ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
文化祭7日目。何故か喫茶店の客足が遠のいた。
5日目のゲリラライブで、12日目に大型ライブの宣伝をしたからなのだろうか? なぜか学園内でもピリピリとした空気感を感じる。
まあ、そのお陰で俺がこうして出歩けるから、別にいいのだが。
「急な故障とかしたらどうすんの!?」
「良いからお前は休め」
そんな会話の後に、バックヤードでちまちまと作業をしていた俺をミーシャが追い出した。
そこまでしなくても良いのになぁ。なんて思いつつも言葉に甘えて散歩している訳だが。
しばらく歩いて、出店を冷やかしていると、気になる会話が耳に飛び込んでくる。
「どうする? 金足りなくない?」
「ウェスタライブあるんでしょ? …………流石にセーブしなきゃ不味いっしょ?」
会話を立ち聞きしていると、視線がこっちに向いてしまって、俺は逃げるようにその場を去った。
なるほど、そう言う事情があったらしい。
ミーシャが学園側の事情なんか知るかとか言っていたが、なんか全体的な攻撃になるとは思わなかった。
こりゃあ、文化祭は銅賞取れる可能性が見えて来た。
文化祭の成功に寄与した
これは、
元ある
だから皆、文化祭には力を入れているのだ。
今のところは、新興
そんな事を思いながら足早に逃げた先は、ルーチンワークになってしまったのか、オウムアムアのドックにたどり着いてしまった。
俺は深くため息を吐きながら、元来た道を戻ろうとすると、急にドックの扉が開かれた。
「うーん、何でだろう…………あ」
出て来たのは見知らぬ女。どうやら同年代のようだ。
「お前ェ!?」
「げっ!? ヤバッ!?」
そう言って一目散に逃げだす女。ヤバいはこちらの方だ産業スパイめ!!
追っかけっこはすぐに終わった。ゲヘへ、女の足で勝てる訳ないだろッ!!
「悪かったよー! 離して離して! すぐ帰るから!」
「データでも持って帰るんか? ガトーかテメエは!!」
内心ブチギレで女の手首を持って、そう言い放つ。
「学園よ! 私は帰って来た! じゃなくて! 別に何も取ってない!!」
「星の屑にすんぞ! 返す訳には行かねえだろ、このご時世にデータ抜き取る為に直接来る奴なんかいねえぞ!?」
「悪かったって! 本当に何も取ってないの!! 分かった分かった! こうすれば良いでしょ!?」
そう言って、手首をつかまれたまま寝そべり始める女。それに引っ張られるような形で中腰になる。
「で? お前は何しに来たんだ?」
「うーん、視察?」
「言い逃れ出来ねえじゃねえか」
「でも許可は取ってるよ!? そうじゃなきゃドックになんか入れないよ!」
「じゃあ逃げる必要ねえじゃねえか」
そう言うと、女はぐうと鳴いた。
何というか、スパイ的な物だとしたらマヌケすぎるし、
「ああ、まあなんだ。とりあえず立てよ」
「ありがとう! 私はクワトロ・レム・アズナブル、貴方の名前は?」
「バリバリ偽名だろうが!? この極東顔がぁ!! 俺は地井太一! 太一って呼べ。それに俺達の
そう言うと、クワトロ(仮)は長い間黙った。もはや表情は宇宙猫のよう。
「そうなんだ?」
「お前の言ったことは、けだし名言」
そう言うとまた女は口を開く。
「…………待ってた」
「何を?」
「クリスマスプレゼントだろ!!」
「そんなに忘れてたの!? 俺!?」
そう言うとなんか急に発狂しだした。俺じゃなかったら対応できないぞ!?
「まあいいや、一つ質問なんだけど、何でもっと機体を弄らないの? あれじゃ、せっかくの君の腕が死んだ! 何故か!」
「坊やだからさ…………。じゃなくて普通に改造案却下されたからだけど。てか無理やりすぎじゃね?」
「例えば────」
発狂したかと思ったら、次は俺の改造に駄目出しされた。しかし、その内容は確かに、と思えるものでタダの狂人で無い事が伺える。
「────その場合、5倍以上のエネルギーゲインを、いやこれは盛り過ぎたけどさ。って聞いてる?」
「ああ、たった今、疑いは晴れた。凄い知識量だ、感服するよ」
長々と3分ほど喋っていたクワトロ(仮)にそう告げると、目を輝かせて手元の端末からホログラムを展開し、俺の隣で次々と自身が持っていた改造案を惜しみなく披露してくれた。
「まずはコレ!
「コン〇イデコトラにすんな、しかし、パワーを求めるなら結構良いな、逆にパワー過多だけど」
「次にコレ!
「ジオ〇グじゃねコレ!? …………あー、でも宇宙空間用と割り切るならこれでも良いのか、
「次はコレ!
「ビ〇バインじゃん!! ビルバ〇ンじゃん!! カッケー!! うおー!! 作りてー!!」
完全なる〇ルバイン。荷電性の装甲を持つ
考えれば、俺が作ろうとしていたそれを比較すると、もしかしたらこっちの方が上かもしれない。このまま作るとパワー過多で相手殺しそうだけど。
「やるじゃんお前!」
「痛ッ!? ちょっとなに、いや…………。殴ったね…………!」
その言葉を聞いてオタクの血が騒ぐ。そう言われては、こうするしかない。
「殴って何故悪いかぅわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ブ〇イト艦長さんのように、振り返りながら、変なポーズをすると、そこには、流星とゼリア、ピールが顔だけ出してこちらを覗いていた。
は、恥ずかしい…………。ガン〇ムごっこしてたら、普通の友達に見られるのクソ恥ずかしかった。
「な、何やってるし?」
「は、お恥ずかしい…………ガノタの血が騒いだんです」
「誰と話してたの~?」
「ああ、えっとこっちがクワトロ・レム・アズナブルかっこ仮さんで」
そう言いつつ、先ほどの場所を見ると、影も形も無く誰も居ない。
「どぅるるる~、どぅるるる~、どぅるるるっるっる、るるるるる~」
「太一が壊れたぁ!?」
そこからは強制的に休まされ、そこから先の記憶が無かった。鳥肌がたっている……なんだというのだ?
そんな一日だった。