ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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文化祭編
文化祭準備期間の始まり


 里帰りを終えて、学園に戻って来た次の日。ミーティングと称して隊室に全員集まった。

 

「よかった…………全員顔戻ってる…………」

 

「お前、生徒会戦後より泣いてるぞ?」

 

 濃い絵柄で「構わん、行け」されたたからね!! 怒りでめちゃ飛んだけど、結構怖かったんだからな!!

 表情で抗議していると、ミーシャが話を切り出した。

 

「それよりもだ、そろそろ文化祭の準備に取り掛からなければならない」

 

「そうだね…………でも何すればいいのかな?」

 

 文化祭。テラマキナ学園における文化祭は、普通科高校のそれとは毛色が違う。

 いうなればカジュアルな研究発表会を兼ねた、技術交流とマーケティングの機会になっている。

 

「普通なら、適当な展示でもしておいてお茶を濁す所だが…………そういう訳にも行かない事情がある」

 

 そう言って他の留学生組を見るミーシャ。

 低ランクの星進隊(プロトン)では展示や出店ぐらいで良いのだが、留学生が入っている所はしっかりとした出し物をしないといけない、という不文律がある。

 

「それに、星進隊(プロトン)毎に、文化祭の評価が付けられる。あまり無視できない量の単位と、企業の目に付けば相応に依頼も増えるからな」

 

「オウムアムアの問題点は、何を目玉にすればいいか? ですわね…………」

 

 そう、俺達の問題点は、それぞれの分野に特化しすぎていて、どれを目玉にすればいいのかわからない点にある。

 パイロットの腕がそれぞれに良いものだから、どこの星のパイロットに焦点を当てていいか分からず、俺は全部整備が出来るため、整備系の研究だと俺に死ぬほど負担がかかる。

 同様の理由で、経営科(ミーシャ)卸売科(コルデー)も却下、必然的に詳しい奴の頭数を揃えられる搭乗科(パイロット)が望ましいのだが…………。

 

「それに、お前らは強いが…………流星に操作技術を体系として纏めた上で、研究発表出来る姿が想像できん」

 

 俺がそう言うと、全員納得したようにうなずいた。

 

「みんな酷くない!?」

 

「出来るのか?」

 

 流星は黙った。流星の変態操作技術を、どうやって言語化したらいいのか、他のパイロットにも分からないようだ。

 全員が、手づまり感を感じながら黙った。

 

「まとめると、パイロットが全員SEを動かしながら、ビジネス的な行動として意義のある物にした上で、技術力と資財調達の誇示が出来る出し物が望ましいのだが…………」

 

 ミーシャがそう言うと、また全員が黙った。難しい事を言っているが、本当にそれが出来たら苦労がしない。

 悩んで居るとイルシアが、俺と流星に話しかけた。

 

「そういえば、中学ではどんな事をやっていたの?」

 

 そうは言われても、逆を言えばお前らも、中学の時に何をやっていたのか知りた…………。

 

『中学の時はイジメられてたぞ?』

『中学の時からおじいちゃんの容体が悪くて…………』

『王族関係の勉強でそれどころではありませんでしたわ』

『仕事だ』

『中学から極東っスから、あまり参考にならないと思うっス』

『中学の時から建築作業団に入り浸ってたし?』

『学校らしい学校は小学校で終わりだよ~?』

 

 …………いや、なんか重めなエピソードが出てきそうだから聞くのは止めて置こう。これも、2ヵ月間で学んだことなのさ。

 おとなしく中学の出来事を振り返ってみると。

 

「別に、ろくな事してないぞ…………」

 

「俺達は女装メカニック喫茶とかやってたな」

 

 流星の言葉で全員の厳しい物になった視線が、俺へと降り注ぐ。

 やめて!! 極東の学校大体そんな感じなんだって!!

 

「あまり参考にならないようだ」

 

「で、でも、喫茶店の出店はアリかもしれないっス、私の販路を十二分に使えるっスよ?」

 

 ベローナの言葉に、コルデーが下手なフォローを入れた。

 

「まあ、一考はしておこうか。しばらくは、再始動の慣らし運転と言う事で、ゆっくりと依頼を受けるのもいいかもしれんな」

 

「なるほど、それに、今のままじゃ大きいことするお金も足りないか」

 

「それもある、じゃあ、一応はそんな所で…………何か伝える事がある奴は居るか?」

 

 ミーシャがそう言ってあたりを見回すと、誰も連絡事項がある奴が居ないようだ。

 俺もなんかあったっけかと、思案を巡らせていると。

 

「あ! ゼリアとピールには一応伝えて置くか」

 

「ん?」

「なに~?」

 

 つい声に出してしまった、学園での絶対なる不文律。

 

「文化祭準備期間や、文化祭中は絶対に整備科(メカニック)関係の施設に行っちゃだめだ、整備科(メカニック)寮と整備科(メカニック)教室とかな」

 

「ああ、それはそうだな」

 

「何があんの!?」

「こわいね~?」

 

 俺達はやらなかったが、交流戦と言う物があり、同ランクの星進隊(プロトン)同士で戦う搭乗科(パイロット)の花形イベントがあるのだが、文化祭はその逆で搭乗科(パイロット)以外の花形だ。

 経営科(ビジネス)卸売科(セール)はそんな事は無いのだが、整備科(メカニック)に掛かれば…………。

 

「最悪の場合連れ去られる可能性がある」

 

「何があんの!?」

「こわいよ~?」

 

 ゼリアとピールが抱き合って、恐ろしさに震えている。

 奴ら、腕のいいテストパイロットに飢えているから、誘拐される危険性すらある。

 

「俺はそんな事は無いが、この1ヵ月マジで良識が無い奴らが多いから近づかないように」

 

「「…………」」

 

 ゼリアとピールが絶句している。

 とは言え、俺もそんな奴らの巣窟に突撃しなければいけないのだが…………。俺はため息を吐いて、今日の所は解散しようと告げる。

 

 1ヵ月ある文化祭準備期間の始まりは、前途多難な物だった。

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