ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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これ以上続けたら無限になってしまうので2か月間スキップします。次からは文化祭準備編に移ります。


2ヵ月間大体スキップ

 俺達は2ヵ月間の夏休み期間を過ごした。

 今は8月下旬。夏の熱さから逃げるように、名残惜しさから離れるように、今日この日で地井、真壁家から出ていく事になった。

 

 この2ヵ月間、色々な所へ行って、色々な事が起こって、それに対処して…………。1つ1つを思い出す度、俺は遠い目をしていた。

 

「この2ヵ月間、いろんな事があったよな?」

 

「…………」

 

 俺は皆に問いかけたが、無視された。返事が無いと分かると、俺は独り言に切り替えた。

 

「東京でGC戦大会1位取ったし」

 

「…………」

 

 東京は既に全体がGC戦の戦場と化している。渋谷ディヴィジョンとの戦いは苛烈だった。

 リビングを見ると、優勝トロフィーと、それを掲げたみんなの写真が飾られてあった。皆笑顔でやり切った顔をしている。

 

「北海共和組合に行って観光を楽しんだり」

 

「…………」

 

 後ついでにメタルカムイに乗らせてもらったな。バイオリアクターの中身を見せて貰ったのは、俺にとってもいい経験だった。

 優勝トロフィーの隣には、民芸品である木彫りのメタルカムイが、雄々しい表情で鮭を掲げている置物がある。

 

「西日本食材協会へ行って、コルデーが世話になった商店街を復活させたり」

 

「…………」

 

 GC戦で負け続きだった大萩倉内商店街が、取り潰しの危機に瀕していたが、それを何とか持ち直した。今では、俺達の遠征の時の食料を、半額にしてくれると約束された。

 商店街の子供たちの手によって作られた、商店街永世半額券がラミネート加工されて、メタルカムイの隣に飾られてある。

 

「親父の仕事で行った薩摩藩じゃ、驚きの連続だったよな?」

 

「…………」

 

 俺が一番驚いたのは、肝練りだ。カラシニコフが天井に吊り下げられて、くるくるしている様はあまりにもシュールだった。火縄銃でやれよ、いや、残るな、いや、復活するなそんな文化。

 ダイサツマーの操作方式が、どこぞのガンダムファイターよろしく、マスタースレイブ方式。流石に機体のフィードバックは無いが、体の全てを鍛えていないと揺れが激しく、まともに操作できない。

 

 だからって示現流を復活させて、GCに組み込もうとするのはおかしいと思うんだが。

 向こうで仲良くなった人から送られた、小太刀が半額券の隣に鎮座している。

 

「極東花火大会とかめちゃくちゃ楽しかったし」

 

「…………」

 

 本州の中央当たりで行われた花火大会。

 花火大会と言えど、実際はドローンショーと打ち上げ花火の融合。関東自治区が運営を担当し、西日本食材協会が出店(でみせ)を担当、北海共和組合はドローンショーの担当で、薩摩藩は花火の担当をした。

 

 年に1度だけ行われる、極東総出の一大イベント。美しくも馬鹿馬鹿しい乱痴気騒ぎ、それを全員で楽しめたのは本当に良かった。

 全員浴衣姿の集合写真が、小太刀の隣に飾られている。

 

「海水浴とか、登山とか、Vのリアイベとか…………本当に色々あったよな」

 

「…………」

 

 思い出を並べたててみたが、それでも皆は黙っている。

 しばらくすると、親父とお袋がリビングに入って来た。見送りの時間のようだ。

 

「ズピッ、そろそろ行くんだね…………く、うっ。みんな向こう行っても元気でね」

 

「いつでも来てくれていいのよ…………もう、娘みたいに思ってるんだから…………グスッ」

 

「…………」

 

 涙ながらに別れの挨拶を告げるお袋と親父、それでも皆は黙ったまま。ミーシャが立ち上がり、お袋に向かってこういった。

 

「親と言う物になれていなくてね、だから、こう言わせてもらう」

 

 そう切り出して、静かに涙を流しながらお袋を抱きしめるミーシャ。

 

朋友(ポンヨウ)

 

「なんでみんな顔変わってんだよ!!」

 

 全員の顔を見ると、劇画チックで世紀末救世主伝説な顔つきをしていた。

 

「女子三日会わざれば刮目して」

 

「それ言うなら男子だろ!!」

 

 べローナの言葉に突っ込みを入れた。

 俺も少しづつ変化していったから分からなかったが、全員修羅のような顔つきで、涙を流しながらお袋とミーシャの抱擁を見ている。

 

「極東マジックだね、皆立派になってグスッ」

 

「立派になり過ぎてるだろ!!」

 

 後、極東マジックはそこまで便利じゃないと思うぞ!?

 よく見たらネルまでスタンドを出しそうな凄みがある。

 

「実際、あれからめちゃくちゃ強くなってるし、顔に出てるんだろ?」

 

「そんなもん顔に出てまたるか!! …………あー」

 

 一瞬、オールデストロイヤー静先生の顔がよぎった。あの人、極東出身じゃ…………いや、血は引いているか?

 

 

 

 

 涙ながら別れの挨拶を済ませ、もう乗り慣れた愛車に全員が乗った。

 

「色々あったけど楽しかったな」

 

「お前は変わって無くて良かったよ…………」

 

 そう言ってバックミラーを見ると、まだ劇画調のままだ。ゆっくりと車を走らせ、俺達を見送る親父とお袋の姿を長く見ながら、出発した。

 しばらくして、イルシアが俺に話しかけた。

 

「太一、少しいいか? 我に考えがあるんだが?」

 

「一人称まで変わるなよ!? で、なんだ?」

 

「時間が惜しい、飛ぶことは出来るか?」

 

「え!?」

 

 その言葉に流星が驚きの声を上げた。

 バックミラーを見ると、全員がうんうんと頷いている。

 

「い、いやぁ…………あまり急がなくても良いんじゃないかなって」

 

「仕方ないとは言え、旧式のシミュレーターでは感覚が戻らない。いち早く学園に戻って感覚を取り戻さなければ」

 

 ベローナがそう言った。流星は言葉を詰まらせている。やっぱり、空を飛ぶのはあまり好きじゃないようだ。

 

「そ、そういえば! 全員帰りの飛行機予約しただろ!?」

 

「キャンセルすればいい。言っただろう? 時間が惜しいと」

 

 耐えきれなくなった流星が叫び散らし始めた。

 

「ダメ! 星進隊(プロトン)のリーダーとして禁止! コレで空飛びたくない!! 頼む太一! 絶対にやんないで!!」

 

 強権を振りかざす流星に少し引いた。だが、俺は諭すように後部座席の全員に伝えた。

 

「まあまあ、お前らが強くなりたい気持ちはわかるけど、休息も必要だぜ?」

 

「そう言う所、流星に甘いな。休息だけなら十分に取ったじゃないか?」

 

 段々と同調圧力によって追い詰められる流星。

 すると、ミーシャが待ってましたと言わんばかりに、口を開く。

 

「太一、私は知ってるぞ? 公道レースに負けたんだってな?」

 

「ミーシャ!?」

 

 ミーシャのセリフに流星が叫び、俺のこめかみがぴくぴくと動く。

 

「勝負事に対して、関係ない関係ない、みたいな顔して勝ったら笑って、負けた時にはだんまりなのか?」

 

「ミーシャさん!?」

 

 俺の視界の端っこが、白くなっているような気がした。

 

「ダサっ」

 

「太一! 聞くな!」

 

「そんな煽りが効くほど、子供じゃないんでね」

 

「太一!」

 

 そう言うと、流星の顔が晴れている。しかし、ミーシャの追撃が始まる。

 

「出来ないの?」

 

「もうやめて!!」

 

「その挑発乗ってやるよこの野郎!!」

 

 

 

 空の歌の、2カ月ぶりのアンコール。

 極東式発破術を身に着けたミーシャの勝利であった。

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