ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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文化祭4日目

 文化祭4日目。

 俺達の出店はさらに勢いを増し、お昼時にはもう全員がフル回転していた。因みに、星壁真流流写真集を学内限定でネット販売することに成功し、変態の数は徐々に減ってきている。だがしかし。

 

「3番テーブル、4番テーブル、26番テーブルっと、ほら行ってこーい」

 

「かしこまりました」

 

 配膳ロボに料理を手渡して配膳ロボは了承を告げた。さてと、俺も次の料理に取り掛かる、と言ってもオーダーを直接コックマシーンにつなげている為、コックマシーン君から出て来る料理を今か今かと待ち構えているだけだ。

 

 そう言った意味ではコックマシーンも配膳ロボも、今の所順調そうだ。

 

「次はテイクアウトのコーヒーフロート×3と緑茶×2、たこ焼き×3ね、初日と比べて緑茶の注文が多いな、おーい、コルデーもしかしたら緑茶足りなくなるかも」

 

「了解っス。いらっしゃいませー、整理番号お見せください、はい、では12番テーブルへどうぞー」

 

 このように、もれなく全員忙しなく動いている。

 

「子供?」

 

「かわいー、君名前は?」

 

「ネル」

 

 若干1名看板娘化しているが。

 

 しかしまあ、この様子だと、2週間を乗り切るのは無理だったに違いない。個人的には、文化祭6日目が恐ろしい。

 

 6日目は、学園は一般開放を辞め、体育祭がある。他の学科は問題ないと思うが、問題は整備科(メカニック)だ。

 

「めちゃくちゃな競技あるんだよなぁ…………体持つかなぁ」

 

 俺は星進隊(プロトン)の関係で、あまりクラスに顔出せてないけど、クラス対抗パンクラチオンとか。学年対抗SE運び、地球機(ゲイザー)を人力で引っ張る競技とか。体に厳しい競技が盛りだくさんだ。

 

「まだ来てない事で悩む暇あるなら、手を動かしてくれ」

 

「それもそうだな、はい、テイクアウトできたぞー」

 

 配膳ロボに手渡して、外までもっていかせる。

 まだ、いつかのお仕事行進曲(デスマーチ)よりは楽だったが、接客業は精神をすり減らす。

 

 そんな事を考えながら、料理が出て来るのを構えていると、バックヤードにゼリアが飛び込んできた。

 

「たいっち! ゴメン、シミュレーターが壊れちゃった!」

 

「おっけー、様子見て来るわ。ミーシャ後たのんだ」

 

 そう言って工具箱を取り出して、ミーシャの後押しを受けながら、速やかにシミュレーターの元へ急行する。シミュレーターを()()と、俺は立ち止まってしまった。

 

「………………」

 

「たいっち、どうしたん!?」

 

「あ、ああ、ゴメンすぐ直す」

 

 ゼリアに肩を振るわれ、正気を取り戻して俺は、作業に取り掛かる。

 シミュレーターを()()と、不可解な事に気が付いた。電子回路系が()()()()()()()イカレている。これは…………。

 

 色々な事を考えた結果、修理っていうより基盤をまるごと交換した方が早い、そう判断してコルデーに連絡を取るが、どこも忙しくて取り扱って無いようだ。

 さらに脳を回転させて、色々な事を加味して基盤を1から作ることにした。

 

「ゼリア、今暇か?」

 

「あ、うん。私の壊れちゃったから暇だけど?」

 

「シミュレーターを適当に絶縁テープでぐるぐる巻きにして置いてくれ」

 

「え、あ。わかった」

 

 修理自体は20分もあれば出来るが、用意したシミュレーターが1機お釈迦になると、その他のパイロットの負担が大きい。

 出来ればもっと早くやりたいがな。

 

「じゃ、そういう事で」

 

 ゼリアに声をかけて、手近な窓から飛び降りた。

 

「ええっ!? ちょっ、ええ!?」

 

 俺の背後からゼリアの驚きの声が聞こえた。

 

「心配させんなし!!」

 

 しかし、俺はフライトユニットを展開し、ドックへと飛んだ。悪い、ショートカットはこの位しか考えられなかった。と、心の中で謝って置けばオッケーだ。

 10分で基盤を出力し、ついでに余剰パーツまで作って、いざ行かん修理を待つシミュレーターの元へ。

 

 ケースを両手に持ちながら、両手がふさがっている為今度はショートカット出来ない、だから地道に必死で走っていると、急に並走してくる人物が一人。

 

「やあ、太一、何してるんだ?」

 

「おお、理一!」

 

 俺と流星の中学時代の級友の1人、早稲理一(はやいねりいち)が俺と並走していた。理一は常に白衣のおかしな奴だが、今回はちょうどいい所に居た。

 

「出店のシミュレーターぶっ壊れて、その基盤持っていく所だ! 手伝ってくれねえか!?」

 

「ふっ、ボクに頼むなんて、高くつくぞ?」

 

「西の高級鶏むね肉3枚!」

 

「まかせたまえ」

 

 適当な買収をかまして、理一に協力を取り付けた。

 

「ココだ、3階まで飛ばしてくれ!」

 

 その言葉を聞いて理一はマッスルポーズを取る。

 

「肉とは、パゥワァー!!」

 

 筋肉の膨張で、白衣を引き裂きながらブーメランパンツの巨漢が誕生した。

 整備科(メカニック)のお兄さんたちが、筋肉で構成された黄金比を見て盛り上がっている。

 

「超絶インテリジェンスなブレインにはじき出された、この黄金の筋肉に、不可能は無い! 破あああああああっ!!」

 

「「「「おおおおお!!」」」」

 

 整備科(メカニック)のお兄さんたちの歓声に包まれながら俺は、フライトユニットで飛び上がり先に3階へ、そして理一は俺めがけて、総量20キロはある基盤の入ったケースを俺に向かって投げ飛ばした!! 。

 

「ぐぎぎぎぎ!!」

 

「太一も頑張れ! ほらもう一個だ!!」

 

 そんなやり取りをしながら、次の基盤を装填し、また投げ飛ばす。

 

「ありがとう! 文化祭楽しんでくれよ!」

 

 そう言うと理一は指二本で答え、周りの整備科(メカニック)のお兄さんたちに囲まれたのを見送った。

 

 そうして結果から言えば総時間15分で修理は完了し、大きな穴をあけることなく今日の営業時間が過ぎる事となった。

 

 

 営業終了後、俺は全シミュレーターの整備をしていた。

 

 

 

「…………あれ、特殊なEMPじゃねえと出来ねえんだけどな」

 

 

 

 故障、いや、破壊の様子と、チートで確認した情報を繋ぎ合わせると、特定の指向性を持たせた電磁パルスで、特定の場所の電子機器を破壊されていたことが分かってしまった。

 

 派手にやれば足が付くから、大々的に俺達の所をぶっ壊したくなかった。

 

 嫌がらせをしてなんの得になるのか? 家のパイロットは厄ネタばかり、どこかしらで糸引かれてもおかしくない。

 

 

「止めだ、これ以上考えてもどうしようもねえな、ミーシャあたりにぶん投げて置こう」

 

 

 これからの営業に一抹の不安を抱えながら、明日を迎えよう。今は、ライブが最優先なのだから。

 

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