ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
「ハッ! フッ!」
「肩に小っちゃいダンプ乗ってんのかい!!」
「このヒラムネ構造は航空力学的に洗練された形状をしており、端的に言えば、ガイノイドが空を飛びます」
「おお~」
「新刊でてまーす、既刊とセットで安くなってますよー!!」
「3セットください」
文化祭を練り歩く流星、イルシア、メリル、アリアの4人は、目の前の光景を見て絶句していた。
歩いている場所は、
冷やかしついでに来たのだが、目の前には筋肉を見せびらかす男に、機械の女の子を空へ飛ばそうとする研究発表に、コミケのようなやり取りをしている
「うーん、太一の助けになればと、こっち来たけど…………」
「流石に先鋭化してますわ、何から理解したらいいのやら」
「理解しなくても良いんじゃないかな?」
「…………ごめんなさい、太一さん、私達は力になれませんでした」
4人は目の前の光景を見て、心が折れてしまった。冷やかしたつもりが、こっちの肝が冷えたようだ。
「案外、こう見ると太一さんはまともなんですわね…………」
「ああ、そうだ、まともと言えば。太一の事なんだけど」
「はい?」
藪から棒に、流星がそう言い放つ。
「太一は結構まともじゃなくなる時あるけど、一番まともじゃない時があるんだ」
「なんですの?」
メリルが追って質問をした。まともじゃない所はスルーする位には、彼女は大人だ。
「太一がGCやSEの模擬戦やらせると、マジでまともじゃないから気を付けてね」
「どんな事しでかすんですか!?」
「あー、強いって言うより。ヤバいって感じかな。まあ、そんな事は無いだろうけど、文化祭中シミュレーターに乗らせないようにしてね」
「は、はぁ」
そんな忠告も空しく、オウムアムア出店内のシミュレーターにて。
「ヤバい! なにこれ!!」
「
「馬鹿じゃないの!? それにあんなの歌じゃないだろ!!」
「レジギ、ガガガガガガガガガ、ギガギガフンフン、ガガガガガガガ!!」
歌によって1人で30機以上ものSEの操作を可能にし、戦闘においてはワンマンアーミーそのもので、宇宙空間の作業に至っては1人で完結するほどの力を持つ。
しかし、それは数を揃える事が前提となる。
「出てるの4機だけだよね!?」
「そんな、ありえない!」
「ギーガォー、ピピピピピピン!」
1機の出力は、全惑星のSEと比べると貧弱。生徒会戦でも、コルデーが30機もの
しかし、奇声を発するだけの太一が、自身が乗っているもの以外の3機だけで、火星学園の女3人を圧倒している。
スピードが足りなければ、最小限の動きで躱せばいい。
パワーが足りなければ、何度でも攻撃を加えれば良い。
防御力が足りなければ、当たらなければ良い。
そんな絵空事を、声で操作する機体である
「くきかけこかっききくけかけこきくかけくききこかけくきこかけけきこかけかけきくこくけききかくきこけきかかこくきこかけきこくくけきこくきかかきこここくけいこかけけけけけけけけけけけ────!!」
「うわっ!!」
程なくして1機撃墜。
この撃破は相手の精神的ダメージは計り知れない。たった3機の出力が下のSEに良いようにやられ、同時に訳の分からない奇声を通信により叩き込まれ、なおかつ下に見ていた
精神攻撃は、メンタリオンを嗜むものにとってのデフォだった。
「黙れ!!」
「コッサン!」
この奇声は声で操作する
ご丁寧に自身の乗っている
1機落とされた後は、詰将棋さながらで追い詰め、全機撃破。
「二度とやらねー」
終了後、独り言をつぶやく太一。彼の仕事はこれからだった。
◇◇◇
「良い腕でした。ベローナより弱かったですがね」
その言葉を背に、火星の女は顔を真っ赤にして帰って行った。煽りのプロ、アオリストは最後まで煽りたっぷり、もう二度と顔を見せる事はないだろう。
がははは、勝ったな。
「変態っス」
「よせやい」
コルデーがそう評価した。ちょっと照れる。
「じゃ、ちょっと失礼するから」
と言って、誰かの静止の言葉を振り切って。俺はトイレに駆け込んでいったのだった。さっきから気持ち悪いんだ。