ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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私達は星へと進む、星々を空想で繋げたあの船のように。

「カルドロンをさ、早めちゃえばいいんだよ」

 

「へー、そんな事できるんすねー」

 

 こんな風に、俺の反応はうっすい物だった。1年の時以外は結構な放任主義な学園が、俺達の為に動く訳がないと思っていたからだ。

 

「そうそう、だからもうちょっと協力して欲しいんだよね」

 

「スミス先輩ならいいですよ」

 

 実際、仲間やスミス先輩の頼みでなければ、俺はこれ以上動くことは無かっただろう。

 

 そこから、解析したデータを教師陣へ送り、内容を精査する。そうして方々への許可取りへ奔走しながら、俺はミーシャとネルを除いた全員と合流して、生徒会長の全校への放送が始まった。

 

 その放送を意訳すれば、大規模戦闘のどさくさに紛れて下手人ぶっ殺してこい。だ。

 

 …………こんな放送でどうなる訳でもないと思っていた今の今までは。

 

 俺が他の星進隊(プロトン)の立場だったら、こんなお祭り騒ぎには参加しない、整備の調整を特定の日に定めているのなら、そこ以外で行動するのは危険だし。

 

「ま、星進隊(プロトン)全参加って訳もないだろうな」

 

「…………悔しいですが、そうですね」

 

 下手人との戦力差は不明。土星機(シャニヌス)を操っている事を踏まえると、学園の防衛網を突破する能力を持つ土星機(シャニヌス)が複数運用されれば、どれだけの被害が生まれるか分からない。

 

 1個1個の質は低い土星機(シャニヌス)が、高性能化されている可能性がある。それだけで、特別な理由が無ければ、及び腰になる理由には十分だった。

 

「だとしても、俺はこの騒動の後始末が出来る可能性があるなら、俺はやりたいよ」

 

 その言葉を聞いて俺は口を挟んだ。

 

「流星はそう言うと思ってな、先日謎の女がドックに侵入した事によって、カンタンな整備は済んでるんだ。改造は出来てないが、コルデー以外のSEは用意出来てるぞ」

 

「…………そういえばそんな事言ってましたね」

 

 ちょっと仲良くなったとは言え、あの偽名女は侵入者も侵入者、一応時間作って整備しておいてよかった。

 それでも、水星から攻撃された依頼の状態からあまり変わっていない。土星機(シャニヌス)とデスウラヌス以外にTabooを搭載しているが、それでも、万が一のことがある可能性がある。

 

「1つ忠告して置くぞ、土星機(シャニヌス)に搭載されていた、学園防衛網を突破する高いステルス技術は、ギリギリセーフよりの技術だ。と言うか、普通の仕事上では、ステルス機能を付ける意味は薄い」

 

「…………つまり、通常とは違う殺傷能力がある武器を使ってくる可能性があると?」

 

 その可能性が高い。そして、そんな物を使ってくる奴の正体は…………あまり、考えたくはないな。

 だが、SEの防御性能を突破できる兵装はそうそう無い。隕石破壊用の重武装だったり、対艦兵装だったり、共通して言える事はそれらは取り回しが悪いし、当たらなければどうと言う事はない。

 

「ああ、それを加味しても…………まだ行くか?」

 

「死ぬつもりで行動する人はいないさ、それ以上に、ここで引いたら俺は後悔する」

 

 俺はそこに居る全員を見渡すと、オウムアムアパイロットの気持ちは1つになっていた。ミーシャが居れば苦言を呈していただろうが、今はここに居ない。

 その姿を見たアリアは、簡単なブリーフィングを始めた。

 

「私たちは孤立無援、他星進隊(プロトン)に協力を仰げません。母艦の位置は把握できましたが、土星機(シャニヌス)の性質上保有している戦力の正確な把握は出来ません、それでも…………皆さん勝ちましょう!」

 

「おう!」

「やりますわ!」

「誰に手を出したか、理解(わか)らせてやろうじゃない!」

「相手にとって不足無しだ!」

「直接出向いた方が良いっしょ!」

「お礼参りだね~」

 

 そうして、俺達は母艦へ「ちょっと待ってください!」…………走りだそうとした矢先、アリアが待ったをかけた。

 自身の持つ通信機器をスピーカーにして、受け取った通信相手からの声を俺達に聞かせた。

 

 その内容は、俺達の予想を超えた物だった。

 

「よ! オウムアムア! 俺達リゲルも出撃るぜ! ライブ、ありがとうな!」

 

 知らない星進隊(プロトン)が、こちらへの協力を申し出た。

 困惑していると、次々にメッセージが俺達の耳に流れていく。

 

「このような機会と儲けを作ってくれたオウムアムアに感謝を、星進隊(プロトン)デネブ、無償で協力させて頂きます」

 

 経営科(ビジネス)が強い星進隊(プロトン)が、無償で協力を申し出る。

 

「僕たちフルドッグは、直ぐにでも出れます。オウムアムアさん、貴重な戦闘経験ありがとうございました!」

 

 搭乗科(パイロット)が強い星進隊(プロトン)は、俺達の出店に非常に感謝しているようだった。

 

「改造パイスーのアイディア、ホンマにありがとう! おかげでウチらの販路が拡充されたで! 今度はウチらが助ける番やさかい、うちらピーッコックのパイロット、コキ使ってや~」

 

 卸売科(セール)が強い星進隊(プロトン)が、協力を申し出た。

 

「私達テレベルムはオウムアムアへの協力を決定いたしました。侵入者を捉えられず申し訳ありません、この失態は仕事で取り返します。…………極東ではこういうのを汚名挽回、名誉返上と呼ぶのですよね? そちらも頑張ってください」

 

 なんかちょっと違う気がする。

 管制科(オペレーター)が強い星進隊(プロトン)が汚名返上、名誉挽回の為に立ち上がった。

 

星進隊(プロトン)バイケンよ! ほんっとーにありがとう! 貴方達のおかげでウチの変態共がチョー大人しかったの! だから私達は協力を惜しまないわ、宇宙で会いましょう! って言うかそうしないとうちの変態共がキャ────!? 「真流流! 真流流!」通信中よアンタらさっさと持ち場に戻りなさい!!」

 

 事件性のある悲鳴が聞こえて来た。

 整備科(メカニック)が強い星進隊(プロトン)が協力を申し出る。

 …………真流流ちゃんとウェスタにそんな副次効果があったんですか?

 

 そうして、俺達に協力したいという星進隊(プロトン)が、次々と俺達にメッセージを送ってくる。

 ふと、隣を見ると、流星が涙ぐんでいた。

 

「…………頑張って良かったな」

 

「うん………………みんな、行こう!」

 

 袖で目元をガシガシと擦り、流星はそう言った。

 俺も目頭が熱くなってきた。

 

 俺達はもう一度走り出す、負けられない戦いが今始まろうとしていた。

 

 

 

「あ、コレ対外的には、学園のイベントに巻き込まれてしまったって事になっているんで、このことは学園外には内密にしてくださいね」

 

 

 

 …………うちの学園も相当なヤクザスタイルだった。

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