ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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生徒会戦の顛末

 オウムアムアの敗北が決定し全員が学園に移動中の母艦の中の出来事だ。母艦の中はお葬式のような空気になり俺とネル以外の全員が泣いていた。

 なんだか居たたまれなくなり俺は流星に話しかける。

 

「な、なんかあいつら励ましてくれよ、皆泣いてんだろ?」

 

「泣いていない、俺、泣いてない」

 

 斜め上を見ながら唇を噛みしめて嗚咽漏らさず男泣きをしていた流星。どうしよう、流星が何も聞いてないし、はじめての敗北がこんなにもみんなに影響を与えるとは。ひとまず俺が皆を励ました。

 

「ま、まあこれからもっと強くなろう、俺もデスウラヌスの改造も木星機(ヴァリアブル)も改造までは着手できなかったし反省点はいくらでも」

 

「私が一番悪いっス~!!」

 

 俺の言葉にコルデーが号泣した。

 

「あー、悪いとかじゃなくてだな?」

 

「私が土星機使いって事隠してたからダメだったっス~!」

「私も皆さんにハッキング出来るって隠さなければ…………」

「もっと強く…………私が火星教義に固執しなければもしくは」

「おじいちゃんも許してくれるかなぁ」

「もっと割りの良い依頼を取ってこれなかった私が悪い。う、ううぅ」

「うちらも実力不足だったって言うか?」

「もっと連携訓練した方がよかったかも~?」

 

 あんまりにも早い反省会でネル以外の女子全員で涙ながらに抱きしめ合っていた。助けてください、ここ最近で一番キツイです。

 顔を拭った流星が俺に質問してくる。

 

「そういえば、ネルは?」

 

「ん、ああ、その話は今一番俺にしないでくれ」

 

「え?」

 

「あの生徒会長をぶん殴る」

 

 その言葉を皮切りに、母艦の中には嗚咽だけが響いていた。

 

 

 

 

「オウムアムアの諸君! とてもいい戦いだった」

 

「うちの子に何さらしてくれとんじゃー!!」

 

「太一ぃ!?」

 

 アレンのにこやかな顔を見た時俺は飛び蹴りをした。

 

「見ろ! お前のせいでうちの子がこんなでっかいたんこぶが出来ちゃったでしょ!!」

 

「パパいたい」

 

「こ、子持ちだったのかい?」

 

「誰がパパだぁ!!」

 

 吹っ飛んだアレンにネルを掲げる。天海冥機デスウラヌスの機体情報がネルの体にフィードバックされる仕組みであるが故に、ネルの頭には漫画みたいなたんこぶが付いていた。

 

「くそ! うちの子をこんな目に!!」

 

「太一落ち着け! お前はパパじゃないんだろ!?」

 

「俺はパパじゃなくてもネルはうちの子です!!」

 

「不味い! 太一が錯乱している皆止めて!!」

 

 俺はオウムアムアのパイロット全員に取り押さえられた。

 

「離せ! 同じぐらいのたんこぶを作ってやらなきゃ気が済まない!」

 

「落ち着けって!!」

 

「パパこわい」

 

 

 

 しばらくして俺は冷静さを取り戻した。同時に泣いた。

 

「俺はゴミだ…………技術も低くもっと強力なSEも作れないゴミカスメカニックだ」

 

「もうこれでいいや」

 

 流星と同じ泣き方をしながら生徒会のメンバーが3人に増えてるのに気が付いた。

 俺を拉致監禁した時の女が俺達に向かって説明をする。

 

「単刀直入に言いますが、今日から2か月生徒会からオウムアムアに生徒会所属パイロット研修指導教官依頼と他惑星SE整備研修の協力という形でオウムアムアの全SEの貸し出しを依頼したいと思うのですが、いかがでしょうか?」

 

「指導教官とSE整備研修? えっと、ミーシャこれは受けて良いのか?」

 

「流星、絶対に受けろ」

 

 ミーシャがそう言うと流星はその依頼を承諾した。生徒会の2人にミーシャは問いかける

 

「もしかして最初からか?」

 

「いいえ、ミーシャさんとこが頓死していれば最初の通り太一さんの2か月活動停止に留まっていました」

 

「そうそう、君たちが頑張ったから僕たちは『低ランクの星進隊(プロトン)に良いようにやられてなりふり構わない最低の生徒会』の噂を払拭せざるを得なくなったんだ」

 

 ここで依頼を頼む事によってその噂から『実力ある低ランク星進隊(プロトン)を起用するために生徒会側から試合を仕掛けて対外的にその実力を証明して見せた』って言うパフォーマンスにしたのか。

 

「指導教官は飾りですし、他惑星の整備経験はこちらにも利があります。どうかこの2か月良い夏休みを」

 

「うん、休みは休むんだよ。2か月開けも夏休みだがきちんと文化祭の準備をするように!」

 

「はぁ、会長が楽しみにしているだけでしょう?」

 

「バレた? ともかく今回は楽しい戦いだった! できればまた戦おう!」

 

 そう言って生徒会メンバーが去って行った。その場に残った俺達は少し話合った。

 

「なんか、結果オーライか?」

 

「そうだな、若干1名飲み込めてなさそうだから纏めると、ちょっと金貰って、今回のSE全修理してもらう、新しい依頼は受けられないって所だな」

 

「え? 本当に? めちゃくちゃ良いじゃん!! 頑張った甲斐あったな!」

 

 流星がそう言うとアリアが呆れたように提案する。

 

「しばらく、流星さんは星進隊(プロトン)周りのお勉強でもしましょうか?」

 

「SEの事以外覚えてないと思うぞ…………」

 

「え? 何? なんの話? なんにせよしばらくは一件落着って事だよな?」

 

 そう言う事にはなるか。

 

「夏休みをどう過ごすかでも話合おうぜ?」

 

 後1週間ほど経ったら夏休みの時期に入る。俺は今学生だ、心のなかで小躍りしながら惰眠でも貪る事にしよう。

 そう俺は決意を新たにして、俺達は解散した。





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