ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
文化祭の準備で膨張する
「お? お帰り」
「ただいまって、デイブも居んのか」
部屋を見ると、同室のホーモットと、共通の友人デイブが居た。
デイブは愛称で、フルネームはデイブス・ギル。フルネームに違わない、横に拡張されたボディを持った人間だ。
もう一つ特徴を上げるとすれば。
「そんな事言うなよ、今のお前、俺が10枚目のピザを食った時のママンのような眼をしてるぞ?」
「どんな目だよ」
無駄にアメリカンな言い回しを好むところか。
部屋の中で突っ立っていても仕方がないので、ベッドに腰かけて雑談を振ってみる。
「去年と変わらず大騒ぎだな」
「まあ、仕方ないさ。
「仕方ないとは言えなぁ」
扉の向こう側の騒ぎを見ていると、苦言が出てしまうのは心情的に理解はしてほしい物だ。
「太一、お前の課題はどうするんだ?」
「あー、適当な改造機提出しておく」
そう言った俺にデイブが絡む。
「去年もそんな感じで、スミス先輩に拉致られてただろ? あの時はお笑いだったぜ、今年はどうなるんだ?」
「スミスパイセンにゃ、世話にならんよ。
去年はお目付け役になっていたスミス先輩が、俺を拉致して
一体どういう事なんだ?
「ははーん? 発情期の犬みてぇに、
「いや、それがさ」
と言って、デイブとホーモットに
「やれること多すぎて何やればいいのかわからない? 才能あるやつはうらやましいねぇ、そんな事より、デイブにも見て貰ってるんだけど研究行き詰っているんだ、ちょっと見てくれないか?」
「なんだと? ちょっと嬉しくなったから首突っ込むわ」
我ながらちょろいなと思いながら、ホーモットが持つコンソールを覗き込んだ。
「小型ユニットの自立思考システム改修?」
「そうなんだよ」
「へこ太郎じゃねえだろうな?」
ブンッ!! と物凄い勢いで視線を反らすホーモット、その肩を叩きながらデイブは言う。
「モテねえんだ、言ってやるなよ」
「殺すぞ!!」
暴れるホーモットをどうにか宥めた。
ただ、土星アンドロイドへこ太郎だけじゃなく、デブリ回収ユニットも小型ユニットに含まれるから、パイロットが危険な場所に行くよりも安全に作業が出来るという点では、この研究は意義のある物だと思う。
「出来れば、全部のユニットに自我を持たせたいんだよ」
「怖いよ…………」
恐怖しながらホーモットの顔を見ると、恍惚とした表情をしており、そんな殊勝な考えではない事が伺える。
それをさておいて、まじまじとシステムの構成を見て、思った事を呟いた。
「やっぱ自立行動は無理があるな。まだハード側が耐えられない」
「そうだよなぁ。SEには自立思考AIは組み込めたんだが」
「めちゃくちゃすげえな!?」
そこからスキルツリーを伸ばせば、もしかしたら
そう興奮していると、水が差された。
「今はただのおしゃべりBOTだ。まあ、ゆくゆくはって感じだし」
「そうか…………」
少し肩を落としながら、ふと気が付いた事があり、それを口から漏らしてしまった。
「あ、タブーを
「…………タブー?」
それに食いついたデイブ。視線が俺に刺さる。
「別に特別な事はしていないぞ?」
「言え」
「うっす」
パイロットスーツに、メンタリオンに使われる簡易的な思考反射デバイスと、ヘルスモニターを組み合わせ血圧等の状態を、特定の条件を満たした上でSEのリミッターを外すシステム。
その条件は感情の高ぶりとそれに伴う血圧や脈拍の変化。
条件を満たせなくなるか、機体が持たない一歩手前で、再度リミッターをかけなおすようには出来ているが。
「土星機だと歌で操作するだろ? 感情がどう動くか分からんし、未だに
「なあ、お前、パイロットスーツに手を加えられるのか?」
Tabooの話より、そっちに食いつかれた? 不思議に思いながら、聞かれた事にイエスと答えた。
「それ、もしかしたら金脈かもしれんぞ?」
「え?」
2人の目が怪しく光る。
…………そこから先は、また別の地獄だった。