ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
買い物に行っていた人間も戻ってきて、俺の両親も仕事を終えた、そして全員が集まった所で俺は酔っ払いの説明をした。
「コレが真壁彗星、流星の母親だ」
「人の母親にコレって…………」
リビングに戻ってきちゃった彗星さんを指さして、俺はそう言い放った。アリアがげんなりとした顔で俺を咎める。
「ああ、良いんだよ、好きだけどちょっと問題はある人だから」
流星が俺のフォローをした。それはそれとして、メリルが切り出した。
「でも挨拶ぐらいはしたいですわね」
「それについて注意点があるんだが、パイロット組は、全員パイロットだって事を伏せて置いて欲しい」
オウムアムアの面々が不思議そうな顔をして、事情を知っている両親と流星は遠い目をしている。補足説明として、俺が話始める。
「彗星さんはかなりのバトルジャンキー、趣味と仕事の境目が無いタイプの人間だ」
「たぶん君に言われたくないぞ?」
「そうだぞ太一、趣味と仕事はきっちり分けないといけないって父さん思うな」
「あなたもよ」
親父と俺が言葉で刺された。だが問題ない、致命傷だ。
「ここまで言っても、多分見抜いてくるだろうけど、死ぬまでの時間は伸びるはずだ」
「殺されるの!?」
イルシアが驚いた顔でこちらを見てくる。目を瞑って思案したのち答える。
「たぶん『流星の彼女になるなら私を倒してからにしろー!!』とか言って、100戦とかやるんじゃないか?」
「やるね」
「やるわね」
「絶対にやる」
俺の言葉に両親と流星が、口をそろえて即答した。
「一体どんな人なんだ?」
「
「フリー?」
「ああ、何でも乗る」
「SEも~?」
「全星のSE乗ってる」
端的に言ったその言葉で、パイロット組は全員戦慄している。
実は、フリーのテストパイロットと言うのは数が少ない。操作系統は出来るだけ画一化はされているが、それぞれの星で、どうしても個体差と言う物は出てきてしまう。
それに前にも言ったが、他の星ではワンオフ機がほぼデフォ。それのテストパイロットが出来るという事は、操縦に関してかなり造形が深い事を示している。
「母さんは割と凄い人で、割と変な人だけど、悪い人じゃないから大丈夫だよ」
「その話を聞いてちょっと怖くなっちゃったっス」
流星の言葉にコルデーが弱音を吐く。うーん、俺も昔は振り回されてたけど、なんか今は丸くなったからなぁ。
実際、親の気分になってみると、息子が大量の女友達を連れて来た、って言うのは心配になるに違いない。
全員納得自体はしたようだ。そしたら、時間も丁度いいし起こす事にした。
「じゃあ、そろそろ起こしますか。そろそろご飯の時間だし」
ガバッ!! 「ご飯!?」
「犬ですか!?」
ご飯と言う言葉で飛び起きた彗星さんに、アリアが突っ込んだ。
「パイロットは食える時に食っとかないとね! え? 女の子が一杯いる!!」
目を再び白黒させている彗星さん、こうなれば誤魔化すしかない。
「久しぶり! 彗星さんこちらは同じ
「早口過ぎて何言ってるか分からないよ!?」
クソッ! 早口で言って混乱させるつもりだったのに!! もう一度!
「左からアリアイルシアメリルベローナゼリアピールコルデーミーシャ武生愛美流星太一だ」
「後半要らないよね!?」
くそう、混乱させるつもりが、逆にはっきりと覚醒させてしまった。諦めたのか、それぞれ自己紹介をしていく。
「アリア・エーデンタールです、しばらく御厄介になります」
「どうもどうも~。紹介されていると思うけど、私は真壁彗星、流星の母よ。よろしくね、それで学科は?」
握手しながら学科を聞かれて、サッと目を反らすアリア。
「え~? 言いたくないならいいけど…………よろしく」
と言って彗星さんは全員に、両手で包み込むように握手していく。一応、全員学科を聞かれたが、右習えでサッと目を背ける。そうして全員握手し終えて、彗星さんの目が座った。
「左から、オペ、
「後半要らないでしょ?」
お袋の突っ込みをよそに、皆が驚きで白目を剥いた。因みに俺も驚いてる。
「みんな凄い乗ってるんだね? 操縦桿のタコがそれぞれ出ているし、分かりやすかったよ」
「俺の努力は何だったんだ…………」
「ふっふっふ、私を舐めちゃいけないよー?」
「さすが年の功ですね!」
痛って~。両方から殴られた頭を擦った。おいそこ「こういうのを見てるから流星さんは女性の扱い方が上手いんですわね」とか言うんじゃない。
「はい! 自己紹介はそこまで! さっさとご飯にするよ!!」
お袋の音頭でみんな食器を用意して食事を始めた。
行儀は悪いが、彗星さんは明るくみんなに話しかけ、和気あいあいと食事が進み、全員が食べ終えた。
そして、ベローナが爆弾を放り込んだ。
「あの、彗星さんは、腕のいいパイロットだとお聞きしております」
「そんなかしこまらなくていいよ? 後、ちょっと違うね。私は、めちゃくちゃ腕のいいパイロットだよ!」
「それを見込んで頼みごとが「いいよ」」
何も聞いていないのに、即答する彗星さん。
ベローナの目を見て、たぎる熱意が伝わったのだろう。
「みんな………………聞くまでも無いみたいだね」
よく見れば、パイロット組とアリアの目が燃えている。
…………止めたのは無粋だったようだ。ああ、もう、どうなっても知らんぞ? と首を振って俺の両親は素早く地井製作所の地下へと向かう。
熱い戦いの火蓋が切られるのは、もうすぐの事だった。