ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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帰郷

ガイアクロウラー戦はしばらくしたら決着が着き、北海共和組合のメタルカムイが勝利した。いやー、ダイサツマーも強いんだけど、流石にアウェイ戦だときつかったか。

 

今は福島当たりまで上陸して陸路で埼玉に向かっている所だ。

 

「…………あんなのが外に情報が洩れずに残っていたのか」

 

「完全に宇宙開発とは関係ない、そんな技術ツリーを伸ばしているからな。教科書じゃ紹介されないさ」

 

俺がそう言うとイルシアが質問する。

 

「アレ駆動方式は何なの?全身が爆発してたし、全身から蒸気が出てたけど」

 

「ダイサツマー。爆発している方が火薬駆動。メタルカムイ。蒸気はバイオリアクターでの副産物だな」

 

「火薬駆動?バイオリアクター?」

 

生徒会戦で使った、サイゴウゲイザー。アレは爆発反応装甲を自爆させて推力を得ていたのだが、ダイサツマーは()()()()に火薬を使っている。

操作感が悪くなるが、文字通り爆発力と馬力はピカイチで、操作感は突撃しかしない為問題ない、と言うなんとも漢らしい機体だ。

 

メタルカムイは有機物の分解で発生するガスや熱を動力に変えている。とってもエコな機体だ。

 

「有機物の分解って…………そんなにパワーがあるのですか?」

 

「普通は無い。だが、少ないパワーで動かせる技術を伸ばしたらしい」

 

「なんでそんな物に注力したんですの!?」

 

「人間が生きてる所なら、絶対に使える駆動方式ではあるから。航行艦非常用電源とかに使われている、素晴らしい発明だと思うぞ?」

 

そんな雑談をしながら陸路で1時間、高速道路から見える街並みですら珍しいのか、みんな窓に張り付いている。

 

「普通車ってこの位の速度だよな」

 

「わたくしの知っている普通は空も海も行きませんわ…………」

 

「別に乗り換えればいいしね、単騎でなんでそんな所まで行くのやら」

 

「帰りの飛行機の予約を今からでもして置くか?」

 

「「「「賛成」」」」

 

「え?そんなに帰りたい?」

 

「お前の運転で帰りたくないんだ」

 

何だ?フロントガラスをスモークした覚えは無いんだが…………。な、泣いてる?俺が?

 

「でも町並みは普通だね」

 

「それが逆に怖いですわ」

 

この車はそれでも200キロは出ているんだけど。旧世紀的にはこっちの方が怖い。

数回の休憩を経ながらようやく埼玉まで着いた。

 

「実家まで後10数分って所だ、皆、長旅ご苦労さま」

 

「倍疲れたが?」

 

もう文句は受け付けない。長めに休憩を取ったから現在4時、まあ、丁度いい時間だ。

程なくして真壁、地井、両家の家へ着いた。

 

「どういう家だ?」

 

「あー…………ちょっと変わってるかも」

 

「これは流星基準でも変わっていて!?」

 

鉄の箱のような町工場と、コンクリの箱のような豪邸がぴったりとくっ付いている。2軒分だけの九龍城のようなアンバランスな家だ。俺も感覚が麻痺していたが、初めて見たら驚くか。

 

「これまでの家は普通に一軒家だったぞ!?」

 

「両親から仲いいし、くっ付けようぜってなったらしい」

 

「どんな家族なんですか…………?」

 

「まあまあ普通の両親だよ?ただいまー」

 

流星を皮切りに豪邸の方へ入って行く。全員お邪魔します、と教えた挨拶を言いながら入る。エプロンを付けた、俺のお袋が出迎えてくれた。

 

「お帰り、そしていらっしゃい、太一の母愛美(まなみ)よ、自分の家だと思ってゆっくりして頂戴。さ、立ち話もなんだし入って入って!」

 

お袋に促されるままに、全員がリビングで座った。流星はお袋について行って、お茶菓子の準備をしている。

 

「なんか、普通ね」

 

「確かに、うちら普通の家族わからないから、アレだけど」

「優しそうなひとだったね~」

 

ちょい、重そうな話をするのは止めてくれ。お袋が聞いたらどうなるかわからん。

 

「ビビりすぎだって。別に取って食ったりはしねーよ、見ろネルを」

 

ソファーに乗って、ぴょんぴょんと跳ねているネルを指さす。

 

「あそこまで出来ませんわよ?」

 

「そこまでしろとは言ってないがな」

 

すると、お盆に大量の麦茶を乗せたお袋と、茶菓子を大量に乗せたボウルを持った流星が帰って来た。

 

「はい、おまちどう。あ、天海冥機デスウラヌスも居るのね。太一、お父さん呼んできなさい」

 

「おう、分かった」

 

そう言われて連絡通路を通って、俺の家へ向かった。工場で部品を弄っていた親父に声をかける。

 

「ただいま、友達来てるからちょっと顔出してくれないか?」

 

「お帰り、遅い里帰りだったな。母さんから聞いてるよ、ちょっと待ってて、極東部品のすばらしさを伝えねばならない」

 

「要らねえよ、顔だけ出してこい」

 

「そう?いい出来だから経験になると思うんだけどなぁ」

 

ちらちらと俺の顔を見て、部品を前に出してくる。親父とは、仕事を自慢したい生き物なのだ。…………俺も似たようなもんだったわ、来る時テンション上がり過ぎた。

 

「2か月こっちに居るから、タイミングなんかいくらでもあるだろ?その間にもっと凄いの作ればいい」

 

「おお、そうか。じゃ、ちょっと待ってくれ、シャワー浴びてくるから」

 

「身を清めてどうする気だ!?顔出してからにしてくれ」

 

親父のケツを蹴りながら、流星家のリビングに戻る。

 

「お揃いで、俺は太一の父。武生(たけお)です、よろしく。あ!天海冥機デスウラヌスも居るじゃん!懐かしいなぁ!」

「え?」

「まあ、紹介すると、机に座ってるのが左からアリア、イルシア、ゼリア、ピール、ベローナ、メリル、コルデー、ミーシャ、そしてソファーで寝っ転がっているのがネルだ」

「おーい」

「名前まで付けたのか、腕上げたな」

「デスウラヌスの事なんで知っているのか聞かないのか?」

「驚くかもしれないが、あのネルは天海冥機デスウラヌスって言ってSEだ」

 

「ああ、知ってる。今は太一がパパなのか?」

 

「俺はパパじゃねえ!けど、みんなの家族みたいなものだ」

 

「認知しろ、天海冥機デスウラヌスのママは?」

 

「ママ?ってなんだ?」

 

「あ、なんだ誰も乗せてないのか。うーん、まあ学園生だったらその方が良いのかもな、彗星(すいせい)さんにも伝えとくよ」

 

「分かった」

 

俺は息を吸って吐いた。ちょっと前置きをして、俺は叫ぶ。

 

「なんでデスウラヌスの事知ってんだ!!!」

 

不味い…………話の流れ的に親父がネルの開発に1枚かんでる可能性が。つまり。

 

「直し方とか教えるよ。修理できる位には腕上がってるみたいだし。2か月もあれば全部覚えられるでしょ?」

 

「たしゅけて…………」

 

極東式お仕事行進曲(デスマーチ)の始まりだった。

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