ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
華々しく勝利を飾った俺達オウムアムアの
「ほんっとーに申し訳ありませんでしたわ!!」
高飛車そうな奇麗な女の子の、とてもとても美しい土下座の姿だった。
「んで? 何が起こったんだ?」
「たぶん、アンティかも」
「人に土下座させたまま会話するんですか!?」
それもそうかと、女の子に流星は顔を上げる様に促したが。
「いいえ! それでは謝罪になりません! 謝罪とは誠意! 気持ちが伝わるまで土下座し続けますわ!」
「どんなアンティをしたらこうなるんだ? 洗脳とか?」
断固として固辞して、土下座を続行していた。
「わかんない」
「そうか俺もだ」
「地井さんも流星君も、アンティの内容もわかってなかったんですか…………?」
「頭に血が上ってて」
「普通に忙しかったし。勝ちゃええねん勝ちゃ」
おずおずと、絞り出すようにアリアさんが口を開く。
「最初に決めたのは、こちら側から求めたのはメリルさんの謝罪、メリルさんは
「ほーん、じゃあ、終わりか」
俺は寮に帰って寝ようと歩き始めたが、アリアさんの続きの言葉で足を止める事になる。
「ですがアーキタイプAIによって否決、メリルさん側の要望が多すぎるという事でメリルさんの移籍と機体と機体相応の予算の譲渡をAIによって提案、両者が可決しました」
「ん? じゃあ、ヘルメス…………水星機が俺達の物に?」
「そういう事になります」
…………不味くね?
「向こうの
「えっと賭けの内容に入ってませんね」
「マジか?」
俺は信じられない物を見る目で流星を睨みつけるが、流星はのほほんと後頭部を掻いて照れながらこう返した。
「まあ、別にいいかなって」
「良くない!」
「な、なにがダメなんですか?」
「整備が面倒だ」
その言葉に肩を落とした流星。
「死活!
「で、では、売るのはどうでしょうか?」
「販路がねェ! 良いか? 前にちょっといったかもだが一口に水星機って言ってもその実態は少数精鋭のワンオフ機、水星のSEのノウハウがこれでもか詰まっているんだ! そんなもん売っぱらってみろ、俺たちゃ、下手したら地球が水星に喧嘩吹っ掛けた事になるぞ畜生!」
「惑星情勢の問題ですか!?」
アリアさんが問題を認識したのか悲鳴を上げる様そう叫ぶ。しかし、嘆いてもしょうがない次善の策を口にした
「とりあえずメリルとやらはクーリングオフしよう」
「人にクーリングオフって」
その言葉に思わず顔を上げたメリル、相当ショックを受けたのか土下座の状態のまま俺の足に縋りついた。
「それだけは! それだけはどうか!」
「ええい! 離れろ! ゲイザーなら3機ぐらいなら訳ないが水星機と一緒に2名のパイロットのフィッティングなんか出来るか!」
その言葉を放った俺に足に縋りつき涙目になりながら、俺のいや、極東メカニック星人への特効ワードを放った。
「…………で、出来ませんの?」
「あ」
流星がしまった! と言わんばかりに俺を見る。が、俺はもうそんな事はどうでもよかった。
ブチっと俺の中で何かが切れた音が聞こえたからだ。
「やってやろうじゃねえかよこの野郎!」
俺は縋りつくメリルを強引に立たせて、そのままヘルメスの元へ引きずっていったのだった。
寝不足は地獄の入り口である。
一方残された流星とアリア。流星は頭を抱え、それをアリアは心配そうに見つめた。
それ気が付いた流星は説明を加えた。
「あれ、極東のメカニックには禁句なんだよ」
「何がですか?」
「出来ないの? って、言うのは禁句なの、ああなっちゃうから」
「き、気を付けます」
怯えた様にそういうアリアに流星はフォローを入れる。
「それに太一はなんだかんだ優しいし、変な事にはならないと思うよ」
アリアは流星の目を見て、その言葉が本気だと気が付くと苦笑いだけが部屋に木霊した。
ちょっとした設定
星進隊全星競技規定
Ⅰー2:星進隊メンバーの異動について。
①星進隊メンバーの勧誘は星進隊に未所属の者に限る。
②所属している星進隊から脱退する場合はチームリーダーの許可が必要である。
③星進隊メンバーの移籍には両チームリーダーの許可が必要である。
④チームメンバーを脱退させたい場合は、しかるべき理由で届け出を生徒会に提出し審査を受けた上で脱退させなければならない。
⑤脱退者は3日の猶予が与えられる。3日の内に脱退理由が消失した場合、星進隊から30日間は脱退出来ないものとする。