ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
バーベキューを終えての今日、俺たちはミーティングをしていた。議題は次に受ける
「指名依頼が入った、アラスカのミリシアンSE高校
「他からの指名依頼か、私達のような状況では珍しいのではないか?」
「それが、正式な依頼ではなさそうなんだ」
と言って、一つの音声データを流した。そこからは、戦場のような爆発音が鳴り響く中、一人の男の怒声にも似た叫びが聞こえてくる。
『流星! 太一! 俺だ! ポンだ! 今所属している
『何してる! さっさと電卓を叩け馬鹿モンが!!』
『やってるよ! 戦況は公式サイトから確認できる! あとで公式文書出すからすぐ助けに来てくれ! このままじゃ俺の単位が死んじまう!! グワーッ!?』
そこで音声が途切れていた。なんかビットワールドの生放送みたいだなんて感想を持ったが、ここでは伝わらないので自重した。
「という訳なんだが、知り合いか?」
「俺と太一の中学時代の友達、
「公式文章はまだ届いていないから受けるのにリスクはあるが、どうする?」
「受けようか、久しぶりに直接顔見たいし」
そう言って軽い気持ちで依頼を受けた流星。俺は流星に声をかけた。
「流星、出撃メンバーはどうする?」
「全員で行けばいいんじゃないか?」
おいおい、と言いたくなったがあまりリーダーの格を下げるような真似はしたくなかったから釘をさすだけにする。
「全員で行くと損傷率によって金がかかる、そのことはよく確認してくれよ?」
「分かってる」
「あと、いまだに天海冥機デスウラヌスは攻撃系は徒手空拳しかないから、そこだけはよく注意しておくように」
デスウラヌスの装備、ウラヌススパーク、プルートデスサイズはあまりにも破壊力が強いから、こういう対人系の依頼はまだ出しにくい。
「分かってるって、ネルどれだけ守れる?」
「30分」
「上出来、じゃ今すぐにでも行こう」
初めての指定依頼は、知り合いからの物だった。…………俺達が出張っていいのだろうか?
◇◇◇
ファイヤーワークス所属パイロット、ブシアは戦場で悪態をついていた。
「本当に数だけは多いんだから!!」
そう言って、SEを動かしクレーターからゲリラ撃ちを行いながら応戦している。
過去の戦争を再現し、地球上で行う戦争遊戯。
それはプロトンに所属している全ての学科の力を使い、予算の1/3を確定で使い切る骨肉の争いだった。
所属している
ビッグゲームにおいて
「終わったら
ファイヤーワークス
「残ってればだけどね!」
ブシアは身を隠していたクレーターに入って来たSEと格闘戦を繰り広げた。
「手こずらせやがって!」
「もっと良いの寄越しなさい!!」
ビームサーベルで切り合う
「ブシア! 援軍よ!」
「援軍!?」
ずっとギリギリで戦ってきたファイヤーワークス。防衛線なんて物はとっくになくなり、個々でゲリラ戦をするしかなくなっていた。
そこに来ての援軍、期待はしなかったが、次の一手でそれを改める事になる。
迫って来た大量のゲイザーに大量のビームミサイルが着弾し、一瞬にして撃破判定を生み出していた。
「ソーラーウィンド!?
「貰い!」
「しまっ!?」
よそ見をした間に突っ込んできたゲイザー。しかし、その頭上から別の機体が降り注ぎ、サーベルを持つ腕を切断した。
「お待たせ、待った?」
「!?」
通信から聞こえて来たのは男の声、そして敵機を解体する様に撃破してしまう。
「
「は、ははは」
ブシアはもう笑うしかなかった。
どこからこんな掘り出し物見つけて来たんだ、最初から依頼を出しておけ。帰ったらそう言って
「残党を排除する! イルシア、予定通りに!」
「はいよー! よく持ちこたえたね!」
そう言って自軍側から小型のフライトシステムを装備した
そして20分程度で残党を排除した謎の友軍。
「終わったか?」
「流星、別の場所でも戦闘が起きてる。指定のポイントまで移動だって」
友軍が呑気に話していると、ファイヤーワークスの
「本部に榴弾砲が来る! そちらを!!」
「いやぁ、そっちは大丈夫でしょ?」
「何を言ってる!? え゛!?」
『天海冥! 天海冥! 天海冥!』
『太陽の端からやって来た すごく強いぞ天海冥機』
友軍を叱ろうとしたが謎の音楽が流れ中断される。
一方その頃。ファイヤーワークス本部では。
「…………こう見るとなんかシュールだな」
「ネルさん、あとどれぐらい持ちそうですか?」
「これならいちじかんはよゆう」
ふんす! と得意げな顔をしたネルにアリアとベローナは何も言わなかった。
そして1時間後、ファイヤーワークスの所属機体すべてが戦場に復帰して、戦況は一気にファイヤーワークスへと傾き、そのまま勝利を収めた。
◇◇◇
「おい! そっち! 4番機と8番機ニコイチしろ! なんで最初っから作ろうとしてんだ時間もかかるだろ! 仕上げは俺やっとく! 3番機! ちんたらやってたら負けんぞ! ベローナ! もっと敵のパーツ持ってきてくれ! 右足1、左腕2、ランドセル1、胴体1! 新しく作んのはこれが全部だ! こっちは破損ユニット修理全部終わったぞ! あん!? ドックに空きがねえ? うちのネルが守ってるから接続したら破損回収でもやらせとけ!! 13番機は俺がやる! 俺の工具からプラズマカッターもってこい!」
「おい、ライマ。アレ、お前の知り合いだったよな?」
「…………知りません」
「うちのメカニック4年まで全部あいつが面倒見てるんだけど」
「…………知りません」
「もう3機ぐらいあいつが直しちゃってるけど、依頼料いくらかかるんだろうな?」
「太一ぃ! もうやめてぇ!!」
「うるせえ!! ウォーゲームこんなに忙しいの知らなかったんだよ! 知ってたら絶対に止めていたのに!!」
こうしてなんだかんだ初めての指名依頼は成功に終わった。ミーシャの顔が儲かって喜色満面の笑みを見せたのに対し、雷馬は青い顔をしていたのが印象的だった。
ちょっとした設定。
ウォーゲーム概要:過去の大戦を再現したゲームルールである。地球であれば地球の大戦経験地と月で行う。
ウォーゲーム総則
①全学科の力を使って戦う事。
②どちらかの敗北によって勝敗が決まる。
③
④戦闘領域に戦闘可能SEが存在しない時点で敗北する。
⑤司令部及び修理ドックが陥落された時点で敗北する。
⑥SEパイロットの殺傷、および重篤な障害を負わせる装備を使ってはならない。