ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
俺達が負けてその日の内に俺は久しぶりに寮に戻っていた。男子寮へ向かう途中で流星と駄弁りながら帰るのも久々だった。
「いやー、寮で寝るのなんか久しぶりだな」
「ここ最近全部忙しかったもんな」
「ああ、今日は残念だったけど久々にベッドでおねんねさせて頂きますわ」
「そうしなよ、じゃ、俺こっちだから」
そう言って流星と俺は別れた。
仕方ないとはいえ最近は女だらけの中で働いていたから、こういう同性との気兼ねない会話も楽しんでいた。
「ただいまー」誰も居ないのは分かっていたがそう口に出して俺の部屋を開ける。時間的に同室の奴は授業にでも出かけている事だろう。
扉を開けたがやはり誰も居ない、俺の領地はほぼ来てないから奇麗な物だ。シャワーも浴びずに俺はベッドに飛び乗った。
「あ゛あ゛~」
体の疲れが睡魔を呼びよせた、その呼び声に従って目を閉じる。
しかしやられたな、
「あああああ!!!」
俺は目を閉じた瞬間に流れ出す脳内整備計画を取っ払う為に叫んだ。…………社畜精神が骨身に染み込んでいる!
俺の脳内に俺自身が恐怖した。俺はこれから2か月間
そんな感じでベットの上で悶絶しているとノックされた。さっさと寝とけばよかったのにと後悔しながら眠たい目を擦って扉を開ける。
「土星アンドロイド! へこ太郎なのだ!」
「………………」
目の前が真っ白になった。
「へこ太郎はホーモットさんに用があるのだ! ホーモットさんは今どちらに居るのだ?」
「あいつはこれからこっちに行くんだ」
俺は適当に下を指さした。
「下のお部屋で待っているのだ?」
「俺が手ずから地獄に落とすんだよ」
「ひっ!? 怖いのだ! 殺人犯なのだ!」
俺は怒り心頭だった。説明しよう! 土星アンドロイドへこ太郎とは、そういうロボなのだ。
へこ太郎はホーモットが呼んで、何らかの理由でこっちにこれなかったのだろう。俺がどうしようかと考えていると廊下に人影が見えた。
「あっ」
ホーモットその人が俺と目が会うなり脱兎のごとく逃げ出し俺は追った。
「待てやゴラァ!!」
「ご、誤解だ!」
「ゴカイか! 海が良いんだな!!」
「処理まで考えてる!?」
「イヤー!!」
「グワーッ!!」
奇麗にその背中に飛び蹴りをかました。
ホーモット・クングス。俺の寮の同室の好青年改め変態クソ野郎である。
「で? デリバリーへこ太郎を使って何する気だったんだえ──っ!!」
「そらナニを、落ち着いて話し合おう」
「テメエ俺が居ない間にナニしてたんか? 殺すぞ?」
「で、出来心と言うか…………校則には違反しないし」
「モラルが違反してんだろうが」
「一緒にやる? オプション代は 払うから」
「字余りだが辞世の句はそれでいいんだな?」
非常に腹立たしいがこれ以上の会話は不可能として俺は1発殴って済ませた。
「後3時間ぐらい外出ててくれない?」
「図々しすぎるだろお前…………ほどほどにしろよ」
負けたのに部屋を追い出される俺。惨めになって涙が出て来た。
部屋を追い出されてムカつきながら気分転換がてら散歩していると、温かい風が俺の頬を撫でる。風の赴くまま散歩していると、流星と出会った。
「よっ、お前も追い出された口か?」
「追い出されたの? いいや、悔しくて眠ろうとしたけど眠れなかった」
「俺も似たような…………似たような物だな!!」
「なんで強調したんだ?」
何と素晴らしい心持ち、社畜精神の権化のような思考で寝れなかった俺とは大違いで、先ほどドブみたいな精神性を持った人間を見た直後だからかすごく眩しく見える。
小高い丘に登って夕日を眺めながら俺は流星と駄弁っていた。さっきも軽く話していたのに、会話が尽きる事はない。
しばらくして夕日も沈んだ頃、俺の方の時間も良い頃合いだ。
「じゃ、俺はそろそろ帰る、風邪ひくなよ」
「ああ、俺も帰るか」
そう言い合った後、俺のスマホに連絡が入った。
『もう3時間』
「延長してんじゃねえ!!」
「何があったの!?」
甘い顔したのが悪かったのか、それともここ1ヵ月でハッスルしすぎたアイツが悪いのか。もう一回殴ると決めながら俺は適当な所で時間を潰すのだった。