ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
アラスカに到着してしばらくの休憩の後、全員からゆっくり進め。という命令を受けた現在。
「ゆっくりだけどさ」
「右をご覧ください。イワシの群れでございます」
「わー、かわいー」
現在海中でクルージングとなっております。
「左をご覧ください。群れからはぐれた鯨になります」
「近く無いっスか!?」
うおーんと鳴く鯨の低い声が聞こえて、ゼリアとピールが震えている。海中は木星の2人の方が苦手らしい。
「この声は俺も怖いな」
「ノイキャンつけておくか」
「無駄に高性能だ…………」
どこに高性能ポイントを感じているのだろうか?
「アラスカ海流に乗って3時間ぐらい。あとは自動航行だからしばらくゆっくり出来るぞ」
「一体どうなる事かと」
「食う? 撃てるけど?」
「撃てる?」
ベローナがバックミラー越しに睨みつけてくる。
「嘘だよ、流石に魚雷は積んでない」
「ハハハ、心臓に悪いな…………魚雷は?」
「ははは」
「おい」
ハンドルから手を放し、頭の後ろで手を組んだ。バックミラーを見れば、全員がジトっとした目で俺を見ている。
「この車には機能が盛りだくさん」
「話を逸らすな」
「光る」
「わー、ゲーミングだー」
「アリアさん!?」
座席の下がゲーミングに輝いて、アリアが喜んでいる。やっぱPCパーツと言えばゲーミング、分かっている者だ。
「鳴る」ジャキンジャキン!
「おおー」
「流星!?」
鳴るのは男の子のロマン。高性能3Dプリンタが普及し始め、DXな玩具はめっきり見なくなってしまったが、極東に刻まれた男のロマンは消えない。
「後、お前らには馴染み深い全天周囲モニターもあるぞ」
ピッとボタンを押して周囲が海中の景色へ。おや? 女性陣が悲鳴を上げたぞ?
「うーん、何がいけないんだろう?」
「急に全部海中になればビビるだろ!?」
とりあえずモニターは戻した。ちょっと寝るか、どうにも余計な事しそうだし。一言声をかけて俺は眠りについた。
2時間の仮眠でおめめスッキリ。どうやらその間に、日本の太平洋沖まで着いたようだ。
「おはよう」
「おはよう、ここから海上に出るから、海中の景色とはおさらばだ」
「気が気で無かった…………」
口々にそういうと、イルシアが俺に質問を投げかける。
「なんで海上に出るの?」
「水中機雷あるんだよ」
「なんでそんな物が?」
「戦時の名残らしい」
コルデーと流星以外が渋い顔をしている。そうは言ってもそういう文化なんだもん。
「万が一あったら困るし、後もう一つ、海上からなら今の時間だとガイアクロウラー戦が見れるかもしれない」
「ガイアクロウラー戦?」
「SEの前身、軍事用の人型兵器を戦わせてんだ。じゃ、上がるぞー」
海上へと移動し、車を水上ホバー駆動に変える。遠くの方に見えた海岸線に、2機のロボットが戦っている。
しかし、その戦いぶりはSEしか知らない人間には、とても異質に見えた。
1機は全身が爆発しながら大刀を振り回し、1機は蒸気を噴出させながら拳を振るう。そして何より。
キェエエエエエエエエ!!
ぶおおおおおおおおお!!
とってもうるさいからだ。
「ようこそ極東へ! これが、無駄な闘争と要らないロマンをかき集めた、国々の姿だ!」
「やっぱりダイサツマーはカッコいいな」
「西食協のゲイツァーも捨てがたいっスよ!」
「コルデーさんまであっち側に!?」
後部座席のネルとコルデー以外が、不安そうな顔をしている。
あのガイアクロウラー戦以外は普通だから、落ち着いて欲しい物だ。