ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
アフロの襲来から3日。金星宙域にて、オウムアムアのSEが戦っている。
ざっくりいえば、社員の経験値の為に戦え。と言う依頼の、相手は企業の研修生、5機1小隊で構成された3小隊、合計15機。こちらは
そんな枚数不利の状況で、こちら側が優勢になっている。
「人数不利の状況では、連携と分断が重要です。その点で言えば、敵集団へ突っ込みながらの近接戦は非常に有効ですこんな風に」
流星が広域通信でそう言いながら敵集団へと突っ込んでいく。5対1の状況の中で、無被弾で敵集団のど真ん中へ位置取った。
「出来るか!」
「でしたら敵集団への接近は、気合で避けるか遮蔽物を使うか、シールドの使用がお勧めです。その際のシールドの受け方なのですが、真正面から受けると壊れやすいのでビームの入射角を30度から60度に保ち、それ以外に意識を向けるとやりやすいです」
ぺらぺらと喋りながら戦闘を続ける流星。相手が研修生とは言え、その技量の差は残酷なまで開いていて、ちょっとかわいそうだった。
「敵集団の中では、敵同士の射線を被らせるように立ち回りましょう。近接戦をしながら、挟み撃ちされるような形になるのが理想です。
「挟み撃ちされたら死ね!!」
研修生は必死だった。近接戦を仕掛けられた機体が、それでもと引き撃ちするが、それのことごとくを避けてシールドで受ける。
「追う時の鉄則としては撃たせる意識が重要です。あえて隙を見せて、そこに攻撃を仕掛けたくなる心理状況にしてあげるのがコツですね」
「このっ! どうですかー!!!」
ロックオン状態を解除し、中心から外れた位置にビームを打ち込む金星企業のSE。
「そうです! ビーム兵装は連射が効きませんので、狙い撃つのがセオリーです。ですが、あえてマニュアル操作で外して撃つ駆け引きも効いてきます」
「なら避けないで!!」
手取り足取り、せっせと教導する流星。余裕をたっぷりと見せつけている。
逃げるSEをぴったりと追う流星は、最後にこう言い残した。
「そして、このように無暗に逃げると、味方からの支援が受けにくく、敵からの支援が来てしまいます。このようにね」
「わあああ!? 撃破判定食らいました!!」
ゼリアの
「ね? 簡単でしょう? サリィさん、近接戦と連携こそ難はありますが、操作に戸惑いが無く、射撃戦も十分な腕です。周りを見ると、少しばかり腕が上がるかもしれません」
「総評も言われた!?」
1機落とした後は、ものの10数分で5機の企業SEを落とし、他の戦場へと向かって行く流星。
そして、そんな光景を見ている俺と、コルデー、ミーシャ、ネルの4人。その戦闘を見て、コルデーが驚いた。
「あれ見たら、流星さん論文とか書けそうっスけど!?」
見事なまでに指導しながら戦っている流星を見て、そんな感想を持つのも不思議じゃない。
「だけど、アイツ戦闘以外で頭回らないんだ」
「この戦闘だけで論文のおつりが返ってきそうっス」
コルデーのそう言うとミーシャも便乗して話しかける。
「流星にこういうの毎回やらせるか? 金になるぞ?」
「一定以上の実力者相手だと、こんな事出来ないぞ?」
俺の言葉に、そうか、とだけ言ってミーシャはモニターを見る。一機づつ確実に、撃墜しながらも総評をしていく流星は、口調こそ優しいが鬼教官だった。
そんなこんなで合計1時間に及ぶ戦闘、もとい研修が終わり、当然のように勝利した。しばらく経って、
デブリーフィングの前に両陣営のパイロットたちが雑談をして交流を深めていた。
「いやー、ありがとうございました、流星さん怖かったです」
「え? えっと。ごめんなさい、優しく教えたつもりだったんだけど」
「そういう所だぞ!?」
流星の言葉に思わず突っ込んでしまった。
戦っている最中に教えながら一定のトーンで、声も荒げずに指導をしている姿は中々に怖かった。
勢いに任せて会話をしていると、後ろから研修生の1人が急に話しかけて来きた。
「あ! 地井さんですよね?」
「そうだけど、苗字で呼ばれるの嫌いだから名前で呼んでくれないか?」
「分かりました太一さん! 私はサリィって言います!」
にこやかに挨拶をしてくれたサリィさんに、よろしくと軽く挨拶をした。その後、サリィさんは続けて俺に話かける。
「太一さんは腕のいいメカニックって聞いてます! 前に修理してくれた
「おー、それは良かった。爆発なんかしたらクビ括るぜ」
「整備する前より調子良かったくらいです!」
「機会があったらまたよろしく頼む」
そう言って会話を切り上げようと、流星の方に体を向けようとすると、サリィさんにまた呼び止められる。
「あ、あの!」
「ん?」
「あの、私、太一さんの事ちょっと良いなって思ってて。よかったら個人の連絡先交換しませんか?」
ちょっと良いな…………だと?
我が世の春が来たぁ!!!
激熱&激熱ゥ! 虹演出不可避! 俺はさっそく行動に移す、兵は拙速を貴ぶのだから!
無言で壁をドン! キメ顔で顎をクイッと! 背景になんかお花を散らしとく! そして甘いセリフを吐く! 待ってろ俺の彼女持ちライフゥ!
「連絡先だけでいいのかい?」
強い衝撃。流星に殴られた。
「あ、ゴメン。つい」
「え?」
痛みより困惑の方が勝っていると、今度はスネに鋭い痛み。ミーシャが蹴っている。
「わざとだ」
「ホワイ?」
涙目になりながらスネを擦っていると、今度は背中を抓られる。イルシアだった。
「ごめん、流石にウザすぎ」
「そんなに?」
なんかもう連絡先とかって次元じゃない程に困惑していると、俺の腹部をぺちぺち叩くネル。
「ネルまで? どうして…………」
「なかよしだから?」
多分そう言うんじゃないんじゃないかな?
「はい、ネルさん席を外しますわよ」
「あ──」
メリルに抱きかかえられながら退席するネル。軽くジタバタしててちょっと可愛い。
そして、追撃する様に入室してきた、アフロ・ジョー。
「太一さん、
「あっ」
戦闘後は
「すげえ! 太一さんマジパねえっ!!」
「おいおい、装甲加工なんかベテラン並じゃねーか!」
「太一さん!
「こっち動力部の損傷が激しいっす! 何とかできないっすか!?」
さっきまでの出来事はどこへやら。我が世の冬は入ると長い。むさくるしい漢集団に囲まれながら、