ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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温泉回

「なーんで温泉回が俺らだけなんだろうな」

 

「何が?」

 

 ネルを改造した次の日、地井製作所の地下で、俺と流星は温泉に入っていた。

 オウムアムアの面々は近くの温泉施設に行っているが、何故か俺達だけは、温泉丸で作った風呂に入っていた。

 

「お前、大丈夫? 風呂上りの艶姿とか見たくないんか?」

 

「それより温泉丸のでっかい風呂がいいかなって、スマホ弄れるし」

 

 確かに風呂にスマホ持ち込めるのは魅力ではある。

 適当に作ったプールに、温泉丸のお湯を注ぎこんだだけの簡単なお風呂だが、足伸ばせるわ温泉丸から給電出来るわで便利な物なのだ。

 

 流星を見れば、寝風呂でスマホをポチポチしながら完全にリラックス状態。

 

「たまにはクッソダラダラしてるのも良いか」

 

「そーそー、たまには休まないと」

 

 そう言われて、俺は温泉丸の打たせ湯モードを解除して、寝風呂に移った。最近気になった事を、流星にぶん投げてみる。

 

「お前、皆の誰かと付き合わねえの?」

 

「うえっ!?」

 

 スマホをお湯に落とした流星。かなり動揺していて、結構面白い。俺は口角が上がるのを自覚しながら、次々と動揺を誘うため質問を続ける。

 

「そういう反応するって事は、お前もそう言う目で見てたんだなぁー」

 

「悪いかよぉ!? もって事は太一もそうなのか!!」

 

「あん? 別にいいだろ? それより、いつも顔突き合わせているくせに、浮いた話の一つもない方が怖い」

 

 俺より、パーティーリーダーとして、全員と交流しているんだ憎からず思っているだろうと、思っていたが返答は重い物だった。

 

「…………ぶっちゃけ、それより皆幸せにしたいよ。星進隊(プロトン)のランクが上がれば、就職や進学にとても有利になる。みんなが思い思いの道に行けて、自分で道を決められるんだ」

 

「あー」

 

 詳しく把握している訳ではないが、全員が全員重い過去持ち。それでいて、大体が留学生で事情がある。だから好きな星進隊(プロトン)にも行けないから、ここでランクを上げるしかない。

 

「なるほど、分かった」

 

「だから今は恋愛とかはいいかな」

 

「じゃあ、みんなが自分の道を決めたその上で、お前と共に歩みたいとか言われたらどうするんだ?」

 

 そう聞くと、流星は奇声を上げながら湯船に頭まで入った。俺は非常に楽しい。ニコニコしながら奇行を眺めていると、流星が急に浮上してきた。

 

「太一はッ!! 太一はどうなんだッ!!」

 

「いやぁ、あまりにもノンデリ過ぎて無いだろ」

 

「なんで自覚あるなら直さないッ!!」

 

「フルチンでこっち来んな!!」

 

 掴みかかろうとする流星を制して一旦落ち着かせた。

 

「それで? 太一はみんなの事どう思っているんだ?」

 

「ん? まあ好きだよ。俺の改造機に文句付けるのは頂けないが、注文付けた改造機なら平均以上に乗りこなしてくれるからな」

 

「なんでSE基準でLIKEなんだ? じゃあ、コルデーとミーシャは?」

 

「あいつら頭おかしいだろ?」

 

「たぶん太一に引っ張られている」

 

 そんなバカな。

 ただまあ後は整備科(メカニック)の特性もある。

 

「ただまあ、嫁とか妻だけだったら、優秀な整備科(メカニック)は結婚するの早いぞ?」

 

 優秀なメカニックは結婚するのが早い。大体の収入が高くて、政府からの結婚支援まで入るからだ。

 

 因みに学園黎明期だと、その意味が全く異なる。

 メカニックの他惑星からの引き抜きが多くて、その合法的な手段が結婚だったからだ。優秀なメカニックに告白されたら、一瞬で結婚まで行って別の惑星に連れてかれる。

 

 それを防ぐ為の整備科(メカニック)の校則だったんだが、今は、純粋に恋愛にかまけている程暇じゃなくなったのが大きい。

 

「恋人を1段飛ばしてどうするんですか?」

 

「あっ。まあ、後はあれかな。紹介とかされたら、アタックはするかな」

 

「…………メリルが太一の事ちょっと良いなとか言ってたぞ?」

 

「マジ!? ちょっと行ってくる!!」

 

「嘘だよ!? 後フルチンで行くな!!」

 

 俺の肩を掴んで静止する流星。

 

「んだよ、テンション上げて損したぜ」

 

「…………イルシアもちょっと良いなとか言ってたぞ!」

 

「マジ!? ちょっと行ってくる!!」

 

「学習しろよ」

 

「ちょっと面白いなみたいな顔すんじゃないよ! 俺の純情を弄びやがって!!」

 

 すると、思いついたように流星が言った。

 

「確かネルも」

 

「それは無い! うちの子ですよ!!」

 

 そう言うと大笑いしながら、流星は寝風呂に再び身を浸けた。俺もちょっと疲れたな、隣の寝風呂で寝るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目覚めた時には、オウムアムアが全員集合。流石に全員水着を付けて居るが、女子の姿にどこかくらくらしそうだ。

 どういう事かと流星に話を聞いた。

 

「あれから6時間寝っぱなしだったぞ?」

 

「うそぉ!? で、どうしてみんながここに居るんだ?」

 

「みんな温泉から戻って来てしばらくして、ネルがどっか行っちゃって、探したら太一のそばに居てね。どうせならもう一回入るかっていう事でこうなった」

 

「なんというか、大胆と言うか」

 

「ここなら迷惑も考えなくていいかなって」

 

 そう言って流星は視線を外し、浴槽で泳いでいるネルを見た。…………ちょっと忙しかったに違いない。

 

「最初っからこっちの方が良かったか?」

 

 流石に、年頃の男女が同じ湯船に入るのは不味いか。流星もそう思ったのか、無言で首を横に振った。

 

「かもね、大衆浴場はあまりなじみがないみたいで」

 

「ちょっと失敗だったか?」

 

「いいや、みんな楽しんでる」

 

 ならいいかと、俺は再び湯船に浸かる。

 

 

「てか、俺いつの間に水着を?」

 

 

 親指を立てる流星。…………もうお婿に行けない。

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