ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
あの生徒会長が襲来してきてから1日、俺はSEの整備にいそしんでいた。
「
とはいえいまだ可変機構だけの整備しか出来ていないが。
合体機構とまでなるとなぁ…………。ため息を吐いて立ち上がる。
目の前にあるのは戦闘機型
教本からして、何をしているのか理屈は分かるがそれをどう出力していいのかがさっぱりだ。
悩んで居ると、コンコンとドックの扉をノックされた。呑気にはーいと返事をして開けると、1面麻布の景色。
「うお!? 何!?」
と聞くが一瞬で両足を拘束されて、暴れるも無意味。
「拉致監禁!? 学園黎明期かよ!!」
そう叫ぶも俺は抵抗空しく拉致されていった。
しばらくして椅子に座らされ、椅子ごとぐるぐる巻きにされながら麻袋を切られ、視界が復活する。
「…………生徒会長?」
「
目の前には椅子にぐるぐる巻きにされている生徒会長アレン・ジャッチメント。なぜか顔がボコボコだ。
「今日は君に話があって来たんだ」
「きっとお前も同じ状況だよね!?」
来てない来てない! 状況的に貴方も拉致監禁されてますよね!?
困惑していると背後から女性の声がかかる。
「はい、そこのバカもとい生徒会長は君に話があってここに居るのです」
「状況がつながらないんですけど?」
「同じような状況の人間であれば心の内を開示しやすいかと思いまして」
「ストックホルム式アイスブレイキングって聞いた事ねえよ!!」
そう言うとなぜか困惑した雰囲気が漂った。
馬鹿とか言っているが、後ろのこいつも相当な馬鹿なのでは?
「んで? なんですか? 拉致監禁してまで話したい事って」
「おお! 前行った時より話してくれるよ!」
「だから言ったでしょう?」
「俺が頭おかしいだけだ! 言ってて悲しくなってきたチクショウ!!」
俺が叫ぶと慌てたように生徒会長が話始める。
「あの、休んでくれない?」
「それが出来たら苦労してないです」
「はぁ、これだから。私が代行します」
そう言って背後の女性が俺の目の前に来た。
「オウムアムアは過去類を見ない勢いでランクを上げています」
「みんな頑張ったからな」
「生徒会としても鼻が高いよ!」
俺と会長の言葉に女性は頭を振ってさらに説明を続ける。
「その内容が問題なのです。水星王族に金星企業のエース、高すぎる技量を持った地球機乗りに火星機乗り」
「ああ、
「それも少しありますがもう1機。天海冥機デスウラヌス。裏工作で何とかねじ込めましたが…………それもまあ、良いでしょう」
じゃあ何が問題なのか? と質問すれば、大きくため息を吐いて説明をした。
「そしてそれらを全て整備するあなた。端的に言います、このままだと過労死します。なのでこちらで強制的に休ませる事にしました」
「ん? ちょっと待って?」
いや、死神の足音は聞こえていたけども!!
「そ、それだけ? それだけで
「はい、それだけの腕を持つメカニックを過労死させたとあれば生徒会のメンツが立ちません」
生徒会長がボコボコになっている時点でメンツも何もないと思うのですが?
「そうそう、準備期間は1ヵ月に設定してあるから負けても夏休みに直撃するし、丁度いいかなって」
「それを最初に言ってくださいよ!!」
「言ってなかったんですか!? コミュ障生徒会長がッ!!」
「ひっ!? 止めてイジメないで!」
素早くボコボコにされる生徒会長、途中からどこから取り出したのか鞭を取り出しての苛烈な攻撃。
外から見えないような場所を的確にブッ叩く姿は歴戦の女王様だった。
「という訳で地井さん、流星さんに
「なるほど、でも本人が居ないようじゃなんとも」
俺がとある理由で決めあぐねていると、扉が開く音がして流星の声が「お邪魔しまーす」と聞こえた。
「そ、そう言うのはせめて日が落ちてからで…………お取込み中失礼しました」
「流星! 入ってきて! お願いだから!!」
その後一悶着ありながら、俺と生徒会長の拘束も解け。4人椅子に座って話合う形になった。
「こちらとしては地井さんを休ませたいと思っていまして」
「あ、地井って苗字で呼ばれるの嫌いなんで名前で呼んでください」
「太一さんを休ませたいと思っています」
「確かに、太一は働きすぎだとは思っていましたが…………」
「先ほども言いましたが準備期間は1ヵ月で開戦から2か月の停止期間ですので夏休みの間だけでも
やっぱり、ちょっと引っかかる。それは流星も同じようだった。
「目的が分かったので俺は別に良いんですが…………」
「何か問題でも?」
「なんで最初っから勝つつもりなんですか?」
「ほう?」
そう、こいつらは俺らが負ける前提で話している。その質問に生徒会長が答えた。
「そりゃ、僕たち最強だし?」
「会長! もう少し言葉を選んでください!」
「太一」
「ああ」
言葉を選ばなくても言いたいことは分かっている。
「俺達オウムアムアはその勝負受ける」
「ただし、
「「首洗って待っとけ」」
俺と流星の声がはもった。
「元気があっていいね」
「ま、まあ結局はこちらの想定通りになったのでよかったのではないでしょうか?」
「あと、勝ったらそっちの整備士全部寄越せ、全体の1/3の資金もつけてな」
そう言って俺たちはその場を後にした。