ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

38 / 59
ダイサツマー

 アラスカに到着してしばらくの休憩の後、全員からゆっくり進め。という命令を受けた現在。

 

「ゆっくりだけどさ」

 

「右をご覧ください。イワシの群れでございます」

 

「わー、かわいー」

 

 現在海中でクルージングとなっております。

 

「左をご覧ください。群れからはぐれた鯨になります」

 

「近く無いっスか!?」

 

 うおーんと鳴く鯨の低い声が聞こえて、ゼリアとピールが震えている。海中は木星の2人の方が苦手らしい。

 

「この声は俺も怖いな」

 

「ノイキャンつけておくか」

 

「無駄に高性能だ…………」

 

 どこに高性能ポイントを感じているのだろうか?

 

「アラスカ海流に乗って3時間ぐらい。あとは自動航行だからしばらくゆっくり出来るぞ」

 

「一体どうなる事かと」

 

「食う? 撃てるけど?」

 

「撃てる?」

 

 ベローナがバックミラー越しに睨みつけてくる。

 

「嘘だよ、流石に魚雷は積んでない」

 

「ハハハ、心臓に悪いな…………魚雷は?」

 

「ははは」

 

「おい」

 

 ハンドルから手を放し、頭の後ろで手を組んだ。バックミラーを見れば、全員がジトっとした目で俺を見ている。

 

「この車には機能が盛りだくさん」

 

「話を逸らすな」

 

「光る」

 

「わー、ゲーミングだー」

 

「アリアさん!?」

 

 座席の下がゲーミングに輝いて、アリアが喜んでいる。やっぱPCパーツと言えばゲーミング、分かっている者だ。

 

「鳴る」ジャキンジャキン!

 

「おおー」

 

「流星!?」

 

 鳴るのは男の子のロマン。高性能3Dプリンタが普及し始め、DXな玩具はめっきり見なくなってしまったが、極東に刻まれた男のロマンは消えない。

 

「後、お前らには馴染み深い全天周囲モニターもあるぞ」

 

 ピッとボタンを押して周囲が海中の景色へ。おや? 女性陣が悲鳴を上げたぞ?

 

「うーん、何がいけないんだろう?」

 

「急に全部海中になればビビるだろ!?」

 

 とりあえずモニターは戻した。ちょっと寝るか、どうにも余計な事しそうだし。一言声をかけて俺は眠りについた。

 

 

 

 2時間の仮眠でおめめスッキリ。どうやらその間に、日本の太平洋沖まで着いたようだ。

 

「おはよう」

 

「おはよう、ここから海上に出るから、海中の景色とはおさらばだ」

 

「気が気で無かった…………」

 

 口々にそういうと、イルシアが俺に質問を投げかける。

 

「なんで海上に出るの?」

 

「水中機雷あるんだよ」

 

「なんでそんな物が?」

 

「戦時の名残らしい」

 

 コルデーと流星以外が渋い顔をしている。そうは言ってもそういう文化なんだもん。

 

「万が一あったら困るし、後もう一つ、海上からなら今の時間だとガイアクロウラー戦が見れるかもしれない」

 

「ガイアクロウラー戦?」

 

「SEの前身、軍事用の人型兵器を戦わせてんだ。じゃ、上がるぞー」

 

 海上へと移動し、車を水上ホバー駆動に変える。遠くの方に見えた海岸線に、2機のロボットが戦っている。

 しかし、その戦いぶりはSEしか知らない人間には、とても異質に見えた。

 

 1機は全身が爆発しながら大刀を振り回し、1機は蒸気を噴出させながら拳を振るう。そして何より。

 

 

 

キェエエエエエエエエ!! 

 

ぶおおおおおおおおお!! 

 

 

 

 

 とってもうるさいからだ。

 

「ようこそ極東へ! これが、無駄な闘争と要らないロマンをかき集めた、国々の姿だ!」

 

「やっぱりダイサツマーはカッコいいな」

 

「西食協のゲイツァーも捨てがたいっスよ!」

 

「コルデーさんまであっち側に!?」

 

 後部座席のネルとコルデー以外が、不安そうな顔をしている。

 あのガイアクロウラー戦以外は普通だから、落ち着いて欲しい物だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。