ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
夏期長期休暇中、留学生は地球でしか出来ない体験をする事。
俺達が生徒会に負けて次の日、何故かオウムアムア全員が学食で集まっていた。珍しい事もあるもんだと、俺は全員に話しかける。
「なんで皆集まってるんだ?」
「太一か、全員プライベート用の連絡先を知らない事が判明して、こうして集まって親睦を深めている所だ」
「…………お前ら友達とか居なかったんか?」
俺の言葉に流星とミーシャ以外が目を反らす。
「王族に友達はいませんわ」
「私は購買に居れば顔は合わせられたっスからね夏休みには店じまいだったこと忘れちゃってたっス」
「実は友達付き合いと言うのが何分初めてな物で…………」
「仕事ばっかりだったし。で、でもちっちゃい時には居たよ?」
「私は…………イジメられてたからな」
「入った時からクソ忙しかったっしょ?」
「ギャルはすごく空気読むよ~」
「女子寮に居れば特に問題は無かった」
「ともだち?」
「ごめんて」
みんなの柔らかい所を突いてしまった様だ。
「ん? てか俺も流星以外の連絡先知らんわ」
「死ねっス」
おっと一気に風向きが悪くなってきた。俺は大体整備ドックに居るか流星からの又聞きで何とかなってたのを忘れていた。
手早く全員と連絡先を交換して…………ネルお前スマホ持ってたんか?
「そういえば太一はここに居ていいのか? あ、ポテト貰い」
「問題ないだろ? 活動停止とはいえ連絡まで禁止されちゃいない。これで整備し始めたらクソ怒られるだろうけどそれは生徒会でやってくれるしな」
流星の疑問に答えて、俺は持ってきたフライドポテトをみんなに差し出した。黙々と食べている中で俺は気になった事を口に出す。
「逆にお前らパイロット組の依頼はどうなっているんだ?」
「依頼契約を詰めて行ったら私達は何もしなくてよくなっちゃいました。これまでのフィードバックだけでも、かなりの情報があるらしいですよ?」
アリアがそう答える。
「じゃあ、オウムアムアの全員夏休みが夏休みって事? スゲーな」
「おおむねそうなる。個人依頼の方は全部蹴っても良いしな」
生徒会のみなさん!! 会長蹴ってすんませんした!!
心の中で生徒会に謝りながら、俺は口に出して思案する。
「しかし夏休みか、俺達は去年長期休みが無かったからどうした物か」
「え、何があったん?」
俺の言葉にゼリアが質問した。
「俺はやらかし、流星は成績下位の補習だな」
「そうだったそうだった、今年はなにしようかな?」
「俺達はいい加減里帰りしないと殺されるぞ」
1年間極東に戻っていない俺達は親の心を考えるとかなりの心労を掛けているはず。と言うか学園の長期休みは里帰りの為の期間でもある。
地球から土星とか平気で1週間はかかるし、そのために3カ月も休みを用意している。温暖化進んだせいでその位休みたいって理由もあるが。
「確かに、久しぶりに帰るか」
「そういえばお前ら里帰りしないんか?」
「わたくし、里帰りは出来ませんわ。確か流星さんには話してますが皆さんに話してないですわね」
メリルがそう言うと同じような事を流星以外の全員が言った。…………え、ネルまで?
全員に里帰り出来ない理由があるようだ。一人づつ聞いく事にしよう。
「わたくし水星王族の王位継承権から降ろされましたの、ですので帰っても居場所がありませんわ」
とはメリルの談。…………重くない?
「10歳の時から親に勘当されてます、そこからホワイトハッカーやりながら学生してますね。ははは、今考えれば当然なんですけど」
とはアリアの談。…………当然じゃ無くない?
「うちらはとっくに両親が死んでて、木星建設作業団で育てられたし、故郷とか両親とかピンとこないってマジウケる」
「作業団のみんなが家族だったね~」
とはゼリアとピールの談。…………ウケなくない?
「母親から逃げる為に中1で極東に留学してから土星に帰って無いっス。絶対会いたくないっスから」
とはコルデーの談。…………怖くない?
「両親が教会の上層部でな…………口ではいつでも帰ってこいとは言っているが、どうにもSE絡みの話になると困ったような顔をするから、多分迷惑を掛ける」
とはベローナの談。…………ヤバくない?
「おじいちゃん死んでからは会社の寮だったし、仕事忙しくて友達作るって事も無かったから、向こうに帰る理由が無いかな?」
「あ、私は両親と不仲だ」
とはイルシアとミーシャの談。…………悲しくない?
「…………パパいなくなっちゃった」
「おもーい!!」
俺は叫んだ。
重すぎて胃もたれしそう! 助けて!! 茶飲み話位の気軽さで話振ったらとんでもないフラペチーノ出て来たんだけど!? 新作出たの!?
「軽いっスよ、このポテトサックサクっスよ?」
「ポテトの話はしてねえよ!!」
「太一落ち着いて」
「流星お前よくこの話聞いててその反応が出るな!?」
俺泣きそうなんだけど! ロボットアニメ級の悲しき出生なんだけど! そういやここロボゲー世界でしたね! ギャルゲー要素カムバック!
心の中で錯乱しながらそう言っていると全員が気にするな的な事を言っている。ええ子たちや…………。
「で、太一相談なんだけどさ」
「いいよ! 良いに決まってる!!」
「おお! じゃあ夏休み中は全員俺達の家って事で!」
夏休みはオウムアムアで
「あ、もしもしお袋?」
『急にどうしたの?』
「今年は帰れそうだからそっち行くんだけど、友達9人連れてきていいか?」
『流星君から聞いてるよ~。太一が断ったらぶん殴ろうと思ってた所』
「暴力反対。ありがとう詳しい日程は追々連絡するよ」
『で、彼女は出来たのかしら?』ピッ!
俺は通話を切って全員に向き直る。着信音が鳴り響いているが無視する。
「許可は取ったし、全員クソほどもてなすから覚悟しとけよ」
「私西日本食材協会の方も行きたいっス!」
「せっかくだから休み中は極東全部回ってみるか!」
流星の言葉を皮切りに、さっきの重たい話が嘘のように談笑している。コルデーが西日本の方で留学していたからか、極東の話で盛り上がっているようだ。
「なんにせよ、この夏は楽しくなりそうだ」
談笑に混じろうと俺もゆっくりと席に座る。青春の前にポテトなんかもう無くなっていた。
ちょっとした設定。
夏期長期休暇のしおり
①学園生である自覚を持ち社会規範から逸脱しない行動を取る事
②長期休暇中の部活動、
③夏期長期休暇中、留学生は地球でしか出来ない体験をする事。
④大いに夏休みを楽しむ事。