ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
文化祭5日目。
明日に体育祭を控えながら、俺達はライブの準備をしていた。
改造したホログラム投影機に特殊効果機材、音響機材もばっちりだ。
喫茶店は今日の所、ライブへとリソースを割り振る。
現状、リハーサルを進めているが、もう完璧、全てにおいて隙が無い。
「完璧だな」
「ああ、完璧だな」
流星が俺の背後からそう言った。流星も俺の作ったステージに満足してくれているようだ。
「ホログラムの星壁真流流が踊っている事を除けばな」
気が付けば、背後からは殺気が漂い始め、もう9月なのに俺の背中には冷や汗が流れている。
「い、いやぁ、星壁さんには客寄せパンダになってもらおうかなと…………」
普通は広報もしていない状態で、有名アイドルが出て来る、といっても人の流れは変えられない。その上で、一番興味を引くのは、人が集まっているという情報だ。
まず、その人だかりを作るきっかけには、星壁さんが必要なのだ。
「中身はミーシャが担当しているし、人間っぽい動きじゃなくてバレる事はないだろう」
「そう言う意味じゃなくて」
流星は深いため息を吐いた。
悪い、ただ君の、いや星壁真流流の学内求心力は、写真集の売り上げ計算上考えると、
それに流星が女装して出たくないというのであれば、ホログラムにして中身を入れ替える、そんなカナリィスタイルでライブを実行するしかなかった。
そんな思惑を知ってか知らずか、流星は話を切り上げて、別の話題を振った。
「てか、コルデーとミーシャ踊りうまくない?」
「正直びっくりしている」
ダンスを熟すミーシャにコルデー。そんな事出来たんですか?
リハを1通り終えて、ミーシャとコルデーがステージ上から俺達の元へ歩いてくる。
「お疲れ、はい、タオルと水」
そう言って流星が手渡したそれを、2人は素直に受け取った。
「上々っスね、太一に作れない物なんかないんじゃないっスか? 本職と比べても遜色ないっスよ?」
「出来が良いとは思っていたが、そんな所まで変態なのか」
いやー。
と言いながら俺は照れながら後頭部を掻いた。そんなに褒めても特効の1つしか出ないぞ~。
「何か言葉が致命的に間違っている気がする…………」
「んあ? どうした流星?」
「何でもない」
そう言えば、皆極東に行ってから俺への誉め言葉が増えた気がする。
少しの間雑談しながら、ライブまでの時間を潰した。
ライブ開始。
結論から言えば超大盛況。野外に特設会場を設けて、キャパは十分、事前に生徒会へ話を通していたので、整理もばっちり。
しかし、俺は地獄を見ていた。
「うおおおおおおお!! こっからここまで全部だ!!」
「最高4つまでだ! 保存用、観賞用、布教用、実用用で十分だろ!! まいどありぃ!!」
「ウェスタを何処から連れて来たの!?」
「
「4番物販ロボが壊れたのだ!!」
「すぐ直す! ちょっと待ってろ!」
「ウェスタの新グッズキタコレ!! 溜めといてよかったー」
「お客様ァ! それは非売品です!!」
物販ロボの配置に、3Dプリンターを最大稼働させても、後に郵送するという手法しか取れない。体の疲れも残っていたのもあるが、それ以上に、推しを目の前にした変態共の熱量に圧倒され、体より気疲れの方が勝ってしまった。
ライブの全て終わった先で、ミーシャが俺の肩を叩く。
「…………お疲れ様、喫茶店の方は落ち着いていたらしいぞ」
「それならよかった…………」
当初の目的は果たし、死んだのは俺の精神だけ。
結果としては上々だろう。そう満足して、俺は汚れも気にせず地面に仰向けに寝そべった。
「そして、物販の方でこれまでの最高売上を叩き出している」
「…………こわっ」
地面が冷たくて気持ちがいい、明日の事なんか忘れてこのまま眠ってしまいたいくらいだった。