレスさんがよく動いてくれるから1人でやるよりすっげー楽なんだけど? ケレスさんお持ち帰りしたいんだけど? はぁー、もう1人でも整備科(メカニック)が居ればなぁ。

 

「ケレスさんウチの星進隊(プロトン)で雇われない? 木星機(ヴァリアブル)は無いけど水星機(ヘルメス)金星機(マクスウェル)地球機(ゲイザー)火星機(リーチャー)もあるより取り見取りな職場ですよ?」

 

「ッスゥー、他のメカニックは何人いるんですか?」

 

「俺1人っすけど?」

 

「勘弁してください…………」

 

「泣く程!?」

 

 何がいけなかったというのだ…………いろんな種類のSEがあるなんてメカニックならよだれを垂らして喜ぶ所なのに。

 

「じゃ、そろそろ行きますか」

 

「そうですね、車俺が運転しますよ」

 

 そう言ってケレスさんと俺は車に乗り込み現場へ向かった。その道中、現場でスタックしたSEの写真を眺めてみる。

 

「あ、金星機(マクスウェル)って作業団の中に居ますか?」

 

「流石にいないですよ」

 

「ちょっと必要そうになってくるんでウチのメンバー呼んどきますね」

 

 耳の通信デバイスをつけてアリアに連絡した。

 

「アリア、指定の地点に金星機(マクスウェル)火星機(リーチャー)を派遣して欲しいんだけど? 携行物のリストも作っておく」

 

『何分後ですか?』

 

「20分ぐらいかかる」

 

『それぐらいなら丁度空きますね、分かりました派遣させます』

 

 ありがとうとだけ言って通信を切った。その後ケレスさんが俺に話かける。

 

「しかし、本当に1つの星進隊(プロトン)で複数惑星のSE管理してるんですね」

 

「大変だけど結構楽しいです」

 

 そうして、俺達が到着した頃には既に2人共到着していた。やっぱり見た感じ金属疲労の足回りの断裂か。

 

『来たわね、それで? 何すればいいの?』

 

「ベローナはSEをちょっとだけ持ち上げてくれ、イルシアは俺の近くにマクスウェルの手を置いてくれ」

 

 そう言って俺は金星機(マクスウェル)の手に2本クリップを噛ませた。

 

「機械オペさんは電源切っておいてください! イルシア、電磁アームキャノンを荷電状態にしてくれ。絶対に撃つなよ?」

 

「撃たないわよ!!」

 

 少しイルシアをからかいながら俺は1本のクリップをスタックしたSEに付けて、もう一本の先を長い金属質な棒を噛ませる。

 

「溶接ぅ!?」

 

「お、よく知ってますねあんま見ないでくださいね、眩しいんで」

 

 俺は作業を開始した。溶接はこっちの世界じゃ太古の技術ではあるが、SEに対しても上手くやれば応急処置が出来る。

 と言うか、俺の今世の実家も使ってるし…………。

 

『な、なにをしているんだ?』

 

『画面補正で何しているのか分からないわね?』

 

「古い技術だが、技術躍進をしているからこそローテクが役に立つんだ」

 

 今だったら現場で直すより牽引した方がマシまであるから現場まで来てその故障内容は確定させた方が良いんだが。ただまあ、人手を割かせていい事は何もない、せっかく向かわせてもらったんだから有効利用しない手はないだろう。

 

 しかも、今の技術だったら溶接温度も自由自在。比重が重めな木星産の装甲だって溶接出来ちゃう。

 

「はい、応急処置が終わりました。コクピット開けてください」

 

「早いわね?」

 

「応急処置なんで、とりあえずリミッター掛けますね」

 

 そう言ってコクピット内のリミッター装置を付けて、ドックへと帰るように言った。

 

「終わったぞー、元の位置に戻っても良いぞ?」

 

『わかった、ベローナ、次も一緒の場所だから』

 

『了解した、力になれたようでよかった』

 

 俺は適当に返事をして、戻ってくる頃にはもう作業が終わっていた。

 結構いい一日だったと思う。

 

「太一、俺の機体を変形させてくれ」

 

 そんな事を真面目な顔で語る流星が居なければもっと良い日になったかもしれない。




 ちょっとした設定。

 太一彼女システム:システムメッセージ全文

『あなたの選択肢によってそのヒロインが太一の彼女になります。彼女になる選択肢は右にスパナマークが付いているので一目瞭然です。太一にヒロインの一部を彼女にさせる事で修理の速度や機体の改造ツリーの一部が解放されます。

 しかし、恋とは儚い物です。太一の所属する整備科(メカニック)は彼女の存在を許しません。時間が経つにつれてバレるリスクは高くなり、右下のバクダンゲージが満タンになると整備科(メカニック)にバレてしまい、その瞬間太一は強制的に休みを取ってしまいます。

 早く爆発させたいなら告げ口コマンドを使いましょう! 整備科(メカニック)の皆さんが素早く太一君を休ませてくれます!

 太一とヒロインの関係を続けさせたいなら庇うコマンドを使いましょう。バクダンゲージが減り、バレるまでの猶予が長くなります。

 なお、ヒロインを太一の彼女にして得られる報酬は別れた後でも継続します、太一君は別れた所で1度手を付けたSEを投げ出すような狭量な漢ではないのです』

234:名無しのVtuberファン
太一君が何をしたって言うんだ。
 
235:名無しのVtuberファン
>>234彼女が出来た。よくも俺のイルシアを…………。
 
236:名無しのVtuberファン
>>235お前の選択肢次第だろ定期
 
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