ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
文化祭8日目。
俺が張り付いて居なきゃいけない程ではないが、喫茶店の方は客足が戻ってきている。
客層を見ると、ライブの情報をまだ掴んでいない他惑星からの人間が多く、苦々しい顔をしながら俺達の提供しているコーヒーを啜っている。
「対戦ありがとうございました!」
「こちらこそ来てくれてありがとう! 機会があったらオウムアムアまで依頼をお願いね!」
感覚がマヒしてきているが、パイロットにとって他惑星のSEを体験する事は本来難しい。
全人類居住惑星のSEを取り揃えていて、なおかつ、それらと対戦できる。その価値が、アイドルライブを上回ったと見えた。
暇なのは良い事だ、しかし、文化祭前半の忙しさを体験してしまうと、少しだけ不安を覚えるのも事実な訳で。気が付けば、バックヤードに居たゼリアとピールに、妙な事を言ってしまった。
「ゼリア、ピール、なんか仕事ない?」
「アハハ! たいっちも休憩しよーよ、流石に働きすぎだって」
「また、膝貸すよ~?」
「それはいいや、にしてもなぁ…………」
ピールの誘いを固く断ってから、俺は俺の言葉に恐怖していた。仕事なんかない方が良いに決まってるんだから。
そんなのだから休憩中の人間に気軽に話しかけてしまうんだ。現場職の人間には、12時からの1時間は絶対に連絡をしてはいけないのだから。
コンソールで何かを調べていた2人に話しかけてしまった事に、少しナイーブになっていると、ゼリアがそれを察したのか俺に問いかけて来た。
「なんかあったの? いつもなら「仕事減らせー」とか言いながら仕事してるじゃん?」
「どういうイメージなんだよ? 大体あってるけど」
「身から出た錆ってやつだね~」
ゼリアが転ばせ、ピールが鎌で切り裂いた言葉の鎌鼬、誰か傷薬持ってきてください。
「昨日出会った女の事なんだが…………」
「恋!?」
「恋か~」
2人の言葉に握りこぶしを軽く掲げ、怒りを示し、そんな2人はキャー、と言って抱き合いながらゴメンゴメンと、軽く謝罪をした。
「昨日の
「あー、こい「あ?」えっと、その名前の長い人がどうしたん?」
今日の朝一番に、あの女の事を流星を含む3人に聞いたら。
『確かに会話をしているのを覗いていたけど、太一が変な事言ってるのが怖くて、気が付かなかった』
『なんの話をしてたん? 状況的に、ホログラム出していたからSEの話っていうのは分かったけど、それにしても聞きなれない単語多すぎっしょ?』
『女の子は気が付いた時には居なかったね~』
との事、俺はみすみす情報流出を止められなかった? そんな可能性がある事を考えると、どうしてもいてもたっても居られなかった。
「みんな言ってたけど~、スパイでもないし他の
「とはいってもなぁ、口角を無理やり上げるのは止めてくれ」
皆に情報共有をしても、なんの情報も得られず、謎は深まるばかり。それに、何も取られていないなら、と考えてみても何か引っかかる。
俺の口角を強制的に上げたピール、その人差し指を振り払って自己分析してみる。
「そんなにたいっちが悩むって事は、SE関連の事?」
「あ、そうか。たぶんあの女、俺より腕がいいから嫉妬してるのかも?」
設計図をパッと見ただけで、心躍らされたのは事実。
「同年代の学園生なら負けないとか思っていたんか、俺? 驕り昂ぶり言語道断すぎるぅ…………」
「たいっち可愛いー! いつもそんな感じでいなよ!」
肩を落としていると、ゼリアがそんな事を言ってきた。
そう言えばゼリアとピールにこんなジメジメした姿を見せた事はなかったか。とりあえず、気分転換と、言い訳をしながら逃げるように散歩に行ってくると伝えた。
「なんか悪いな、調べものしてる最中に」
「いいよ~、元気になって戻ってきてね~」
ピールの言葉を背にして、バックヤードを後にした。
でも、あんな良いもの見せられたらSE作りたくなっちゃうよなぁ…………。
闘志をメラメラと燃え立たせ、
◇◇◇
「見てたかな~?」
「たぶん見てないっしょ? さ、続き続き」